寝かしつけのあと、何度も起きてくる幼児への対応
リビングでようやくひと息ついたところに、ぺたぺたと足音。「ねえ、ねむれない」。布団に戻しても、5分後にはまた顔を出す。ベビーベッドを卒業して、自分で歩いて出てこられるようになると、こんな夜が始まることがあります。手がかりは「消灯前に、予想できる用事をすませておく」こと。夜の場面だけでなく、お昼寝の時刻や夕方の過ごしかたも合わせて見ると、起きてくる理由が見えてきます。
起きてくるのには理由がある
布団から出てくるのは、新しく手に入れた自由をためしている、親とつながりたい、別れを先のばしにしたい、まだ眠る準備ができていない、といったしるしかもしれません。まず、のどのかわき、トイレ、体の不快感、生活の時間を確かめましょう。そのうえで、起きてきたときの大人の対応は短く。起きてくるほうが楽しい夜にならないようにします。
起きてきたときは
毎回、同じ短いひと言で、落ち着いて布団に戻します。交渉はできるだけしないこと。ベビーゲートや閉めたドアが、火事のときや目が届かないときの危険になってはいけません。年齢に合った部屋の安全を整え、何かあったときに子どもが大人のところへ来られるようにしておきましょう。
まず考えておきたいこと
線引きをきびしくする前に、起きてくる行動が何の役に立っているかを考えます。本当に必要なものを満たしているのか、親とのつながりを取りもどしたいのか、別れを先のばしにしたいのか、刺激がほしいのか、生活の時間がずれているのか。歩きまわっても安全な部屋にすることもふくめ、「わざと引きのばしている」と決めつけず、残っている安全や健康の心配に目を向けましょう。
何度も起きてくるときの4ステップ
- 消灯前に、予想できる用事をすませておく。
- 線引きは、明るい時間に話しておく。
- 起きてきたら、落ち着いたひと言で戻す。
- 歩きまわっても安全な部屋にしておく。
お水とトイレは消灯前にすませ、昼のうちに「おやすみのあとは、おふとんでごろごろしようね」と話しておきます。始まりは用事をすませておくこと。そのうえで明るい時間に話した線引きを、短く、あたたかく、毎晩同じようにくり返します。長い押し問答になると、眠るより起きているほうが楽しくなってしまいます。
ステップのつながり
用事をすませ、明るい時間に線引きを話しておきます。起きてきたら同じひと言で戻し、部屋はいつ歩きまわっても安全な状態にしておきます。夜のほかの流れはなるべく同じに保ち、何が変わるかを見ていきましょう。
寝かしつけをする大人どうしで
一人は布団に戻すのに、もう一人はリビングでいっしょにテレビを見せる。これでは子どもは迷ってしまいます。最初の2つ、消灯前に用事をすませることと、明るい時間に線引きを話しておくことは、家族でそろえておきましょう。言いかたまでそろえる必要はありません。呼吸や痛みのどんな変化で医師に相談するかも、あわせて伝えておきましょう。
何晩か重ねてふり返る
消灯前に用事をすませる工夫は、ふつうの夜を何回か重ねて確かめます。たまたま一度も出てこなかった夜や、何度も出てきた夜だけで判断しないこと。書くのは、どんな日だったか、子どもがどうだったか、家族の夜はどうだったか、の三つくらいで足ります。
ふり返るときは、起きてきたときに落ち着いたひと言で戻せているかを見ます。効いた工夫は残して、しんどかった工夫は軽くします。変えるのは、いつも1つずつ。ただし、体や発達のことで心配があれば、相談がいちばん先です。
大人が決められること、決められないこと
明るい時間に線引きを話しておくのは、大人にできることです。対応を予想しやすくし、部屋を安全にすることもできます。でも、子どもに「怖がらないで」「すぐ寝て」「くっつきたがらないで」と求めることはできません。線引きがやさしく続けられるものなら、ゆっくりの変化も本当の変化です。
安全を先に
歩きまわっても安全な部屋にすることは、計画のゆずれない部分です。寝室のドア、ベビーゲート、家具、コード、電子機器が、火事、よじのぼり、目が届かないといった危険を生まないようにしましょう。いつにないのどのかわきや体の症状には、医師の助言が必要です。どんなやりかたでも、翌日に大人が安全に動ける余力を残してください。
よくあるつまずき
お昼寝も寝る時間も寝かしつけ方も、同じ週にまとめて変えてしまう。体の不調を夜のわがままと思う。寝不足が増しているのに、決めたことだからと引きのばす。いちばんつらかった夜の印象で、全部を判断してしまう。用事を先にすませる工夫も、こうしたことでぶれやすくなります。
前進のしるし
1週間を通して、交渉が短くなった、起きてくる回数が減った、離れるのが楽になった、大人の対応が落ち着いて一貫してきた、といった変化を探します。うまくいっていても、ふつうのいやがりは続くことがあります。ただ、疲れすぎが続く、怖がりかたが強くなるなら、時間や手助けの量を見直しましょう。
メモは、時刻と体の症状、昼間の様子だけで十分です。それだけでも、大変な一晩ではなく、ふだんのパターンで判断できます。
相談したいとき
いびきが大きく続く、眠りながら息が止まる、痛がる、成長が心配、変わった動きがある、昼間とても眠そう、突然様子が変わった。ひとつでも当てはまれば、かかりつけの小児科で相談してみてください。メモがあると伝えやすくなりますが、ぬけがあってもかまいません。毎晩の寝かしつけで親が疲れきっていることも、相談していい理由です。
覚えておきたいこと
一度も起きてこない夜を目標にしなくていいのです。用事を先にすませておくことから始め、部屋の安全と親子の安心を守りながら、起きてくる回数がどう減っていくかを見ましょう。どうしても続くときは、その子を知る専門家に相談してかまいません。
ポイント: まずは消灯前に用事をすませておくこと。同じひと言で戻すことを続け、夜の変化を見守りましょう。
NHS, Night terrors and nightmares
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five