子どもの寝る時間を遅くしたいとき、眠りを削らない工夫

8時に布団に入っても、9時すぎまでごろごろ。あるいは、仕事の帰りが遅くなって、子どもと過ごせる時間がほとんどない。そんなとき、寝る時間を少し遅くしようかと考えることがあります。まず確かめたいのは「眠りの合計が足りたままか」。夜の時刻だけでなく、朝の起床とお昼寝もあわせて見ると、遅くしても大丈夫かどうかが判断しやすくなります。病気や園の予定でゆれる週があるのは当然で、大人ができるのは眠る機会を守るところまでです。

遅くしてもいいのは、眠りが足りているとき

いつも布団の中で長く起きている、家族の事情が変わった。そんなとき、寝る時間を遅くすることが助けになる場合があります。ただし、必要な眠りをただ削るだけになってはいけません。先に朝の起床とお昼寝を見直し、新しい予定でも、年齢に合った眠りの合計が24時間の中でとれるようにしましょう。

毎晩の進めかた

寝る前の流れは、まるごと少しずつ後ろにずらし、朝起きる時刻はなるべくそろえておきます。そして昼間の機嫌と元気さに目を向けましょう。朝なかなか起きない、思わぬときに眠りこんでしまう、ずっと気持ちが不安定。そんな様子があれば、遅い時刻は家族が思っていた以上に眠りを削っているサインです。

はじめに書きとめること

決めた時刻と、実際の眠りはずれているものです。ふだんの数日について、寝ついた時刻、朝の起床、お昼寝、昼間の機嫌を記録し、保育園の時間、体調、外出の予定も書きそえます。昼間の元気が落ちたら変更を戻す、という判断も、よその家の時刻ではなく、その子の眠りの合計をもとにしましょう。

遅くするときの4ステップ

  • 眠りの合計が足りたままかを確かめる。
  • 寝る前の流れを、まるごと少しずつずらす。
  • 朝起きる時刻は、だいたい同じに保つ。
  • 昼間の元気が落ちたら、変更を戻す。

まずは眠りの合計を確かめ、寝る前の流れごと少しだけ後ろへ。この2つから始めると、子どもにも変化がわかり、くり返しやすくなります。ずらすのは小さな幅で。朝の起床はなるべくそろえ、寝かしつけ方もお昼寝も寝る時刻も朝の声かけも、同じ夜にまとめて変えないようにしましょう。

4つのステップの順番

眠りの合計を確かめたら、寝る前の流れを少しずつずらします。次に、朝の起床時刻を守り、最後に、昼間の様子が悪くなっていないかを見て、必要なら元に戻します。そのあいだ、夜のほかの部分はなるべく同じに。何が効いているのかが見えやすくなります。

家族のあいだで決めておくこと

帰りの遅い家族と過ごす時間をつくるための変更なら、なおさら家族の足並みが大切です。最初の2つ、眠りの合計を確かめること、流れをまるごとずらすことは、全員で共有しておきましょう。ことばが違っても、子どもが「いつもの流れ」とわかれば十分です。どんな息づかいや痛み、昼間の様子なら受診するかも決めておきます。

様子を見る期間

眠りの合計が足りているかは、ふつうの日を何回か重ねて確かめます。たまたま楽だった日や、とても大変だった日だけで決めないこと。メモは、その日の状況、子どもの反応、家族の夜への影響程度にして、観察が新しい負担にならないようにしましょう。

ひと区切りついたら、朝の起床時刻がちゃんと守れているかとあわせて見ます。夜が安全で、わかりやすくなった工夫は残し、家族が負担が大きかったことは小さくし、次に変えるのは一度に1つ。体調、安全、発達で気になることがあるときは、そちらの相談を先にします。

大人に決められる範囲

寝る前の流れをずらすのは、大人にできることです。明かり、音、時間の合図、眠れる時間を用意するのも同じ。けれど、眠るかどうかは子どもの体が決めます。眠れない子を叱らず、休みやすい条件を整えましょう。どの子にもぴったりの時刻表があるとは限りません。

安全を先に

昼間の元気が落ちたら戻す、というのは安全のための大事な線です。遅く寝かせたいからといって必要な眠りを削らない、処方されていない睡眠のための薬は使わない、変更で昼間にひどく眠そうになったら元に戻す。呼吸の様子、痛み、いつもと違う体の動き、急な大きな変化は、医師にみてもらいましょう。

よくあるつまずき

眠りにかかわることを同時にいくつも変える。体の不調を寝る前のぐずりと受けとる。疲れがたまっているのに同じやり方を続ける。とくに大変だった一晩で決めてしまう。眠りの合計を確かめる工夫も、こうしたことでくずれます。

うまくいっているかの見かた

1晩ではなく、まる1週間をくらべます。寝つくまでが短くなった、眠気と消灯の時刻がそろってきた、眠りの合計が足りている、昼間の機嫌がいい。そんな変化が見られれば大丈夫です。いちばん役に立つのは、子どもと家族が安全に続けられる予定です。

記録は、時刻、体の症状、昼間への影響の3つで十分です。細かい動きまで書かなくても、ふだんのパターンがつかめれば、たまたまの一晩に判断を左右されません。

相談したほうがいいとき

寝ているあいだに呼吸が止まる、大きないびきが続く、痛みがある、成長がよくない、いつもと違う動きがある、昼間ひどく眠そう、急に大きく変わった。ひとつでも当てはまれば、かかりつけの小児科で相談してみてください。睡眠の記録は役に立ちますが、そろうまで待たなくてかまいません。親が疲れきっていることも、立派な相談の理由です。

覚えておきたいこと

寝る時刻を遅くすることそのものが目的ではありません。眠りの合計が足りているかを確かめたうえで、家族の時間と子どもの安心のどちらもあきらめずに、何週間かかけて様子を見ましょう。判断に迷うことは、その子を直接みてもらって確かめます。

ポイント: 遅くする前に、眠りの合計を確かめること。足りているなら少しずつ動かし、昼間の元気で答え合わせをしましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five