寝る前のスマホや動画は、小さな子の眠りにどう影響する?

夕ごはんの片づけのあいだだけ、と見せはじめた動画が、いつのまにか寝る直前まで続いている。消すと泣くので、またつけてしまう。よくある夜の光景です。手がかりは「画面が今、何の役に立っているかを知る」こと。寝る前の時間だけを責めるのではなく、夕方から朝までの流れの中で画面の位置を見直すと、変えるところが見つかります。疲れた日や病気の日にゆれるのは当たり前で、眠りは大人の都合で始まるものではありません。

画面が眠りを遅らせる三つの理由

画面は、光、刺激の強い内容、そして寝る前の流れに使うはずの時間が減ること、この三つで寝る時間を遅らせることがあります。影響の大きさは、何を見ているか、寝る時刻にどれだけ近いか、そして画面が「これがないと落ち着けない」ただ一つの合図になっているかどうかで変わります。

取りあげるより、置きかえる

ただ消すだけでなく、代わりのものを用意しましょう。絵本、お絵かき、お風呂、静かな音楽など、刺激が少なく毎晩くり返せることを選び、スマホやタブレットは寝室の外で充電します。今、夜の大半を画面が占めているなら、少しずつ変えるほうが長続きします。

まず見ておきたいこと

ルールをきびしくする前に、画面を見たがる行動が何の役に立っているかを考えます。本当に必要なものを満たしているのかもしれませんし、親とつながる時間、別れを先のばしにする方法、刺激がほしい気持ち、生活の時間のずれのあらわれかもしれません。長い習慣を少しずつ減らすときも、「わざと引きのばしている」と決めつけず、残っている安全や健康の心配に目を向けましょう。

画面から離れる4ステップ

  • 画面が今、何の役に立っているかを知る。
  • 落ち着く代わりの遊びを選ぶ。
  • スマホやタブレットは寝室の外で充電する。
  • 長い習慣は、少しずつ減らす。

のどがかわいた、トイレといった予想できる用事は消灯前にすませ、明るい時間に「今日から寝る前は絵本にするよ」と話しておきます。まずは画面が何の役に立っているかを知り、そのうえで代わりの遊びを、短く、あたたかく、毎晩同じようにさしだします。長い交渉になると、起きていることのほうが楽しくなってしまいます。

4つのステップのつながり

画面が何の役に立っているかがわかったら、それを満たす代わりの遊びを選びます。次に、スマホやタブレットを寝室から出し、最後に、長年の習慣なら少しずつ時間を減らしていきます。そのあいだ、夜のほかの流れはなるべく同じに保ちましょう。

家族で足並みをそろえる

パパは動画を見せる、ママは見せない、では子どもが混乱します。最初の2つ、画面が何の役に立っているかを知ることと、代わりの遊びを選ぶことは、家族で共有しておきましょう。声かけは人それぞれでかまいません。呼吸や痛み、昼間の様子がどうなったら病院に行くかも、話しておくと安心です。

何晩か重ねて見る

画面の役割を知る工夫は、ふつうの夜を何回か重ねて確かめます。すんなりいった夜や、ひどく大変だった夜だけで決めないこと。メモは、その夜の状況、子どもの反応、家族の夜への影響程度にとどめ、観察が負担にならないようにしましょう。

ふり返りでは、代わりの遊びが定着してきたかを見ます。夜が続けてよかったことはそのままに、無理があったことは手をぬき、次に変えるのは1つだけ。体調や安全、発達のことで気がかりがあるなら、工夫より先に専門家へ。

大人が決められること

代わりの遊びを選ぶのは、大人にできることです。対応を予想しやすくし、部屋を安全にすることもできます。でも、子どもに「怖がらないで」「今すぐ寝なさい」「くっつきたがらないで」と求めることはできません。線引きがやさしく、続けられるものであれば、ゆっくりした変化も、ちゃんとした変化です。

無理をしないための線引き

少しずつ減らすことは、計画のゆずれない部分です。寝室のドア、ベビーゲート、家具、コード、充電中の機器が、火事、よじのぼり、目が届かないといった危険を生まないようにしましょう。いつにないのどのかわきや体の症状があるときは、医師に相談を。どんなやりかたでも、翌日に大人が安全に動けるだけの余力を残すことが大切です。

よくあるつまずき

時刻、場所、声かけを一度に入れかえてしまう。体の不調を寝る前のぐずりだと思う。疲れがひどくなっているのに同じ方法を続ける。いちばんつらかった夜の印象で、全部を判断してしまう。画面の役割を知る工夫も、こうしたことでくずれやすくなります。

変化のはかりかた

1週間を通して、交渉が短くなった、寝室から出てくる回数が減った、離れるのが楽になった、大人の対応が落ち着いて一貫してきた、といった変化を探します。計画がうまくいっていても、ふつうのいやがりは続くことがあります。ただ、疲れすぎが続く、怖がりかたが強くなる、というときは、時間や手助けの量を考えなおしましょう。

記録は、時刻、体の症状、昼間への影響だけで十分です。こまかい動きまで書かなくても、ふだんのパターンがわかれば、たまたまの一晩にふり回されません。

受診を考えたいとき

寝ているあいだに呼吸が止まる、大きないびきが続く、痛みがある、成長がよくない、いつもと違う動き、昼間ひどく眠そう、急な大きな変化。こんなときは、かかりつけの小児科医に相談しましょう。睡眠の記録は話の助けになりますが、完璧なデータは必要ありません。親が疲れきっていることも、相談していい理由です。

覚えておきたいこと

画面をきっぱりゼロにすることが目標ではありません。画面が何の役に立っているかを知り、代わりのものを少しずつ増やしながら、親子の時間と安全を守り、寝る前の空気がどう変わるかを見ていきましょう。家庭の工夫で追いつかないときは、専門家に相談してかまいません。

ポイント: 画面の役割を知ることが、置きかえの第一歩。できるところから代わりの遊びを入れ、夜の変化を見ましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five