寝かしつけで親が離れると泣く、幼児の夜の分離不安

絵本を読んで、おやすみを言って、そっと立ち上がった瞬間。「行かないで!」と大泣き。昼間は保育園でも平気なのに、どうして夜だけ。手がかりは「うそのない、いつも同じおやすみを言う」こと。夜のことだけでなく、昼間の離れる場面や最近の生活の変化も合わせて見ると、不安の理由がわかりやすくなります。安心させることは大人にできますが、眠りに落ちるのは子ども自身です。

夜は、離れるのがむずかしい時間

寝る時間には、暗さ、刺激の少なさ、親から離れることが重なります。昼間の別れは平気でも、夜は不安が強くなることがあるのです。新しい園、旅行、病気、発達の変化があると、しばらく安心を求める気持ちが強くなることもあります。

毎晩のこたえかた

うそのないおやすみ、予想できる「また見に来るね」、年齢に合った安全なお気に入りのもの。この三つを使います。そっと抜けだすと、その夜は早くおさまるかもしれませんが、次に離れるときに、子どもが親を信じにくくなることがあります。手助けを減らすのは、子どもが落ち着いてこなせるようになってからです。

まず考えておきたいこと

ルールをきびしくする前に、泣いたり呼んだりする行動が何の役に立っているかを考えます。本当に必要なものを満たしているのか、親とのつながりを取りもどしたいのか、別れを先のばしにしたいのか、刺激がほしいのか、生活の時間がずれているのか。手助けを少しずつ減らすときも、「わざと引きのばしている」と決めつけず、残っている安全や健康の心配に目を向けます。

夜のおやすみの4ステップ

  • うそのない、いつも同じおやすみを言う。
  • 年齢に合った安全なお気に入りのものを使う。
  • 「見に来るね」と約束したら、その時間に戻る。
  • 手助けを減らすのは、無理のない小さな段階で。

のどのかわきやトイレなど予想できることは消灯前にすませ、昼のうちに「寝る前はこうするよ」と話しておきます。始まりは、うそのない、いつも同じおやすみ。そのあとお気に入りのものを、短く、あたたかく、毎晩同じようにさしだします。長い押し問答になると、眠るより起きているほうが楽しくなってしまいます。

4つのステップのつながり

いつも同じおやすみを言い、お気に入りのものをそばに置きます。「5分したら見に来るね」と約束したら、必ずその時間に戻ります。最後に、子どもが落ち着いてきたら、手助けを少しずつ減らします。そのあいだ、夜のほかの流れはなるべく同じに保ちましょう。

家族で足並みをそろえる

ママのときは泣かないのに、パパだと泣く。そんなこともあります。最初の2つ、うそのないおやすみと、お気に入りのものは、家族でそろえておきましょう。せりふまでそろえなくても、子どもがいつもの流れとわかれば安心できます。受診を考える目安(呼吸、痛み、昼間の様子)も、家族みんなで知っておきます。

何晩か重ねてふり返る

うそのないおやすみは、ふつうの夜を何回か重ねて身についていきます。とくに楽だった夜や、とても泣いた夜だけで判断しないこと。書くのは、どんな日だったか、子どもがどうだったか、家族の夜はどうだったか、の三つくらいで足ります。

ふり返るときは、約束どおり見に行けていたかを確かめます。安全で、わかりやすくなった工夫は残し、無理のあったことは手放し、変えるのは一度に1つ。体調、安全、発達で気になることがあれば、そちらを先に専門家に相談しましょう。

大人が決められること、決められないこと

お気に入りのものを用意するのは、大人にできることです。対応を予想しやすくし、部屋を安全にすることもできます。でも、子どもに「怖がらないで」「すぐ寝て」「くっつきたがらないで」と求めることはできません。線引きがやさしく続けられるものなら、ゆっくりの変化も本当の変化です。

守りたい安全のこと

手助けを小さな段階で減らすことは、計画のゆずれない部分です。寝室のドア、ベビーゲート、家具、コード、電子機器が、火事、よじのぼり、目が届かないといった危険を生まないようにしましょう。いつにないのどのかわきや体の症状には、医師の助言が必要です。どんなやりかたでも、翌日に大人が安全に動ける余力を残すことが大切です。

よくあるつまずき

お昼寝も寝る時間も寝かしつけ方も、同じ週にまとめて変えてしまう。体の不調を夜の甘えと思う。寝不足が増しているのに、決めたことだからと引きのばす。とりわけ泣いた一晩で決めてしまう。うそのないおやすみも、こうしたことでぶれてしまいます。

前進のしるし

1週間を通して、押し問答が短くなった、呼ぶ回数が減った、離れるのが楽になった、大人の対応が落ち着いて一貫してきた、といった変化を探します。うまくいっていても、ふつうのいやがりは続くことがあります。ただ、疲れすぎが続く、怖がりかたが強くなるなら、時間や手助けの量を見直しましょう。

メモは、時刻と体の症状、昼間の様子だけで十分です。それだけでも、たまたまの一晩ではなく、ふだんのパターンで判断できます。

相談したいとき

眠っているときに息が止まる、いびきが大きい日が続く、どこかを痛がる、体の育ちが気になる、見なれない動きがある、昼間もぼんやり眠そう、急にがらりと変わった。ひとつでも当てはまれば、かかりつけの小児科で相談してみてください。記録は話の助けになりますが、完璧である必要はありません。毎晩の寝かしつけで親が疲れはてていることも、相談していい理由です。

覚えておきたいこと

ひとりで平気になるまでには時間がかかります。うそのない、いつも同じおやすみを続け、約束どおり戻ってくる安心を重ねながら、何週間かで離れやすさがどう変わるかを見ましょう。不安がとても強い、昼間の暮らしにも影響しているときは、専門家に相談を。

ポイント: うそのない、いつも同じおやすみから。約束を守ることを続けて、離れられる時間の変化を見守りましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five