親がそばにいないと眠れない幼児、添い寝からの少しずつの離れかた

毎晩、となりで横になって、寝息が聞こえたらそっと起き上がる。なのに、動いた瞬間にぱちっと目が開く。気づけば自分も寝落ちして、家事も何も手につかない。そんな夜が続いていませんか。手がかりは「変えることを、明るい時間に話しておく」こと。寝かしつけの場面だけでなく、お昼寝や朝の起床も合わせて見直すと、無理のない進めかたが見えてきます。体調をくずしたら寄りそうのが先、というくらいの気持ちで大丈夫です。

そばにいてほしいのは、悪いことではない

寝つくときに大人がそばにいる必要があるのは、しつけの失敗でも、愛着がうまく育っていない証拠でもありません。困りごとになるのは、そのやりかたが子どもや家族にもう合わなくなったとき、眠りが何度も乱れるとき、大人が疲れはてて安全に過ごせなくなったときです。

距離は、少しずつ

そばにいる距離は、小さな、予想できる段階で変えていきます。となりに寝ていたなら、まずは布団の横に座る。慣れたら少し離れて座る。そのあいだも、最後の合図(「おやすみ、また明日ね」など)は同じに保ちます。明るい時間に話しておき、寝る前はあたたかくふれあい、病気や大きな変化があるときは、いったんお休みして、たっぷり寄りそってかまいません。

まず考えておきたいこと

線引きをきびしくする前に、そばにいてほしい気持ちが何を満たしているかを考えます。本当に必要な安心なのか、親とのつながりを取りもどしたいのか、別れを先のばしにしたいのか、刺激がほしいのか、生活の時間がずれているのか。病気のときに変化を止めることもふくめ、「わざと引きのばしている」と決めつけず、残っている安全や健康の心配に目を向けましょう。

少しずつ離れる4ステップ

  • 変えることを、明るい時間に話しておく。
  • 最初は、無理のない近さから始める。
  • 決まった段階で、距離を少しずつ広げる。
  • 病気のときは、変化をお休みする。

のどのかわきやトイレは消灯前にすませ、昼のうちに「今日から、ママ(パパ)はおふとんの横に座っているね」と話しておきます。そのうえで、無理のない近さを、短く、あたたかく、毎晩同じように続けます。長い交渉になると、眠るより起きているほうが楽しくなってしまいます。

4つのステップのつながり

明るい時間に話しておき、最初は子どもが安心できる近さから始めます。慣れてきたら、決めた段階どおりに距離を広げ、病気や大きな変化のときはいったん止めます。夜のほかの流れはなるべく同じに保ち、何が変わるかを見ていきましょう。

寝かしつけをする大人どうしで

パートナーと交代で寝かしつけるなら、最初の2つ、明るい時間に話しておくことと、どの近さから始めるかはそろえておきましょう。ことばまで同じでなくても、子どもがいつもの流れとわかれば十分です。どんな息づかいや痛み、昼間の様子なら受診するかも決めておきます。

何晩か続けてみる

明るい時間に話しておく工夫は、ふつうの夜を何回か重ねて身についていきます。すんなり寝た夜や、とても泣いた夜だけで決めないこと。記録は手短に。その日の様子と子どもの反応、家族の夜のことだけで十分です。

ふり返るときは、決めた段階どおりに距離を広げられているかを見ます。続けてよかったことはそのままに、無理があったことは手をぬき、次に変えるのは1つだけ。ただし、体や発達のことで心配があれば、相談がいちばん先です。

大人にできること、できないこと

どの近さから始めるかは、大人が決められます。対応を予想しやすくし、部屋を安全にすることもできます。でも、子どもに「怖がらないで」「すぐ寝て」「くっつきたがらないで」と求めることはできません。線引きがやさしく続けられるものなら、ゆっくりの変化もちゃんとした変化です。

安全を先に

病気のときに変化をお休みすることは、計画のゆずれない部分です。寝室のドア、ベビーゲート、家具、コード、電子機器が、火事、よじのぼり、目が届かないといった危険を生まないようにしましょう。いつにないのどのかわきや体の症状には、医師の助言が必要です。どんなやりかたでも、翌日に大人が安全に動ける余力を残してください。

よくあるつまずき

工夫をいくつも同時に始めて、どれが効いたのかわからなくなる。体の不調を甘えだと思う。疲れが目に見えて増えているのに、方法を見直さない。とくに泣いた一晩で決めてしまう。明るい時間に話しておく工夫も、こうしたことでぶれやすくなります。

前進のしるし

1週間を通して、交渉が短くなった、呼ぶ回数が減った、離れるのが楽になった、大人の対応が落ち着いて一貫してきた、といった変化を探します。うまくいっていても、ふつうのいやがりは続くことがあります。ただ、疲れすぎが続く、怖がりかたが強くなるなら、段階の速さや寄りそいかたを考えなおしましょう。

メモは、時刻、体の症状、翌日の様子の三つを書くくらいで十分。ふだんの流れがわかれば、つらかった一晩にふり回されずにすみます。

小児科に相談したいとき

呼吸が止まっているように見える、毎晩大きないびきをかく、痛みがありそう、体重や身長の伸びが気になる、いつもと違う体の動き、昼間に強い眠気がある、急に大きく変わった。そんな様子があれば、小児科で一度みてもらいましょう。メモがあると伝えやすくなりますが、ぬけがあってもかまいません。寝かしつけで親がくたくたなことも、相談していい理由です。

覚えておきたいこと

そばにいる時間をゼロにすることが目的ではありません。明るい時間に話しておくことから始め、子どもの安心と大人の休息の両方を守りながら、何週間かで距離がどう変わるかを見ていきましょう。どうにも進まないときは、その子を知る専門家に頼ってかまいません。

ポイント: 変えることは、明るい時間に話しておく。小さな段階で続けて、寝つきの距離の変化を見守りましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five