旅行や帰省のときの幼児の眠り、いつもの合図を持っていく
お盆の帰省、祖父母の家の大きな和室。いつもと違う天井、違う布団、夜までにぎやかないとこたち。案の定、子どもはなかなか寝つかず、夜中も何度も起きる。旅先では、家と同じ眠りを求めるほうが無理なのかもしれません。手がかりは「いつもの寝る前の合図を、小さく持っていく」こと。旅の前後の数日を合わせて見ると、乱れは一時的なものだと落ち着いて受けとめられます。
旅先では、家と同じ眠りでなくていい
旅行では、光、時間、刺激、寝る場所が変わるので、家と同じように眠ることを目標にするのは現実的ではありません。パジャマ、絵本1冊、いつもの「おやすみ」のことばなど、持ち運べる合図をいくつか守り、寝つくまでにいつもより手助けが必要なことは受け入れましょう。
出かける前と、帰ってから
着いたら寝る時間の前に、寝る場所を確かめておきます。現地であり合わせにするより、年齢に合った寝具や用品を持っていくほうが安心です。家に帰ったら、朝の光、食事、いつもの流れを取りもどしましょう。時差があるときはできるだけ少しずつずらし、元に戻るまで数日かかるものと考えておきます。
実際の眠りを書きとめる
家での予定と、旅先での実際の眠りをくらべてみましょう。旅の前後のふだんの数日について、寝ついた時刻、朝の起床、お昼寝、昼間の機嫌を記録し、移動の日、体調、預け先の予定も書きそえます。帰ってから少しずつ戻すときも、よその家の時刻ではなく、その子の眠りの合計で考えます。
旅行と眠りの4ステップ
- いつもの寝る前の合図を、小さく持っていく。
- 朝の光と起きる時刻を、いかりにする。
- 移動中は、期待をゆるめておく。
- 着いたら、少しずつ流れを取りもどす。
まずは、お気に入りの絵本やぬいぐるみを持っていき、朝はカーテンを開けて、だいたいいつもの時刻に起こす。この2つから始めると、変化が見え、くり返しやすくなります。時間を動かすときは小さな幅で、朝の起床はなるべくそろえ、お昼寝、寝る時間、寝かしつけ方、朝の声かけを同じ夜にまとめて変えないようにしましょう。
ステップのつながり
いつもの合図を持っていき、朝の光と起床時刻で一日のいかりをおろします。移動中は眠りが乱れてもよしとして、着いたら、そして家に帰ったら、少しずつ流れを取りもどします。そのあいだ、夜のほかの部分はなるべく変えないようにしましょう。
祖父母や旅の仲間と
帰省先では、祖父母が「たまにはいいじゃない」と夜ふかしさせることもあります。最初の2つ、いつもの合図と朝の起床時刻だけは、事前に伝えておきましょう。声かけまでそろえなくても、子どもが「いつもの流れ」と感じられれば十分です。どんな息づかいや痛み、昼間の様子なら受診するかも、旅先の医療機関とあわせて確認しておくと安心です。
旅の前後で見る
いつもの合図の効果は、何回かの夜を重ねて確かめます。移動でくたくたの夜や、はしゃぎすぎた夜だけで判断しないこと。メモは、状況、子どもの反応、家族の夜への影響程度にとどめましょう。
ふり返るときは、移動中の期待をゆるめられていたかもあわせて見ます。安全で、わかりやすくなった工夫は次の旅行にも残し、無理のあったことは手放し、変えるのは一度に1つ。気がかりが体調や発達にあるなら、そちらの相談を先に。
大人に決められること
朝の光と起床時刻をいかりにするのは、大人にできます。明かり、音、時間の合図、眠れる時間も同じです。でも、眠りそのものは決められません。旅先で眠れない子を叱らず、休みやすい条件を整えましょう。旅先でも家と同じ時刻表がうまくいくとは限りません。
安全の線と、子どもへの敬意
流れを取りもどすときも、安全な範囲で。早く寝かせたいからといって、必要な眠りを削らないこと。処方されていない睡眠のための薬は使わず、時間を変えて昼間にひどく眠そうになったら元に戻しましょう。呼吸の様子、痛み、いつもと違う体の動き、急な大きな変化は、旅の疲れと決めつけず、医師にみてもらいます。
よくあるつまずき
時刻、場所、声かけを一度に入れかえてしまう。体の不調を旅の疲れと思いこむ。疲れがたまる一方なのに、やめどきを逃す。うまくいかなかった一晩だけで、やめてしまう。いつもの合図を持っていく工夫も、こうしたことで見えにくくなります。
よくなってきたかの見かた
帰ってから1週間をくらべます。寝つくまでが短くなった、眠気と消灯の時刻がそろってきた、眠りの合計が足りている、昼間の機嫌が戻ってきた。そんな変化があれば、元のリズムに戻りつつあります。いちばん役に立つのは、子どもと家族が安全に続けられる予定です。
旅の前後のメモは、時刻、体の症状、昼間への影響だけで十分です。細かく書かなくても、ふだんのパターンで判断できます。
相談したいとき
寝ているあいだに呼吸が止まる、大きないびきが続く、痛み、成長の心配、いつもと違う動き、昼間のひどい眠気、急な大きな変化。気になるサインがあれば、かかりつけ医に話してみましょう。記録はあれば便利ですが、そろっていなくても相談はできます。旅の疲れで親がくたくたなことも、相談していい理由です。
覚えておきたいこと
どこでもすぐ眠れる子にする必要はありません。いつもの合図を持っていくことから始め、旅先でも安全な寝床を確保し、帰ってから1週間ほどでリズムが戻っていくかを見ましょう。旅のあとに体調の変化があれば、早めにみてもらいます。
ポイント: 旅にはいつもの合図をひとつ。帰ったら朝の光と起床時刻で、眠りの戻りを見守りましょう。
NHS, Night terrors and nightmares
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five