子どもの寝る時間を早くするには、朝から少しずつ

保育園が始まる、きょうだいが生まれる、夏休みで夜ふかしが続いた。理由はいろいろでも、「もう少し早く寝てほしい」と思う時期はあるものです。手がかりは、夜ではなく朝。「朝起きる時刻をだいたい同じに保つ」ところから考えると、寝る時刻だけをいじるよりずっとうまくいきます。体調や気質、園の予定で日によってずれるのは自然なこと。大人に用意できるのは眠れる時間までで、眠りを早めるよう命じることはできません。

早寝は、体内時計といっしょに

寝る時間を早くするのがうまくいくのは、子どもの体内時計もいっしょに動いたときです。消灯をいきなり大きく早めると、布団の中で目がさえたまま長く過ごすことになりがち。朝の光、起きる時刻、お昼寝の時間、寝る前の流れを少しずつ変えていけば、眠気がそれに追いついてきます。

どれくらいずつ動かすか

寝る前の流れと寝る時間は、1回につき10〜15分ほど早めます。できれば、それぞれの段階を数日ずつ続けましょう。病気や行事で予定がくずれる日もあります。遅くなった夜が1回あっても失敗ではありません。最後にうまくいっていた時刻に戻ればいいのです。

動かす前に記録すること

「8時に寝かせているつもり」でも、実際に寝ついているのは9時かもしれません。ふだんの数日について、寝ついた時刻、朝の起床、お昼寝、昼間の機嫌を書きとめ、保育園の時間、体調、外出の予定も記録します。寝る時間を10分ずつ動かすときも、ほかの家の時刻ではなく、その子の眠りの合計を見ながら進めましょう。

早寝に近づく4ステップ

  • 朝起きる時刻を、だいたい同じに保つ。
  • 朝の光を、時間の合図にする。
  • お昼寝と寝る前の流れを、少しずつずらす。
  • 寝る時間を、10分ずつ早める。

まずは、毎朝だいたい同じ時刻に起こし、カーテンを開けて朝の光を浴びる。この2つから始めると、変化が目に見えてくり返しやすくなります。時刻を動かすときは小さな幅で。お昼寝、寝る時間、寝かしつけ方、朝の対応を同じ夜にまとめて変えないようにします。

どの順番で進めるか

最初に起床時刻をそろえ、次に朝の光を体内時計の合図にします。それが定着したら、お昼寝と寝る前の流れを少しずつ前にずらし、最後に寝る時間そのものを10分ずつ早めます。そのあいだ、夜のほかの部分はなるべく変えずに。そうすると、何が効いたかがはっきりします。

家族みんなで同じ朝を

週末だけ朝寝坊させると、せっかくの体内時計がまた後ろにずれてしまいます。パートナーや祖父母とは、最初の2つ、起床時刻と朝の光だけでも共有しておきましょう。声かけまで同じでなくて大丈夫です。息づかい、痛み、昼間の様子で受診を考えるサインも、あわせて確認しておきます。

様子を見る期間

起床時刻をそろえる工夫は、ふつうの日を何回か重ねて判断します。特別に楽だった日や大変だった日だけで決めないこと。メモは、その日の状況、子どもの反応、家族の夜への影響くらいで十分です。記録が負担にならないようにしましょう。

ひと区切りついたら、お昼寝と寝る前の流れがうまくずれてきたかを見ます。夜が安全で、わかりやすくなった工夫は残し、無理のあったことは手放し、変えるのは一度に1つずつ。体調、安全、発達で気になることがあれば、そちらを先に専門家に相談します。

大人にできること、できないこと

朝の光を合図にすることは、大人が整えられます。明かり、音、時間の合図、眠れる時間も同じです。でも、眠ること自体は大人には決められません。眠れずにいる子を叱らず、眠りやすい条件を整えること。どの子にも合う時刻表があるとは考えないことです。

守りたい安全のこと

寝る時間を10分ずつ早めるときも、安全な範囲を守ります。早く寝かせたいからといって、必要な眠りを削らないこと。処方されていない睡眠のための薬は使わず、変更で昼間にひどく眠そうになったら元に戻しましょう。呼吸の様子、痛み、いつもと違う体の動き、急な大きな変化があるときは、医師にみてもらいます。

早寝がうまくいかない理由

お昼寝も寝る時間も寝かしつけ方も、同じ週にまとめて変えてしまう。体の不調を寝る前のぐずりと思う。疲れが増しているのに同じ方法を続ける。とりわけ大変だった一晩で決めてしまう。起床時刻をそろえる工夫も、こうしたことでくずれやすくなります。物差しは眠りの合計と昼間の様子です。

変化の見きわめかた

1晩ではなく1週間をくらべます。寝つきが楽になった、眠くなるころと消灯の時刻が合ってきた、眠りの合計が足りている、昼間の機嫌がよい。そんな変化があれば順調です。いちばん早い時刻より、子どもと家族が安全に続けられる時刻が正解です。

早寝のための記録は、時刻、体の症状、昼間への影響だけで十分です。こまかい動きまで書かなくても、ふだんのパターンがわかれば、たまたまの一晩に左右されずにすみます。

受診を考えたいとき

寝ているあいだに呼吸が止まる、大きないびきが続く、痛み、成長の心配、いつもと違う動き、昼間のひどい眠気、急な大きな変化。こうしたサインがあれば、かかりつけの小児科医に相談しましょう。睡眠の記録は話の助けになりますが、完璧なデータは必要ありません。親が疲れはてていることも、それだけで相談していい理由です。

覚えておきたいこと

目標は、時計どおりに眠る子ではありません。朝起きる時刻をそろえるところから始め、親子の安心と安全を土台に、寝る時刻が少しずつ前へ動いていくかを何週間かで見ていきましょう。目安の情報で判断がつかないときは、その子をみてもらいます。

ポイント: 早寝への入り口は、朝の起床時刻をそろえること。無理のない範囲で続けて、夜がどう変わるかを見ましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five