幼児の早起き、朝早く起きてしまうときの考えかた

まだ外が暗いうちから、元気な声で「おはよう!」。毎朝これが続くと、大人のほうが先にまいってしまいます。幼児の早起きは、その朝だけを見てもなかなか答えが出ません。昼も夜もふくめた24時間のリズムで眺めると、見えてくるものがあります。まずは「ここまでは夜」という朝の線を現実的に決めることから。体調、気質、保育園の時間でゆれるのは当たり前ですし、大人にできるのは眠れる環境を用意するところまで。眠りそのものは、無理に引き出せません。

早起きが「困りごと」になるとき

時計の針が早い時刻をさしているだけなら、それは悩みではないかもしれません。問題になるのは、子どもや家族がいつも寝不足になっている場合です。寝る時間、お昼寝のタイミング、朝の光、空腹、そしてその子がもともと朝型かどうか。いくつもの要素が重なって、早起きは起こります。

毎朝どう対応するか

決めた時刻より前に目をさましたら、部屋は暗いまま、声かけも静かに保ちます。そのうえで、生活の時間を少しずつ動かしましょう。「早く起きるなら遅く寝かせればいい」と寝る時間をどんどん遅らせると、すでに疲れすぎている子では、かえって早起きがひどくなることがあります。うまくいったかどうかは、眠った時間の合計と、昼間の機嫌で判断します。

まず記録してみたいこと

「寝る時間は8時」と決めていても、実際に寝ついたのは何時でしょう。ふだんどおりの数日について、寝ついた時刻、朝起きた時刻、お昼寝、昼間の機嫌を書きとめます。保育園のお昼寝の時間、体調をくずした日、旅行も書いておきましょう。予定を少しずつ動かすときも、よその家の起床時刻をまねるのではなく、その子が合計でどれくらい休めているかを物差しにします。

朝の線を引くための4ステップ

  • 現実的な「朝はここから」の時刻を決める。
  • それより早い目ざめは、暗く静かに過ごす。
  • 寝る時間とお昼寝の時間を、あわせて見直す。
  • 予定は、少しずつ動かす。

最初は「朝はここから」の時刻を決め、それより早い時間は暗く静かに過ごす、の2つだけで十分です。時間を動かすときは小さな幅で。朝起きる時刻はなるべくそろえ、お昼寝、寝る時間、寝かしつけ方、朝の声かけを同じ日にまとめて変えないようにしましょう。

4つのステップのつながり

はじめに朝の時刻を決め、次に、それより前は暗く静かに過ごす習慣をつくります。慣れてきたら、お昼寝と寝る時間をセットで見直し、最後に予定を少しずつ動かします。そのあいだ、夕方から夜の流れはなるべく変えずに。そうすれば、何が効いたのかが見えてきます。

パートナーや祖父母とそろえておく

朝いちばんに対応する人が日によって違うなら、最初の2つ、朝の時刻と「それより前は暗く静かに」だけは共有しておきましょう。ことばまで同じでなくてかまいません。子どもが「いつもの朝だ」とわかれば十分です。息づかい、痛み、昼間の様子でどんなサインがあったら受診を考えるかも、あわせて決めておくと安心です。

数日から1週間で見る

朝の時刻を決めたら、たまたま楽だった朝や、ひどく早かった朝だけで判断しないこと。ふつうの日を何回か重ねて見ていきます。メモするのは、その日の状況、子どもの反応、家族の朝がどうだったか程度で十分。記録そのものが負担になっては本末転倒です。

ふり返るときは、寝る時間とお昼寝の時間をあわせて見ましょう。朝が穏やかになった工夫は残し、家族が続けられないことは簡単にし、変えるのは一度に1つだけ。ただ、体調や安全、発達で気になることがあるなら、工夫を続けるより先に専門家にみてもらいましょう。

大人に決められること、決められないこと

部屋を暗く保つこと、明かり、音、時間の合図、眠れる時間を用意することは、大人が決められます。でも、眠ること自体は決められません。目がさめてしまった子を叱るのではなく、休みやすい条件を整えること。どの子にもぴったり合う時刻表がある、と考えないことも大切です。

安全と、子どもの気持ち

予定を動かすときは、安全な範囲で。寝る時間を早めたい、遅らせたいからといって、必要な眠りを削ることはしません。処方されていない睡眠のための薬は使わず、時間を変えたことで昼間にひどく眠そうになったら、元に戻しましょう。呼吸の様子、痛み、いつもと違う体の動き、急な大きな変化があるときは、生活の工夫とは別に、医師にみてもらう必要があります。

うまくいかなくなる、よくある理由

眠りにかかわることを一度にいくつも変える。体の不調を、寝る前のわがままだと思ってしまう。疲れがひどくなっているのに、同じ方法を続ける。とくに大変だった一晩だけで、成功か失敗かを決めてしまう。物差しは、いつも眠りの合計と昼間の様子です。

よくなってきたかの見かた

1晩ではなく、まるごと1週間をくらべます。寝つきが楽になった、眠くなる時間と消灯の時刻が合ってきた、眠りの合計が足りている、昼間の機嫌が保てている。そんな変化があれば前進です。いちばんいい予定表は、紙の上でいちばん早く寝かせる予定ではなく、子どもと家族が安全に続けられるものです。

早起きのメモは、細かい寝返りまで書く必要はありません。時刻、体の症状、昼間への影響だけで十分。そのほうが、たまたま大変だった一晩ではなく、ふだんのパターンをもとに判断できます。

受診を考えたいサイン

寝ているあいだに呼吸が止まる、大きないびきが続く、痛みがある、体の成長がよくない、いつもと違う動きがある、昼間ひどく眠そう、急に大きく変わった。こうしたときは、かかりつけの小児科医に相談しましょう。睡眠の記録があれば話がしやすくなりますが、完璧な記録がそろうまで待つ必要はありません。親が疲れきっていることも、それだけで助けを求めていい理由です。

覚えておきたいこと

完璧な朝や、言いつけどおりに眠り続ける子をめざさなくて大丈夫です。「朝はここから」の線を引くことを最初の一歩に、親子のつながりと安全を手放さずに、何週間かかけて変化の方向を見ていきましょう。一般的な情報では説明のつかないことがあれば、その子をみてくれる専門家の出番です。

ポイント: 最初に決めるのは「朝はここから」の時刻ひとつ。続けられるかたちに整え、早起きがどう変わるかを見守りましょう。

NHS, Night terrors and nightmares

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five