幼児が夜中に泣いて起きるとき、まず確かめたいこと
最近まで朝までぐっすりだったのに、ここ数日、夜中に急に泣きだす。かけつけると、しがみついてくる夜もあれば、こちらがわかっていないような夜もある。手がかりは「子どもがすっかり目ざめているかを確かめる」こと。夜中のことだけでなく、昼間の体調や生活の変化もあわせて見ると、泣く理由がしぼりやすくなります。大人にできるのは、安全を確かめて、安心できる場をつくることです。
夜泣きには、いろいろな理由がある
夜中に泣くのは、ふつうの眠りの切りかわり、怖い夢、離れる不安、痛み、病気、物音や暑さ寒さといったことのあとに起こることがあります。まずは、すっかり目がさめていて親をわかっているかを見ましょう。怖い夢なのか、半分寝ぼけた状態なのかを見分ける手がかりになります。
その場でどうするか
静かに安心させる前に、呼吸、体温、痛み、まわりの安全を確かめます。何度もくり返すなら、時刻と症状を短く書きとめておきましょう。とくに、いびき、いつもと違う動き、起こそうとしてもなかなか起きない、昼間に大きく影響している、といったときは記録が役に立ちます。
まず見ておきたいこと
何時ごろ始まったか、すっかり目ざめているか、親をわかっているか、翌日に何か覚えているか。体調、ストレス、寝不足、いつもと違う動きにも気をとめます。くり返すときの記録は、頻度と安全をつかむためのもの。疲れた親が一晩中、息や動きを見はる必要はありません。
夜中に泣いたときの4ステップ
- 子どもがすっかり目ざめているかを確かめる。
- 痛み、熱、呼吸の苦しさがないかを確かめる。
- 薄暗い中で、静かに安心させる。
- くり返すときは、時刻を記録する。
夜中の対応は、どの夜にも同じせりふを使うのではなく、目の前の子どもに合わせます。まず目ざめているかを確かめ、半分寝ぼけているようなら、無理に起こさずに、痛み、熱、呼吸の苦しさがないかをそっと確かめます。薄暗いまま静かに寄りそい、まわりにぶつかる物がないよう気を配りましょう。覚えている怖い夢のあとなら、だっこと、翌日の明るい時間のおしゃべりが合っています。
ステップのつながり
目ざめているかを見て、体の不調がないかを確かめ、薄暗い中で安心させます。何度もくり返すようなら、時刻と様子を書きとめていきます。夜のほかの流れはなるべく同じに保ちましょう。
夜中に起きる大人どうしで
夜中の対応を交代しているなら、最初の2つ、目ざめているかを確かめることと、痛み、熱、呼吸の苦しさを確かめることはそろえておきましょう。ことばまで同じでなくても大丈夫です。息づかい、痛み、昼間の様子で受診を考えるサインも共有しておきます。
何回かのできごとで見る
目ざめているかを確かめる対応は、何回かのふつうの夜を通して身についていきます。たまたま静かだった夜や、とくに泣いた夜だけで判断しないこと。記録は手短に。その日の様子と子どもの反応、家族の夜のことだけで十分です。
ふり返るときは、薄暗い中で静かに安心させる対応がうまくできているかを見ます。安心につながった工夫は残し、続けにくいことは軽くして、変えるのは一度に1つ。体調、安全、発達で気になることがあれば、専門家への相談を先にします。
子どもががまんすることではありません
痛み、熱、呼吸の苦しさを確かめるのは、大人の対応の話です。子どもが自分の力で泣きやむものではありません。大人にできるのは、環境を安全にし、刺激を減らし、眠りを十分にとれるようにすること。寝ぼけた子を理屈でしずめることはできません。どんなできごとかを見分ければ、むだに起こすことも、怖い思いを軽く扱うこともなくなります。
安全のために
くり返すときの記録は、診断ではなく安全のためのメモです。寝ぼけて動くことがあるので、階段、窓、かたい家具には近づけないようにしておきましょう。何度もくり返す、危ない動きがある、呼吸の様子が気になる、いつもと違う動きをともなう、というときは医師に相談を。息が苦しそう、顔色が青い、呼びかけに反応しないときは、すぐに119番に電話してください。
よくあるつまずき
工夫をいくつも同時に始めて、どれが効いたのかわからなくなる。体の不調を夜泣きのくせと思う。くたくたになっているのに、同じ手順にこだわる。とくに泣いた一晩で決めてしまう。目ざめているかを確かめる対応も、こうしたことでぶれやすくなります。
前進のしるし
前進とは、大人がどんなできごとかをより正しく見分け、子どもをより安全に守り、刺激の少ない対応ができるようになることです。回数は体調や寝不足でまだ増えたり減ったりします。静かな一晩があったかより、だんだんひどくなっていないか、けがの危険はないか、昼間に影響が出ていないかが大切です。
夜泣きのメモに書くのは、泣いた時刻、体の様子、翌日の元気さくらい。それだけで、つらい一晩ではなく、ふだんのパターンで判断できます。
相談したいとき
いびきが大きく続く、眠りながら息が止まる、痛がる、成長が心配、変わった動きがある、昼間とても眠そう、突然様子が変わった。そんな様子があれば、小児科で一度みてもらいましょう。メモがあると伝えやすくなりますが、ぬけがあってもかまいません。夜中に何度も起きて親が疲れきっていることも、相談していい理由です。
覚えておきたいこと
朝まで一度も泣かない夜が、すぐに戻らなくてもかまいません。すっかり目ざめているかを確かめることを習慣にし、体の不調を見のがさないようにしながら、夜泣きの回数や様子の変化を見ていきましょう。急に始まって続くときは、早めに小児科でみてもらうのが近道です。
ポイント: まずは、目ざめているかを確かめること。体のサインを見のがさずに続け、夜泣きの変化を見守りましょう。
NHS, Night terrors and nightmares
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five