幼児の後追いがひどくなった、急にべったりになるのはなぜ?

トイレのドアの前で泣く、料理中も足にしがみつく。少し前までひとりで遊べていたのに、急にべったり。その変化に、甘やかしすぎたのか、何かあったのかと心配になりますね。子どもが今できること、その場面が求めること、安全の心配。この3つを分けて考え、家族が責めあわずにくり返せる対応を1つに決めましょう。

ひと言でいうと

べったりが強くなるのは、幼児が疲れているとき、体調が悪いとき、何か新しいことを覚えている途中、なじみのない人や場所に向き合っているときによくあります。それは今の子どもの余力を教えてくれる情報で、なぐさめたから甘ったれになった証拠ではありません。習慣だと決めつける前に、急な体の変化や環境の変化がないか確かめましょう。

実際には

予測できるつながりを用意したうえで、無理のない一歩だけ離れる練習を支えましょう。ひざの上ではなく、となりにすわる。大人が見えるところで遊ぶ。親にだっこされたまま、なじみの人にあいさつする。いきなり自立をためすようなことはさけます。べったりと同時に、痛がる、いつもと違うぐったり感、引きこもる、できていたことができなくなる、といった様子があれば、全体の変化として医師に相談しましょう。

はじめに見ておきたいこと

べったりの場面をいくつか見てみましょう。直前に何があったか、子どもがどう伝えたか、大人がどうしたか、落ち着くまでどれくらいかかったか。眠さ、体調、まわりの音、人の多さ、預け先の変化も気にとめておきましょう。1回の場面やほかの子とのくらべっこより、場面をこえたパターンのほうが多くを教えてくれます。

べったりの時期の4つのこと

  • 起きていることを言葉にする。「今日は、近くにいたいんだね」。
  • 予測できる流れを使う。
  • 親のそばで、並んで遊べるようにする。
  • なぐさめを求める気持ちを、からかったり、はずかしめたりしない。

離れられるかどうかのテストではなく、小さな実験として。まずは、安心できる工夫から。台所のすみに子ども用の小さないすとおもちゃを置き、「ここで、いっしょにいようね」と声をかける。必要な線引きは短く、離れる練習は、子どもが落ち着いているときに。

よくある質問

だっこすると、べったりがひどくなる?

つらい幼児をなぐさめることは、自立をすべてじゃますることとは違います。安心させることと、探検するやさしい機会のバランスをとりましょう。

片方の親にだけ、べったりなのはなぜ?

子どもは、毎日の流れや場面によって、大人ごとに違う愛着の表しかたをすることがあります。

べったりは赤ちゃんがえり?

ストレスや変化のときに、一時的な赤ちゃんがえりといっしょに見られることもありますが、べったりの時期がすべて赤ちゃんがえりというわけではありません。

家族や保育園と、同じ対応を

パートナー、祖父母、保育士さんとも、同じ合図に気づいて、同じようにくり返せる対応を決めておきます。たとえば「起きていることを言葉にする」と「予測できる流れを使う」。どれだけ早く離れられるようになるかではなく、大人が何をするかを約束します。性格は違っても、同じ伝えかたが通じて、同じ大事な線引きがあることが子どもの安心になります。

1週間で見直す

保育園の日、忙しい日、のんびりした日をふくむ1週間で、べったりの場面をふり返りましょう。書くのは、次の判断を変えそうなことだけ。何がきっかけだったか、子どもが使えた伝えかた、大人の対応、安全、どう立ちなおったか。採点や細かな記録はいりません。

1週間たったら、べったりの場面が前より安全に、予測しやすく、子どもが気持ちを伝えやすくなったかを考えます。続けられた工夫はそのままに、続かないものは軽くしましょう。変化が見られない、発達全体が気になる、というときは、具体例を持って専門家に。

安全と、子どもの尊厳

べったりの時期も、ぐずって危ない動きがあれば安全が先です。近くに寄って、最小限の力で危ないことを止め、話すのは少しだけ。落ち着きが戻ったら、まずつながりなおし、それからより安全な行動を練習します。あたたかくすることは、必要な線引きをなくすことではありません。そして、きっぱりするのに、はずかしめも、おどしも、たたくことも必要ありません。

つまずきやすいこと

  • ひとりでいられることを、なぐさめやつながりをもらうための合格テストにしてしまう。
  • 子どもがいっぱいいっぱいなのに、言いきかせを続ける。
  • あれこれいっぺんに変える。
  • アプリの結果で確かめられるまで、気がかりを誰にも言わない。

よい変化の見つけかた

べったりがやわらいでいくしるしは、まず、追いかける前にひと呼吸おく、合図がはっきりする、ほかの大人の手助けを受け入れる、泣きかたが小さくなる、立ちなおりが早くなる、といった形で現れることがあります。1〜2週間で方向を見て、今の子どもが使えるより多くのことば、がまん、自立を求めているようなら、やりかたを変えましょう。

相談したいとき

べったりが、けがにつながる、どこでも続く、毎日の暮らしに大きくさしつかえる、あるいは聞こえ、コミュニケーション、体の動き、人との関わりの心配や、できていたことの消失をともなうときは、小児科医、保健師、発達の専門家に相談しましょう。誰かに今すぐ危険がある、子どもが急に具合が悪そうに見える、というときは、119番など急ぎの窓口へ。

覚えておきたいこと

べったりの時期への関わりは、その子の今の力に合わせて。安心しやすい環境をつくり、使える流れを見せ、安全の線ははっきり保ち、甘えを子どもや親への評価にしないこと。変化が見えない、暮らしが回らない、発達全体が気がかり、というときは、専門家にみてもらうのが次の一歩です。

ポイント: べったりの時期は、いちばん安全で役に立つ次の一歩を選び、くり返せる形にしましょう。

American Academy of Pediatrics, Positive discipline

CDC, Developmental Milestones