子どもはいつから話しはじめる?ことばの出はじめの見かた

「まんま」「ママ」はいつ出るのかな。同じころに生まれた子が話しはじめたと聞くと、気になってしまいますね。その裏には、うちの子のことばは順調か、話しかけが足りないのでは、という心配があるかもしれません。まずは子どもの今の力、その場面が求めていること、安全の心配を分けて考え、家族が無理なくくり返せる関わりを1つ選びましょう。

ひと言でいうと

話すことは、理解、身ぶり、遊び、目を合わせること、声、同じものをいっしょに見ること、をふくむ大きなコミュニケーションのなかで育ちます。子どもによって幅はありますが、その幅は、親の心配を見すごす理由にはなりません。おしゃべりな同い年の子とくらべるのではなく、時間とともに新しい力が現れているかを見て、きちんとした発達の目安を使いましょう。

実際には

毎日の実際の流れのなかで話しかけ、どんな反応でも待ち、子どもの注目しているものについていきましょう。今の子どもより少しだけ先の短いフレーズを、まねを求めずに見せます。音に少し反応していても、聞こえは大切です。ことばが出てこない、伸びが止まった、理解や人とのやりとりが心配、できていたことが消えた、というときは、早めに評価をお願いしましょう。

はじめに見ておきたいこと

ふだんのやりとりをいくつか見てみましょう。直前に何があったか、子どもがどう伝えたか、大人がどうこたえたか、どれくらいで気持ちが落ち着いたか。眠い、具合が悪い、うるさい、人が多い、預け先が変わった、といった事情にも目を配ります。1回の場面やほかの子とのくらべっこより、場面をこえたパターンのほうが多くを語ります。

毎日の4つの関わり

  • 短いフレーズを使う。
  • 沈黙を全部うめずに、間をとる。
  • 絵本を読み、子どもの指さしについていく。
  • 身ぶりを、意味のあるコミュニケーションとして受けとめる。

話せるかどうかのテストではなく、小さな実験として。まずは、伝えやすくなる工夫から。子どもが窓の外を指さしたら、すぐ答えを言わずに少し待ち、「あ、ブーブ。きたね」と短く返す。必要な線引きは短く、新しい言いかたの練習は落ち着いて楽しめるときに。

よくある質問

何がことばとして数えられる?

いつも同じ意味で使われる音、それらしいことば、手話のような身ぶりは、ことばとして働くことがあります。くわしくは言語聴覚士が、その子に合わせて助言してくれます。

はじめてのことばが遅いと、必ず遅れがある?

いいえ。発達には幅がありますが、心配は打ち消すのではなく、早めに相談しましょう。

理解は大事?

はい。理解することば、つまり子どもがわかることばは、コミュニケーションの発達の大切な一部です。

まわりの大人と分かち合う

祖父母や保育士さんとも、同じように気づいてくり返せる関わりを伝えておきましょう。たとえば「短いフレーズを使う」と「沈黙をうめずに間をとる」。いつ話すかを約束するのではなく、大人が何をするかを決めます。関わる人の個性はそれぞれでいいのです。子どもの伝えかたが同じように受けとめられることが大切です。

1週間ふり返る

保育園の日、忙しい日、のんびりした日をふくむ1週間で、ことばの様子をふり返りましょう。メモするのは、次の判断を変えそうなことだけ。引き金になったこと、子どもの伝えかた、大人の対応、安全、落ち着くまでの様子。採点や細かな記録はいりません。

1週間後、伝えるのが前より楽そうか、やりとりが予測しやすくなったかを考えます。効いたことを続け、続けにくいことはもっと簡単に。変化がない、発達全体が気がかりなときは、具体例を持って専門家に相談しましょう。

伝える気持ちを守る

話すことを、食べもの、なぐさめ、手助け、愛情の条件にしないでください。はっきりした身ぶりにはこたえ、人前で言わせるのはさけましょう。ことばの伸び、理解、人とのやりとりが気になるとき、なかでも話せていたことばが消えたときは、聞こえやことばの検査を頼みましょう。

つまずきやすいこと

  • 話すことを、なぐさめやつながりをもらうための合格テストにしてしまう。
  • 子どもがいっぱいいっぱいなのに、ことばを重ねる。
  • 一度にいくつも変える。
  • アプリが「心配」と言うまで、相談を待つ。

よい変化の見つけかた

ことばの前進は、話すことばだけでなく、音の種類がふえる、身ぶりがふえる、同じものをいっしょに見る時間がふえる、といった形でも現れます。何週間かかけて、自分から伝える、新しく言ってみる、やりとりが続く、を見ましょう。方向がはっきりしない、もどかしさが強い、聞こえが心配、伝える力が一つでも消えたときは評価を。

相談したいとき

ことばのことで、けがにつながる、どこでも続く、暮らしに大きくさしつかえる、聞こえ、コミュニケーション、体の動き、人との関わりの心配や、できていたことの消失をともなうときは、小児科医、保健師、発達の専門家に相談しましょう。今まさに危ない、急な体調の変化がある、というときは、すぐに119番など急ぎの窓口に連絡を。

覚えておきたいこと

ことばの出はじめは、その子の今の力に合わせて見守りましょう。伝えやすい環境をつくり、使える言いかたを見せ、安全の線ははっきり保ち、ことばの育ちを子どもや親への評価にしないこと。伸び、暮らし、発達全体がまだ心配なら、専門家にみてもらいましょう。

ポイント: ことばの出はじめには、いちばん安全で役に立つ次の一歩を選び、くり返せる形にしましょう。

American Academy of Pediatrics, Positive discipline

CDC, Developmental Milestones