イヤイヤ期のかんしゃく、なぜ起きて、何が本当に役立つ?

床にひっくり返って足をばたばた、何を言っても火に油。かんしゃくの最中は、親もどうしていいかわからなくなりますね。その裏には、この子の育ちは大丈夫か、自分の対応が悪いのでは、という心配があるかもしれません。まずは、子どもの今の力と、その場面が求めることと、安全の心配を分けて考えてみましょう。そのうえで、家族が恥ずかしさも無理な期待もなくくり返せる対応を1つ選びます。

ひと言でいうと

かんしゃくは、気持ちのコントロールがきかなくなった時間で、説得が届く時間ではありません。空腹、眠気、切りかえ、もどかしさ、予想外の「だめ」は、幼児がもちこたえる力をよく下げます。回数より大切なのは、激しさ、長さ、立ちなおり、安全、そしてかんしゃくとかんしゃくのあいだを心地よくすごせているかという、全体のパターンです。

実際には

いちばん激しいときは、ことばを減らし、安全を守れる距離にいて、必要な線引きは保ちます。落ち着いたら、まずつながりなおし、それから「手伝って」「もうちょっと」「おしまい」のような、ごく小さな代わりのことばを教えましょう。いちばん効くのは予防であることが多いものです。睡眠と食事を守り、切りかえの前に予告し、今の子どもの伝える力をこえる要求はさけましょう。

はじめに見ておきたいこと

かんしゃくの場面をいくつか見てみましょう。直前に何があったか、子どもがどう伝えたか、大人がどうしたか、立ちなおるまでどれくらいかかったか。眠気、体調、音、人の多さ、預け先の変化にも目を向けます。1回の大荒れやほかの子とのくらべっこより、場面をこえたパターンのほうが多くを教えてくれます。

かんしゃくのときの4つのこと

  • 声を落とし、危ない物をどける。
  • 要求について言い合わずに、気持ちを短く言葉にする。
  • 線引きは、シンプルに、いつも同じに。
  • 落ち着いたら、教える前につながりなおす。

かんしゃくを止められるかのテストではなく、小さな実験として。まずは予防の工夫から。おなかがすく夕方の買い物はおにぎりを持って出かけ、公園を出る前には「すべり台あと2回でおうちね」と予告する。必要な線引きは短く、代わりのことばの練習は落ち着いて学べるときに。

よくある質問

かんしゃくは全部無視したほうがいい?

すべてのかんしゃくに合う、たった一つの対応はありません。安全、つながり、つらさの理由が大切です。危ない行動にごほうびをあげないようにしつつ、いっぱいいっぱいの子から支えを引っこめないでください。

眠いとかんしゃくがひどくなるのはなぜ?

疲れていると、もどかしさや切りかえにもちこたえる力が下がるからです。

かんしゃくが多いのは、親が甘すぎるから?

そうとは限りません。かんしゃくは幼い子どもによくあることで、線引きがいつも同じでも起こります。

家族や保育園と、同じ対応を

パートナーや祖父母、保育士さんとも、同じように気づいてくり返せる対応を決めておきましょう。たとえば「声を落として危ない物をどける」と「要求について言い合わずに気持ちを言葉にする」。どれだけ早くかんしゃくが減るかではなく、大人が何をするかを約束します。性格は違っても、同じ伝えかたが通じて、同じ大事な線引きがあることが、子どもの安心になります。

1週間で見直す

保育園の日、忙しい日、のんびりした日をふくむふつうの1週間で、かんしゃくの場面をふり返りましょう。書くのは、次の判断を変えそうなことだけ。きっかけ、子どもが使えた伝えかた、大人のこたえかた、安全、立ちなおり。採点や細かな記録はいりません。

1週間たったら、かんしゃくの場面が前より安全に、予測しやすく、子どもが気持ちを伝えやすくなったかを考えます。効いたことを続け、誰も続けられないことは簡単にし、変化がない、発達全体が気になるときは、具体的な場面を持って専門家に相談しましょう。

安全と、子どもの尊厳

かんしゃくのときは、教えるより安全が先です。そばに寄り、必要最小限の力で危険を止め、ことばは少なく。みんなが落ち着いたら、つながりなおして、より安全な行動を練習しましょう。あたたかさは必要な線引きをなくすことではなく、きっぱりすることに、はずかしめ、おどし、たたくことは決して必要ありません。

つまずきやすいこと

  • かんしゃくをおさめることを、なぐさめやつながりをもらうための合格テストにしてしまう。
  • 子どもがいっぱいいっぱいなのに、ことばを重ねる。
  • 一度にいくつもの対応を変える。
  • アプリで裏づけがとれるまで、相談を待ってしまう。

よい変化の見つけかた

かんしゃくの前進は、まず、爆発の前にひと呼吸おく、合図がはっきりする、手助けを受け入れる、激しさが小さくなる、立ちなおりが早くなる、といった形で現れることがあります。1〜2週間ほどで流れを見て、子どもの今の力をこえることば、がまん、自立を求めていると感じたら、やりかたを見なおしましょう。

相談したいとき

かんしゃくが、けがにつながる、どこでも続く、毎日の暮らしに大きくさしつかえる、あるいは聞こえ、コミュニケーション、体の動き、人との関わりの心配や、できていたことの消失をともなうときは、小児科医、保健師、発達の専門家に相談しましょう。今すぐ危険がある、急に具合が悪そう、というときは119番など急ぎの窓口へ。

覚えておきたいこと

かんしゃくへの関わりは、その子の今の力に合わせて。落ち着きやすい環境をつくり、使える代わりのことばを見せ、安全の線ははっきり保ち、かんしゃくを子どもや親への評価にしないこと。それでも変化、毎日の暮らし、発達全体に心配が残るなら、専門家の評価が次の一歩になります。

ポイント: かんしゃくには、いちばん安全で役に立つ次の一歩を選び、くり返せる形にしましょう。

American Academy of Pediatrics, Positive discipline

CDC, Developmental Milestones