2歳の大きな感情、どう受けとめて、どう支える?

おもちゃを取られて床をたたいて怒る、思いどおりにならないと大泣き。2歳の子の気持ちの大きさに、親のほうがのみこまれそうになることもあります。その裏には、この子は気持ちのコントロールが苦手なのでは、自分のこたえかたが悪いのでは、という心配があるかもしれません。まずは子どもの今の力、その場面が求めていること、安全の心配を分けて考え、家族が恥ずかしさや無理な期待なしにくり返せる対応を1つ選びましょう。

ひと言でいうと

幼児は、一度練習したからといって、いちばんつらいときに落ち着く方法を使えるわけではありません。まずは大人の落ち着いた声、表情、そばにいることから、落ち着きを借りるのです。ふれられると落ち着く子もいれば、話しかけを減らして少し距離があるほうがいい子もいます。はやりの方法を1つ押しつけるより、子どもをよく見ましょう。

実際には

気持ちにはかんたんな名前をつけて、お説教にはしないこと。「おもちゃがほしかったんだね。それで怒ってるんだね」。それから、何が安全かを伝えます。足をドンドンふみならす、手をぎゅっとにぎる、助けを求める、ひと休みする。こうしたことは、子どもの考える力が働いている遊びの時間に練習しておきましょう。前進とは、強い気持ちを全部防ぐことではなく、支えを受け入れる、早く立ちなおる、といったことかもしれません。

はじめに見ておきたいこと

大きな感情が出た場面をいくつか見てみましょう。直前に何があったか、子どもがどう伝えたか、大人がどうしたか、落ち着くまでにどれくらいかかったか。眠気、体調、音、人の多さ、預け先の変化にも気を配ります。1回の大荒れやほかの子とのくらべっこより、場所をこえたパターンのほうが多くを教えてくれます。

気持ちが大きくなったときの4つのこと

  • そばに寄り、刺激を減らす。
  • かんたんな気持ちのことばを使う。
  • 安全な行動を提案する。足をふみならす、クッションをぎゅっとする、だっこを求める。
  • 何があったかを話すのは、落ち着いてから。

気持ちのコントロールの点数をつけるのではなく、小さな実験として。まずは、つまずきを防げそうな工夫から。にぎやかな場所なら静かなすみに移り、テレビを消す。気持ちのことばは「くやしいね」「いやだったね」くらい短く。必要な線引きは短く伝え、代わりの行動の練習は、落ち着いて学べるときに。

よくある質問

2歳の子は、ひとりで落ち着ける?

ときにはできますが、自分で気持ちを整える力はまだ育ちはじめたところです。落ち着いた大人といっしょに気持ちを整えるのは、発達に合ったことです。

「泣かないの」と言ったほうがいい?

必要な線引きは守りながら、気持ちを受けとめるほうが、たいてい役に立ちます。

深呼吸は幼児にも効く?

くり返すうちに役立つようになることがあります。かんしゃくの最中にいきなり教えるより、落ち着いているときに練習しておくのがおすすめです。

家族や保育園と、同じ対応を

パートナー、祖父母、保育士さんとも、同じように気づいてくり返せる対応を決めておきましょう。たとえば「そばに寄って刺激を減らす」、そして「かんたんな気持ちのことばを使う」。どれだけ早く落ち着けるようになるかではなく、大人が何をするかを約束します。性格は違っても、同じ伝えかたが通じて、同じ大事な線引きがあることが、子どもの安心につながります。

1週間で見直す

保育園の日も、家でゆっくりする日もあるふつうの1週間で、大きな感情の場面をふり返りましょう。書くのは、次の判断に役立つことだけ。何がきっかけだったか、子どもが使えた伝えかた、大人の対応、安全、どう立ちなおったか。子どもを採点したり、小さなことまで全部書いたりしなくて大丈夫です。

1週間たったら、大きな感情の場面が前より安全に、予測しやすく、子どもが気持ちを伝えやすくなったかを考えます。効いたことは続け、誰も続けられないことは簡単にし、変化がない、発達全体が気になるときは、具体的な場面を持って専門家に相談しましょう。

安全と、子どもの尊厳

大きな感情のときも、安全が先です。そばに寄り、必要最小限の力で危険を止め、ことばは少なく。みんなが落ち着いたら、つながりなおして、より安全な行動を練習しましょう。あたたかさは必要な線引きをなくすことではなく、きっぱりすることは、恥をかかせる、おどす、たたくことを決して必要としません。

つまずきやすいこと

  • 気持ちを落ち着けることを、なぐさめやつながりをもらうための合格テストにしてしまう。
  • 子どもがもういっぱいいっぱいなのに、話しかけを足しつづける。
  • 一度にいくつもの工夫を変える。
  • アプリが「心配」と判定するまで、相談を先のばしにする。

よい変化の見つけかた

気持ちの扱いの前進は、まず、動く前にひと呼吸おく、合図がはっきりする、手助けを受け入れる、激しさが小さくなる、立ちなおりが早くなる、といった形で現れることがあります。1〜2週間かけて向きを見て、今の子どもが使える以上のことば、がまん、自立を求めているなら、やりかたのほうを変えます。

相談したいとき

大きな感情が、けがにつながる、どこでも続く、毎日の暮らしに大きくさしつかえる、あるいは聞こえ、コミュニケーション、体の動き、人との関わりの心配や、できていたことの消失をともなうときは、小児科医、保健師、発達の専門家に相談しましょう。誰かが今すぐ危ない、子どもが急に具合が悪そう、というときは119番など急ぎの窓口へ。

覚えておきたいこと

大きな感情への関わりは、その子の今の力に合わせて。落ち着きやすい環境をつくり、使える代わりの行動を見せ、安全の線ははっきり保ち、発達を子どもや親への評価にしないこと。変化、暮らし、発達全体がまだ心配なら、専門家にみてもらうのが次の一歩です。

ポイント: 大きな感情には、いちばん安全で役に立つ次の一歩を選び、くり返せる形にしましょう。

American Academy of Pediatrics, Positive discipline

CDC, Developmental Milestones