きょうだいへのやきもちがひどいとき、相談の目安
赤ちゃんへのやきもちは、たいてい時間とともにやわらいでいきます。でも、なかには「これはふつうの範囲なのかな」と心配になるほど激しいこともあります。仲がいいと思えばけんかになり、すぐにまた笑いあう。きょうだいとは、そういうものです。大人が受けもつのは、安全と、どちらの子にも目が届くこと。子どもに必要なのは、「しっかり者」「やんちゃ」といった役を背負わずに、いろいろな気持ちをもっていていい場所です。まずは、きっかけと具体的な行動を書きとめることから始めましょう。
ひと言でいうと
やきもちの気持ちはよくあるものです。心配が大きくなるのは、行動によってけががくり返されるとき、家でも園でもどこでも激しいままのとき、眠りや毎日の暮らしが大きく乱れるとき、あるいは、ひきこもり、ずっと続く落ちこみ、強い不安、できていたことの消失をともなうときです。
実際には
具体的な例と、最近の家族の変化を持って、小児科医や子どもの発達の専門家に相談しましょう。子どもを安全に守れないときは、すぐに助けが必要です。相談する前に、親が診断名を見つけておく必要はありません。
はじめに見ておきたいこと
親との時間、いつもの流れ、眠り、自立、ことば、遊び。この6つのどこに変化が出ているかを見ておきましょう。うまくいっている瞬間にも目を向けます。家族が限界になる前に助けを求めるときも、上の子の今の発達と、つながりを求める気持ちを忘れずに。すぐに赤ちゃんをかわいがることや、感謝することを求めなくていいのです。
相談に向けたプラン
- きっかけと、具体的な行動を書きとめる。
- 危ないことがくり返される場面では、見守りを増やす。
- 必要なときは、安全に体の距離をとれるようにする。
- 家族が限界になる前に、助けを求める。
まずは、書きとめることと、見守りを増やすことから。「夕方の授乳中に、赤ちゃんの足をつねった」「保育園でも、お友だちをたたくことが増えた」と具体的に。説明は具体的に、安全の線はその場ですぐに。授乳中は上の子のそばにお気に入りの遊びを用意する、赤ちゃんはベビーゲートの向こうで寝かせる、といった工夫も考えましょう。上の子には小さな選択肢をわたし、なじみの流れを残し、親とつながれる見通しのある時間をつくります。
4つのステップのつながり
最初は、きっかけと行動を書きとめること。次に、危ない場面での見守りを増やすこと。それから、必要なときに安全な距離をとれるようにすること。最後に、限界になる前に助けを求めること。どの段階でも、弱いほうを守るのが先で、教えたり仲なおりしたりするのは落ち着いてからです。
ほかの大人とそろえておくこと
パートナーや祖父母とは、最初のふたつ、記録のつけかたと見守りの増やしかたをそろえておきましょう。誰がどの時間に赤ちゃんを見ているかをはっきりさせると、すきまがなくなります。同じことばでなくても、上の子にとって見ればわかる対応にします。赤ちゃんを守る担当と、落ち着いてからの仲なおりのしかたも、決めておくと安心です。
ためしてみる期間
記録は、とくに大変だった日や、落ち着いていた日だけでなく、ふつうの日を何回か重ねてつけましょう。状況、上の子の反応、家族の毎日の回りぐあいを短く。記録が新しいプレッシャーにならないよう、数行で十分です。そのメモが、相談のときの大切な手がかりになります。
ふり返りでは、安全な距離をとれた場面とくらべてみましょう。安全につながった工夫は残し、家族が続けられないことはかんたんに。変えるのは一度にひとつ。ただし、けがや、健康、安全、発達の心配があるときは、工夫を重ねるより先に専門家にみてもらいましょう。
大人にできることと、できないこと
見守りを増やすのは、大人にできることです。大人は見守り、注意を意識して分け、上の子の流れを守れます。でも、上の子に毎日赤ちゃんを喜べとか、いつも年相応にふるまえとは求められません。やきもちや赤ちゃん返りをメッセージとして受けとることと、乱暴を見のがすことは、まったく別のことです。
安全と、子どもの尊厳
助けを求めることは、大人の安全の計画の一部です。赤ちゃんと小さな子だけで過ごさせない。たたく、乱暴にさわる、はすぐに止める。赤ちゃんを守ることやお世話を、上の子のいつもの役目にしない。相談するときも、上の子を「問題のある子」として語るのではなく、困っている子として伝えましょう。
つまずきやすいこと
記録や見守りを始めても、「乱暴なお兄ちゃん」とずっと同じ役を押しつける、赤ちゃんへのチューやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることだけを公平と呼ぶ、危なさや力の差があるのに子どもどうしで解決させる、といったことで、くずれてしまうことがあります。
よい変化の見つけかた
上の子が前より早く気持ちを立てなおす、手が出る前にことばで求めてくる、少しのあいだなら親が赤ちゃんにかかりきりでも待てる、プレッシャーなしに赤ちゃんに近づく。そうした様子が前進です。愛情にむらがあってもかまいません。写真映えする仲よしの場面より、安全と少しずつの信頼こそが、本当のものさしです。
メモには、きっかけ、ふたりの力の差、大人の対応、どう落ち着いたかを。上の子を責める証拠ではなく、相談先といっしょに使える、家族のパターンを見つけるための記録にしましょう。
相談の目安
けががくり返される、ひどくこわがったりつらそうにしたりする、上の子がひきこもったままになる、できていたことができなくなる、眠りや毎日の暮らしが大きく乱れる、大人が安全に対応しきれない、という場合は、小児科医や地域の保健師さん、子どもの発達の専門家に相談しましょう。家族が追いつめられる前でかまいません。親が心配だということ自体が、たずねるじゅうぶんな理由です。
覚えておきたいこと
完璧に言うことを聞く子も、一度もくずれない毎日も、目標ではありません。きっかけと具体的な行動を書きとめるところから始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。一般的な助言で答えが出ないときは、その子をみてくれる専門家の力を借ります。
ポイント: まずは、きっかけと具体的な行動を書きとめることから。できる形で続けてみて、そのあとで変わったことを見直しましょう。
American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby