きょうだいの年の差は、関係にどう影響する?
年子だとけんかばかり、年が離れていると遊ばない。きょうだいの年の差について、いろいろなことが言われます。でも、きょうだいの関係には、愛情も、いらいらも、張りあいも、仲なおりも、ときには数分のうちにぜんぶ入っているものです。安全と、どちらの子もちゃんとお世話されることを守るのは大人の役目で、子どもには、ずっと同じ役を背負わされずに、まざった気持ちのままでいられる場所が必要です。出発点は、期待をそれぞれの子の発達の段階に合わせることです。
ひと言でいうと
年の差は、遊びの好み、力の差、お世話の必要、そして同じ発達の段階をどのくらいいっしょに過ごすかに影響します。でも、きょうだいが仲よくなるかどうかを決めるわけではありません。気質、家族のストレス、大人の期待、お互いを尊重してふれあえる機会も、年の差と同じくらい大切です。
実際には
できることや安全のために必要なら、子どもごとに違うルールを使ってかまいません。そのときは、どちらかがひいきされていると宣言するのではなく、理由を説明しましょう。上の子にはいつものお世話係の役目を負わせず、下の子が、ずっと「じゃまをしにきた子」として扱われないよう守ります。
はじめに見ておきたいこと
大人のくらべっこ、家族の中での冗談、決めつけたレッテル、知らないうちにどちらかを上に置く期待に耳をすまし、それぞれの子がどう反応しているか見てみましょう。ふたりが好きなら参加できる楽しみをつくるときも、「お兄ちゃんはできるのに」のような具体的なことばに気づいたら、新しいほめレッテルに置きかえるのではなく、行動、がんばり、必要としていることについての見たままのことばに置きかえます。
年の差に合わせたプラン
- 期待は、それぞれの子の発達の段階に合わせる。
- 違う好みや、違うできることを尊重する。
- 年上だからといって、お世話係の仕事にしない。
- 参加してもしなくてもいい、ふたりで楽しめるきっかけをつくる。
発達に合わせた期待と、違いを尊重することを、毎日の声かけに生かしましょう。何があったか、この子にはどんな支えが合うかを、きょうだいをものさしにせずに伝えます。「6歳だから、ここまで自分で」「2歳だから、ここはいっしょに」。ほかの大人がくり返し使うレッテルには変えてもらうようお願いし、自分の口からくらべっこが出てしまったら、さらっと言いなおせば大丈夫です。
4つのステップのつながり
まず、期待をそれぞれの発達に合わせる。次に、違う好みとできることを尊重する。それから、年上を理由にお世話係にしない。最後に、ふたりで楽しめる、参加は自由のきっかけをつくる。危ないことがあれば、弱いほうを先に守り、教えたり仲なおりしたりするのは、体が落ち着いてからにしましょう。
ほかの大人とそろえておくこと
祖父母や保育園の先生とも、最初のふたつ、発達に合わせた期待と違いの尊重をそろえておきましょう。同じことばを使う必要はありませんが、子どもにとって見ればわかる対応にします。小さいほうの子を誰が守るか、落ち着いたあとにどんな現実的な仲なおりをするかも、大人どうしで決めておきます。
ためしてみる期間
発達に合わせた期待は、とくに楽だった日や大変だった日ひとつで判断せず、ふつうの日を何回か重ねてためしましょう。状況、子どもの反応、家族の毎日の回りぐあいを短くメモします。観察が新しいプレッシャーにならないよう、記録は短くて十分です。
ふり返りでは、上の子にお世話を頼んでいなかったか、パターンをくらべてみましょう。子どもが安心して参加できたことは残し、家族が続けられないことはかんたんにします。変えるのは一度にひとつ。健康、安全、発達に心配があるなら、まず専門家にみてもらいます。
大人にできることと、できないこと
違いを尊重するのは、大人の仕事です。大人は、ことば、期待、機会のわけかた、違いへの反応を変えられます。でも、きょうだいをそっくり同じにすることも、公平さを「まったく同じ」として感じさせることもできません。理由がはっきりしていて、敬意があるなら、ひとりに合わせた支えはひいきではありません。
尊厳を守る
ふたりで楽しめるきっかけをつくるときも、子どもの尊厳を守りましょう。とくに、できること、気質、体、園や学校での様子、どちらの親になついているかについてくらべられるときは要注意です。発達の心配はふたりのときに具体的に話し、どちらかの子に、小さくなっていろとか、見せびらかせとか、もう一方の気持ちに責任をもてとは求めないようにします。
つまずきやすいこと
期待を発達に合わせようとしても、ひとりにずっと同じ役を押しつける、仲よくすることやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることだけを公平と呼ぶ、危なさや力の差があるのに子どもどうしで解決させる、といったことで、くずれてしまうことがあります。
よい変化の見つけかた
順位をつけることばが減る、声かけが具体的になる、子どもがきょうだいを引きあいに出さずに自分の必要を話せる、大人がくらべっこをすぐに言いなおせる。そうした様子が前進です。めざすのは違いを消すことではなく、その違いを、家族の中のずっと続くキャラクターにしないことです。
メモをとるなら、何がきっかけか、ふたりの力の差、大人がどう対応したか、どう落ち着いたかを。どちらかを責める証拠ではなく、家族が使えるパターンを見つけるための記録にしましょう。
もっと支えが必要なとき
レッテルが根づいてしまっている、どちらかがいつもはずかしめられたり、のけものにされたりしている、不安やひきこもりが強まっている、きょうだいの対立が毎日の暮らしを占めている、大人がパターンを止められない、という場合は、家族や子どもを支える専門家に相談しましょう。どちらかの子が問題だと決めつけずに、関係そのものに目を向けて支えてもらえます。
覚えておきたいこと
めざすのは、言うことを完璧に聞く子や、完璧な家の毎日ではありません。期待をそれぞれの発達に合わせるところから始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。一般的な助言では答えが出ないときは、その子をみてくれる専門家の力を借ります。
ポイント: まずは、期待をそれぞれの子の発達に合わせることから。家族が続けられるやりかたにして、しばらくしたら何が変わったか確かめましょう。
American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby