上の子と赤ちゃんの初対面、どう迎える?
産院の部屋で、あるいは退院して帰った家で、上の子がはじめて赤ちゃんに会う。カメラを構えて感動の場面を期待していたのに、上の子は赤ちゃんをちらっと見て、ママのひざによじのぼってきた。そんなこともよくあります。きょうだいの関係は、愛情と、いらだちと、張りあいと、仲なおりが、めまぐるしく入れかわるものです。安全と、どちらの子もちゃんとお世話されることを守るのは大人。子どもには、決まった役を背負わされずに、まざった気持ちのままでいられる場所が必要です。初対面は、おだやかに、短く始めましょう。
ひと言でいうと
初対面は紹介であって、すぐに愛情を見せるテストではありません。上の子が自分のペースで近づけるようにし、赤ちゃんの体はしっかり守り、赤ちゃんに注意を向けさせる前に、まず上の子とあいさつする時間をつくりましょう。
実際には
抱っこ、記念写真、プレゼントの交換を求めるのはやめておきましょう。ちょっとした興味、無関心、大はしゃぎ、取りみだすこと。どれもありえます。関係は、一度の完璧に演出された瞬間ではなく、ふつうの出会いをくり返すことで育っていきます。
はじめに見ておきたいこと
親との時間、いつもの流れ、眠り、自立、ことば、遊び。この6つのどこに変化が出ているかを見ておきましょう。うまくいっている瞬間にも目を向けます。ふれあいを差しだすときも、上の子の今の発達と、つながりを求める気持ちに合わせます。赤ちゃんをすぐかわいがることも、ありがたく思うことも、求める必要はありません。
初対面のプラン
- はじめての対面は、おだやかに、短く。
- まず、上の子とつながりなおす。
- ふれあいは差しだすだけにして、さわることは強制しない。
- どのやりとりも、すぐそばで見守る。
まずは、おだやかで短い対面と、上の子とのつながりなおしから。部屋に入ってきた上の子を、赤ちゃんを抱いていない腕でぎゅっと迎え、「会いたかったよ」と伝えます。説明は具体的に、安全の線はその場ですぐに。「赤ちゃんの足、見てみる?」のような小さな選択肢をわたし、上の子のなじみの流れを残しましょう。抱っこやお手伝い、来客へのお披露目を無理にさせなくても、興味は自然に育ちます。
4つのステップのつながり
最初は、おだやかで短い対面。次に、上の子とのつながりなおし。それから、さわることを強制せずにふれあいを差しだすこと。最後に、すべてのやりとりをすぐそばで見守ること。危ない場面ではまず赤ちゃんを守り、教えたり仲なおりしたりするのは落ち着いてからです。
ほかの大人とそろえておくこと
パートナーや、上の子を産院に連れてきてくれる祖父母とは、最初のふたつ、おだやかで短い対面と上の子とのつながりなおしをそろえておきましょう。ことばまでそろえなくても、上の子が「いつものだ」とわかる対応ならじゅうぶんです。誰が赤ちゃんを守る係か、落ち着いたらどう仲なおりするかも、前もって大人で話しておきましょう。
ためしてみる期間
おだやかで短い対面は、一度目の出来で判断せず、そのあとの何回かのふつうの出会いを重ねて見ていきましょう。どんな場面か、上の子がどう反応したか、家族の一日がどう回ったかを、短く書きとめます。記録が新しいプレッシャーにならない程度の短さで十分です。
ふり返りでは、ふれあいを差しだすだけにしたときの上の子の様子をくらべてみましょう。上の子が安心して関われた工夫は残し、家族が続けられないことはかんたんに。変えるのは一度にひとつ。健康、安全、発達のどれかに不安があるときは、家での工夫より、専門家にみてもらうことを優先しましょう。
大人にできることと、できないこと
まず上の子とつながりなおすことは、大人の仕事です。見守る、注意の向けかたを工夫する、上の子のリズムを守る。そこは大人が動かせる部分です。でも、上の子に毎日赤ちゃんを喜べとか、いつも大人びていろとは求められません。やきもちや赤ちゃん返りをメッセージとして受けとることと、乱暴を見のがすことは、まったく別のことです。
安全と、子どもの尊厳
すぐそばでの見守りは、大人の安全の計画そのものです。赤ちゃんと小さな子をふたりきりにしない、たたいたり乱暴にさわったりしたらすぐに止める、そして上の子に赤ちゃんを守ったりお世話したりする役目をいつも負わせない。これを土台にしましょう。
つまずきやすいこと
おだやかな対面を心がけても、「今日からお姉ちゃんね」とずっと同じ役を押しつける、ほっぺにチューやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることだけを公平と呼ぶ、危なさや力の差があるのに子どもどうしで解決させる、といったことで、くずれてしまうことがあります。
よい変化の見つけかた
上の子が前より早く気持ちを立てなおす、「ママ、こっちも見て」とまっすぐ求めてくる、少しのあいだなら親が赤ちゃんにかかりきりでも待てる、プレッシャーなしに自分から赤ちゃんに近づく。そうした様子が前進です。愛情にむらがあってもかまいません。完璧な初対面の写真より、安全と育っていく信頼のほうが役に立つものさしです。
書くことは4つ。きっかけ、ふたりの力関係、大人のしたこと、落ち着くまでの流れです。どちらかを責める証拠ではなく、家族が使えるパターンを見つけるための記録にしましょう。
もっと支えが必要なとき
けがが続く、ひどくこわがったりつらそうにしたりする、上の子がひきこもったままになる、できていたことができなくなる、眠りや毎日の暮らしが大きく乱れる、大人が安全に対応しきれない、という場合は、小児科医や地域の保健師さんなど専門家に相談しましょう。「気になる」という親の感覚だけで、相談するにはじゅうぶんです。限界まで待つ必要はありません。
覚えておきたいこと
目標にしたいのは、聞きわけのいい子や、ほころびのない暮らしではありません。おだやかで短い初対面から始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。どんな記事にも答えられないことは、その子を直接みてくれる専門家にたずねましょう。
ポイント: まずは、おだやかで短い初対面から。無理なく続く形に整え、変化を見守りましょう。
American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby