きょうだいげんか、親はいつ入るべき?

となりの部屋から「やめて!」「そっちが先にやった!」。すぐに飛んでいくべきか、少し様子を見るべきか、迷う瞬間です。きょうだいの関係には、愛情も、いらいらも、張りあいも、仲なおりも、ときには数分のうちにぜんぶ入っています。安全を守ること、どちらの子もお世話を受けられるようにすることは大人の責任です。子どもたちには、ひとつの役にしばられず、まぜこぜの気持ちを抱えていていい自由が必要です。子どもたちが安全で、力もつりあっているあいだは、ひと呼吸おいて見守るところから始めましょう。

ひと言でいうと

たたく、かむ、首をしめる、危ない物を使う、力の差が大きい、片方がその場から離れられない。そんなときはすぐに入ります。小さな口げんかなら、大人が近くにいるなかで続けさせてもいいことがあります。危なくなる前に、子どもたちが練習するチャンスになるからです。

実際には

入るときに、どちらが始めたかを決める必要はありません。けがを止め、必要なら離し、何が起きているかをことばにします。落ち着いたら、それぞれが自分のしてほしいことを言えるよう手伝い、具体的な仲なおりか、次にどうするかを選ばせましょう。

はじめに見ておきたいこと

きっかけ、誰の物か、眠さ、場所のせまさ、大人の注目、ふたりの力の差、それぞれの子がその場を離れられるかを見て、大人が入ったあとどうなったかを書きとめましょう。いっぺんに全部を解決させず、とける部分をひとつだけ手伝うときも、気持ちがいっぱいの最中にむずかしい解決を求めるのではなく、子どもが実際に使える力に合わせます。

入るかどうかのプラン

  • 子どもたちが安全で、力もつりあっているときは、ひと呼吸おく。
  • けが、こわがっている、力の差があるときは、すぐに入る。
  • 問題のうち、とける部分をひとつだけ手伝う。
  • 力が育つにつれて、少しずつ子どもに任せていく。

まずは、ひと呼吸おくことと、入るべきときにすぐ入ることから。裁判のような取り調べはせず、けがを止めて、その場の線をはっきりさせます。落ち着いたら、たのみかた、順番、離れること、仲なおりのうち、その場面に合うものを教えましょう。「ふたりともブランコに乗りたいんだね。どうしようか」。夕方のおなかがすく時間や、せまい車の中など、いつも同じ状況でもめるなら、その状況のほうを変えます。

4つのステップのつながり

最初は、安全でつりあっているあいだのひと呼吸。次に、けがや力の差があればすぐに入ること。それから、とける部分をひとつだけ手伝うこと。最後に、力が育つにつれて任せていくこと。どんな場面でも、弱いほうを守るのが先で、教えたり仲なおりしたりするのは体が落ち着いてからです。

ほかの大人とそろえておくこと

パートナーや祖父母とは、最初のふたつ、見守るときと、すぐ入るときの線をそろえておきましょう。ある大人はすぐ止め、別の大人はずっと放っておく、では子どもは混乱します。同じことばである必要はありませんが、見ればわかる対応にします。小さいほうの子を誰が守るか、落ち着いたあとにどんな現実的な仲なおりをするかも決めておきます。

ためしてみる期間

ひと呼吸おくやりかたは、たまたま平和だった日や大荒れの日ひとつで判断せず、ふつうの日を何回か重ねてためしましょう。状況、子どもの反応、家族の毎日の回りぐあいを短くメモします。観察が新しいプレッシャーにならない程度の短さで十分です。

ふり返りでは、とける部分をひとつだけ手伝った場面とくらべてみましょう。安全で、わかりやすくなったことは残し、家族が続けられないことはかんたんに。変えるのは一度にひとつ。体のこと、安全のこと、発達のことで気になる点があれば、工夫より先に専門家へ。

大人の役目と、その限界

けがや力の差があるときにすぐ入ることは、見守り、取りあいになりやすい物の扱い、安全の線とあわせて、大人の役目です。大人は、きょうだいに意見を合わせろとか、仲よく感じろとは求められません。でも、力の差を「おあいこのけんか」とまちがえないようにし、力が育つにつれて任せていくことはできます。

安全を先に

子どもに任せていくのは、体の安全が戻ってからの話です。たたく、首をしめる、危ない物を使う、こわがっている、逃げられない子がいる、というときはすぐに入りましょう。無理にさせたごめんなさいを、もう見守らなくていい証拠にはしないでください。

落とし穴

見守りの線を決めても、「お兄ちゃんが悪い」とずっと同じ役を押しつける、仲なおりのハグやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることを唯一の公平とする、危なさや力の差が残っているのに子どもに解決させる。こうしたことで、せっかくの工夫がくずれてしまいます。

前進のしるし

「たすけて」と大人を呼べる、手が出る前にひと呼吸おける、離れることを受け入れる、順番を待てる、大人の手をあまり借りずに仲なおりできる。そんな姿が前進です。いつも仲よしでいることより、安全なけんかと早い立ちなおりのほうが大切です。けがやこわがることがくり返されるときは、専門家に相談しましょう。

もめごとのメモは、何がきっかけで、どちらが強い立場で、大人がどうして、どう落ち着いたかを短く。どちらが悪いかを決めるためではなく、くり返すパターンに気づくためのものです。

相談したいとき

けががくり返される、こわがったりひどく取りみだしたりする、毎日の暮らしが大きく乱れている、家でも園でも同じパターンが続く、大人が安全を保てない、という場合は、小児科医や地域の保健師さん、子育ての相談窓口に相談しましょう。今まさに危険があるときは、すぐに地域の救急の窓口へ。早めに相談しても、どちらかの子に一生の診断名がつくわけではありません。

覚えておきたいこと

言うことをすぐ聞く子や、いつも予定どおりの毎日をめざす必要はありません。安全でつりあっているあいだはひと呼吸おくところから始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。この子に何が起きているのか、一般的な助言ではわからないときは、その子をみてくれる専門家に相談しましょう。

ポイント: まずは、子どもたちが安全で力もつりあっているあいだは、ひと呼吸おいて見守ることから。家族が続けられるやりかたにして、しばらくしたら何が変わったか確かめましょう。

American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby

American Academy of Pediatrics, Positive discipline