性格がまったく違うきょうだい、どう支える?
上の子はにぎやかで、いつも誰かとくっついていたい。下の子は静かで、ひとりの時間がほしい。同じ家で同じように育てているのに、こんなに違うのかと驚くことがあります。仲がいいと思えばけんかになり、すぐにまた笑いあう。きょうだいとは、そういうものです。安全を守り、どちらの子にもお世話が行きわたるようにするのは大人の仕事です。そして子どもには、決まった役を押しつけられずに、複雑な気持ちのままでいられる余地がいります。まずは、それぞれの子が気持ちを整えるために何を必要としているかに気づくことから始めましょう。
ひと言でいうと
ひとりはにぎやかさと近さを求め、もうひとりは時間と、自分の空間と、見通しを必要としている。その違いを「いい子」と「むずかしい子」として扱うと、うらみが育ち、それぞれの子に必要な、環境の実際的な工夫が見えにくくなります。
実際には
いっしょに遊ぶ方法と、別々に遊ぶ方法の両方をつくり、いっしょにすることの前には予告をし、それぞれの子が相手の「いや」の線に気づけるよう教えましょう。公平とは、どの場面でもまったく同じことを求めることではなく、それぞれにこたえる支えと、はっきりした安全のルールのことです。
はじめに見ておきたいこと
大人のくらべっこ、家族の冗談、決めつけたレッテル、知らないうちにどちらかを上に置く期待に耳をすまし、それぞれの子がどう反応しているか見てみましょう。公平を「同じ」より広くとらえるときも、「妹はすぐぐずる」のような具体的なことばに気づいたら、新しいほめレッテルではなく、行動、がんばり、必要についての見たままのことばに置きかえます。
性格の違いに合わせたプラン
- それぞれの子が、気持ちを整えるために何を必要としているかに気づく。
- 違いを、反抗として扱わない。
- 順位をつけずに、それぞれに合わせた支えをする。
- 公平を、「まったく同じ」より広くとらえる。
気持ちの整えかたへの気づきと、違いを反抗としない見かたを、毎日の声かけに生かしましょう。「にぎやかな公園のあとは、静かな部屋で絵本の時間がほしいんだね」。何があったか、この子にはどんな支えが合うかを、きょうだいをものさしにせずに伝えます。ほかの大人がくり返し使うレッテルには変えてもらうようお願いし、自分がくらべてしまったら、さらっと言いなおせば大丈夫です。
4つのステップのつながり
最初は、それぞれの気持ちの整えかたに気づくこと。次に、違いを反抗として扱わないこと。それから、順位をつけずに合わせた支えをすること。最後に、公平を広くとらえること。危ないことがあれば、まず弱いほうを守り、教えたり仲なおりしたりするのは、気持ちが落ち着いてからです。
ほかの大人とそろえておくこと
祖父母や保育園の先生とは、最初のふたつ、気持ちの整えかたへの気づきと、違いを反抗としない見かたをそろえておきましょう。同じことばを使う必要はありませんが、子どもにとって見ればわかる対応にします。弱いほうの子を誰が守るか、落ち着いたあとにどんな現実的な仲なおりをするかも、大人どうしで決めておきます。
ためしてみる期間
それぞれの気持ちの整えかたに合わせるやりかたは、たまたまうまくいった日や大変だった日ひとつで判断せず、ふつうの日を何回か重ねてためしましょう。状況、それぞれの子の反応、家族の毎日の回りぐあいを短くメモします。書くことが負担にならない、ほんの数行でかまいません。
ふり返りでは、順位をつけずに合わせた支えができた場面とくらべてみましょう。それぞれが安心して過ごせた工夫は残し、家族が続けられないことはかんたんに。変えるのは一度にひとつ。健康、安全、発達のどれかに不安があるときは、家での工夫より、専門家にみてもらうことを優先しましょう。
大人にできることと、できないこと
違いを反抗として扱わないのは、大人にできることです。大人は、ことば、期待、機会のわけかた、違いへの反応を変えられます。でも、きょうだいをそっくり同じにすることも、公平を「まったく同じ」として感じさせることもできません。理由がはっきりしていて敬意があるなら、ひとりに合わせた支えはひいきではありません。
尊厳を守る
公平を広くとらえることは、子どもの尊厳を守ることにつながります。とくに、できること、気質、体、園での様子、どちらの親になついているかがくらべられるときは。発達の心配はふたりのときに具体的に話し、どちらかの子に、自分をおさえろとか、見せびらかせとか、もう一方の気持ちに責任をもてとは求めないようにしましょう。
つまずきやすいこと
それぞれに合わせようとしても、「静かなほうがいい子」とずっと同じ役を押しつける、仲よくすることやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることだけを公平と呼ぶ、危なさや力の差があるのに子どもどうしで解決させる、といったことで、くずれてしまうことがあります。
よい変化の見つけかた
順位をつけることばが減る、声かけが具体的になる、子どもがきょうだいを引きあいに出さずに「ひとりになりたい」「いっしょに遊びたい」と自分の必要を言える、大人がくらべっこをすぐに言いなおせる。そうした様子が前進です。めざすのは違いを消すことではなく、その違いを家族の中のずっと続くキャラクターにしないことです。
書くことは4つ。きっかけ、ふたりの力関係、大人のしたこと、落ち着くまでの流れです。誰が悪いかを決めるためではなく、くり返す流れに気づくためのメモです。
もっと支えが必要なとき
レッテルが根づいてしまっている、どちらかがいつもはずかしめられたり、のけものにされたりしている、不安やひきこもりが強まっている、きょうだいの対立が毎日を占めている、大人がパターンを止められない、という場合は、家族や子どもを支える専門家に相談しましょう。どちらかの子が問題だと決めつけずに、関係に目を向けて支えてもらえます。
覚えておきたいこと
完璧に言うことを聞く子も、一度もくずれない毎日も、目標ではありません。それぞれの子が気持ちを整えるために何を必要としているかに気づくところから始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。この子に何が起きているのか、一般的な助言ではわからないときは、その子をみてくれる専門家に相談しましょう。
ポイント: まずは、それぞれの子が気持ちを整えるために何を必要としているかに気づくことから。できる形で続けてみて、そのあとで変わったことを見直しましょう。
American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby