上の子が赤ちゃんに嫉妬するとき、助けになること

授乳していると、上の子がわざと大きな声を出す。赤ちゃんを抱っこすると、「ぼくも!」とひざに割りこんでくる。上の子のやきもちは、見ていて切なくもあり、くたびれるものでもあります。きょうだいのあいだには、好きも、いらいらも、競争も、仲なおりも、数分のうちに次々とやってきます。安全と、どちらの子もちゃんとお世話されることを守るのは大人で、子どもには、ずっと同じ役を背負わされずに、まざった気持ちのままでいられる場所が必要です。まずは、その気持ちを正さずに、名前をつけてあげましょう。

ひと言でいうと

やきもちは、興味や愛情といっしょにあることができます。上の子は、親に関われなくなったこと、いつ終わるかわからない待ち時間、大人がくり返し赤ちゃんをほめることに反応しているのかもしれません。「やさしいお兄ちゃんは怒らないものよ」と言うより、つながりたい気持ちをことばにするほうが、ずっと役に立ちます。

実際には

上の子がまるごと注目をもらえる、小さく見通しのある時間をつくりましょう。ときには赤ちゃんのほうが待っているように見せてもいいのです。「赤ちゃん、ちょっと待っててね。今はお姉ちゃんの番だから」。お手伝いは誘っても、強制はしません。気持ちは受けとめていても、安全の線はゆるめません。

はじめに見ておきたいこと

親とどのくらい過ごせているか、毎日の流れ、眠り、身のまわりのこと、ことば、遊びに、どんな変化があるかを見てみましょう。うまくいっている瞬間にも目を向けます。安全の線をその場で落ち着いて引くときも、上の子の今の発達と、つながりを求める気持ちに合わせます。すぐに赤ちゃんをかわいがることや、感謝することを求めるものではありません。

やきもちへのプラン

  • 気持ちを正さずに、名前をつける。
  • ひとりに向き合う小さな時間を守る。
  • 赤ちゃんへの愛情を、無理に求めない。
  • 安全の線は、その場ですぐに、落ち着いて。

まずは、気持ちに名前をつけることと、ひとりに向き合う時間を守ることから。「ママが赤ちゃんばっかりで、さみしかったね」。説明は具体的に、安全の線はその場ですぐに。上の子には「絵本とブロック、どっちにする?」のような小さな選択肢をわたし、なじみの流れを残し、親とつながれる見通しのある時間をつくりましょう。抱っこやお手伝い、来客の前でのお披露目を無理にさせなくても、赤ちゃんへの興味は育っていきます。

4つのステップのつながり

最初は、気持ちに名前をつけること。次に、ひとりに向き合う時間を守ること。それから、愛情を無理に求めないこと。最後に、安全の線をその場で落ち着いて引くこと。危ないことがあれば赤ちゃんを守るのが先で、教えたり仲なおりしたりするのは、上の子が落ち着いてからです。

ほかの大人とそろえておくこと

パートナーや祖父母とは、最初のふたつ、気持ちに名前をつけることと、ひとりに向き合う時間を守ることをそろえておきましょう。お客さんや祖父母が赤ちゃんばかりほめていないかも、そっと気にかけます。同じことばを使う必要はありませんが、上の子にとって見ればわかる対応にします。赤ちゃんを守る担当と、落ち着いてからの仲なおりのしかたも、決めておくと安心です。

ためしてみる期間

気持ちに名前をつけるやりかたは、たまたま落ち着いていた日や、やきもちが爆発した日ひとつで判断せず、ふつうの日を何回か重ねてためしましょう。状況、上の子の反応、家族の毎日の回りぐあいを短くメモします。記録が新しいプレッシャーにならない程度で十分です。

ふり返りでは、愛情を無理に求めなかった日の上の子の様子とくらべてみましょう。上の子が安心していられた工夫は残し、家族が続けられないことはかんたんに。変えるのは一度にひとつ。体のこと、安全のこと、発達のことで気になる点があれば、工夫より先に専門家へ。

大人にできることと、できないこと

ひとりに向き合う時間を守るのは、大人にできることです。大人にできるのは、見守ること、注意を意識してふりわけること、上の子のいつもの流れを守ることです。でも、上の子に毎日赤ちゃんを喜べとか、いつもお兄ちゃんらしくあれとは求められません。やきもちや赤ちゃん返りを気持ちの表れとして受けとめることは、相手を傷つける行動を許すこととは違います。

安全と、子どもの尊厳

落ち着いた安全の線は、大人の安全の計画の一部です。赤ちゃんと小さな子をふたりきりにしない、たたいたり乱暴にさわったりしたらすぐに止める、そして上の子に赤ちゃんを守ったりお世話したりする役目をいつも負わせない。やきもちを感じたことで、上の子をはずかしめないようにしましょう。

つまずきやすいこと

気持ちを受けとめていても、「お姉ちゃんなんだから、がまんして」とずっと同じ役を押しつける、赤ちゃんへのチューやすぐのごめんなさいを無理にさせる、まったく同じにすることだけを公平と呼ぶ、危なさや力の差があるのに子どもどうしで解決させる、といったことで、くずれてしまうことがあります。

よい変化の見つけかた

上の子が前より早く気持ちを立てなおす、「ぼくもぎゅっとして」とことばで求めてくる、少しのあいだなら親が赤ちゃんにかかりきりでも待てる、プレッシャーなしに赤ちゃんに近づく。そうした様子が前進です。愛情にむらがあってもかまいません。完璧なきょうだい写真より、安全と育っていく信頼のほうが役に立つものさしです。

メモをとるなら、やきもちのきっかけ、ふたりの力の差、大人の対応、どう落ち着いたかを。上の子を責める証拠ではなく、家族が使えるパターンを見つけるための記録にしましょう。

もっと支えが必要なとき

けがが続く、ひどくこわがったりつらそうにしたりする、上の子がひきこもったままになる、できていたことができなくなる、眠りや毎日の暮らしが大きく乱れる、大人が安全に対応しきれない、という場合は、小児科医や地域の保健師さんなど専門家に相談しましょう。「気になる」という親の感覚だけで、相談するにはじゅうぶんです。限界まで待つ必要はありません。

覚えておきたいこと

言うことをすぐ聞く子や、いつも予定どおりの毎日をめざす必要はありません。やきもちを正さずに名前をつけるところから始めて、つながりと安全を大切にし、時間をかけて方向を見守りましょう。どんな記事にも答えられないことは、その子を直接みてくれる専門家にたずねましょう。

ポイント: まずは、やきもちを正さずに、気持ちに名前をつけることから。家族が続けられるやりかたにして、しばらくしたら何が変わったか確かめましょう。

American Academy of Pediatrics, Preparing an older child for a new baby

American Academy of Pediatrics, Positive discipline