祖父母やシッターさんにも守ってもらえる、画面のルール
家では画面の時間をていねいに決めているのに、おじいちゃんおばあちゃんの家やシッターさんのところで一日すごすと、何時間もテレビを見て帰ってくる。よくある、静かなもやもやのもとです。解決策は、発達の科学について長々と話すことではありません。祖父母やシッターさんが実際に守れる、少しの画面のルールを、批判ではなくあたたかさといっしょに伝えることです。
ほかの大人がやりかたを変える理由
まずは寛大な気持ちから始めると、うまくいきます。祖父母が画面に「いいよ」と言うのは、愛情からのことが多いもの。会えた時間を楽しく、楽にしたい、そして元気いっぱいの小さな子についていくのは本当に疲れる、ということもあります。シッターさんは何人もの子をみていて、手がいっぱいの瞬間に画面に頼ることもあるでしょう。どれも、いいかげんだからではありません。親が読んできたような心配を、同じようには抱えていないだけです。ひと昔前の世代がテレビを見ていたように、画面を害のない娯楽と見ているのかもしれません。
正すためではなく、同じ目標を分かち合うための話として切りだすと、相手はずっと協力的になってくれます。
ルールは少なく、はっきりと
多くの親がしてしまうのが、子育ての方針をまるごと手わたすことです。子どもに食べさせ、遊ばせながら、こまやかな原則を10個も頭に入れておくことはできません。うまくいくのは、短く具体的なリスト。覚えやすく、読みちがえにくい3つか4つのルールが理想です。たとえば、こんなふうに。
- 食事中は画面なし。
- 外遊びのあとに番組を1つ。終わりなく流しっぱなしにしない。
- お昼寝や夜寝る前の1時間は画面なし。
- 見るのは、落ち着いているとわかっている、この2つか3つの番組から。
こうしたルールは具体的で、実行できます。「見せすぎないで」のようなあいまいな頼みかたは、人によってまったく違う意味にとられてしまい、たいていそこからもめごとが始まります。
理由は、1つにつき1行で
意味がわかっているほうが、人は気持ちよくルールを守れます。でも、講義はいりません。1つのルールに、やさしい一文で十分です。「寝る前に画面を消すと、寝つきがいいので」。長い説明よりずっと伝わります。よく眠れる、機嫌がいい、お迎えのときに落ち着いている、と子どもが楽になることを理由にすると、相手には管理ではなく思いやりとして届きます。
正しい選択を、いちばん楽な選択に
意志の力は誰にとっても限られています。だから、助けになるように準備しておきましょう。親が確かめた穏やかな番組を2つほど端末に入れておけば、相手が探しまわって自動再生のおすすめにたどりつくこともありません。自動再生は事前にオフに。クレヨン、お気に入りの絵本、かんたんなおもちゃなど、画面以外のものを小さなかばんに入れて渡しておけば、すぐに手わたせる代わりがあります。よい選択がいちばん楽な選択なら、人はそれを選びます。
こだわるところを選ぶ
すべての画面の時間が、話し合う価値のあるものではありません。雨の日の午後、おばあちゃんの家で映画を1本見るのと、1週間、遊びがすべて画面に置きかわるのとは違います。本当に大事なこと、たいていは食事、睡眠、一日が画面にしめられてしまうことを決めて、小さなことは手放しましょう。小さなことで信頼されていると感じる祖父母ほど、大きな境界を大事にしてくれます。何もかもにきびしくすると、たいてい逆効果です。
気まずい話は、やさしく
親が大事にしている制限を、ほかの大人がいつも破ってしまうなら、子どもの前ではなく二人のときに、まっすぐ、でもやさしく伝えましょう。まず感謝から始め、いちばん大事な1つか2つを具体的に伝え、守りやすくなる手だてを申しでます。「いつもみてもらって、本当に助かっています。うちでいちばん大事にしているのは、お昼寝の前は画面なし、ということなんです。それで本当によく眠れるので。タブレットに、いつ見てもいい番組を2つ入れておきました」。これは叱ることではなく、同じ子どもを大切に思う大人どうしのお願いです。
よその家は少し違ってもいい
視野を広げるひと言を。子どもは、場所によってルールが少しずつ違うことを、ちゃんと受けとめられます。おばあちゃんの家では寝る時間がゆるいのと同じように、画面の時間もゆるいかもしれません。たいていのときに核となる境界が守られていれば、それで乗りきれます。目指すのは、どの家でもまったく同じルールではなく、大事なことについての「まあまあの一貫性」です。
もう少しよく見てみたいとき
家ごとの画面の違いは、たいていはただの違いです。でも、画面の多い場所ですごしたあと、いつも落ち着きにくい、気持ちが乱れやすい、よく眠れない、と気づいたら、その大人と話すとともに、続くようなら、かかりつけの小児科医や地域の保健師にも伝えてみましょう。よくある相談で、ただの個性なのか、向き合ったほうがいいことなのかを見分ける助けになります。
祖父母やシッターさんが実際に守れる画面のルールを決めるのは、管理することより、やさしさとわかりやすさの問題です。リストは短く、あたたかい理由を1行で、よい選択を楽な選択にし、きっぱりするのは本当に大事な少しの制限だけに。そうすれば、子どもをみてくれる人たちは、画面の計画のじゃまではなく仲間になり、誰も見張られていると感じずに、子どもは一貫した対応を受けられます。
ポイント: ほかの大人には、わかりやすいルールを3つか4つ、あたたかい理由といっしょに。そして、決めた選択がいちばん手にとりやすいようにしておきましょう。