体調が悪い日のテレビや動画、どう考える?
子どもが高い熱を出して、ぐったりとソファに横になっている。そんな日に、テレビが一日じゅうついていることへの罪悪感まで抱える必要はありません。病気は、ふだんの制限をゆるめていい、いちばんはっきりした場面の一つです。この記事は、スケジュールを守ることより、具合の悪い子が楽にすごせることのほうが大切だという前提で書いています。
病気の日は、本当の例外
体調の悪い子には、ふだんの制限が守ろうとしている、体を動かす遊び、外遊び、手を使う学びに向かう元気が、ほとんどありません。どのみち今日はできないことばかりです。気持ちをなだめ、じっと休ませ、つらさから気をそらしてくれる穏やかな番組は、やさしい仕事をしています。ここでルールをゆるめるのは甘やかしではなく、看病です。具合の悪い体に合わない決まりより、楽にすごすことと休むことを選んでいるのです。
だから、罪悪感は手放しましょう。画面が大切な活動を押しのけるという、根拠のある心配は、横になって回復する必要がある子には、そもそも当てはまりません。
穏やかで、ほっとできる内容を
病気の日は、速くて刺激の強いものより、ゆっくりで、なじみがあって、やさしい内容を選びましょう。具合の悪い子はすでに弱っていて、必要なのは穏やかさなのに、せわしない動画は気持ちを高ぶらせてしまいます。よく知っている昔からのお気に入りがぴったりです。なじみのあるものは心を落ち着かせ、疲れた頭に何も求めないからです。新しいもの、わくわくするもの、にぎやかなものの日ではありません。ぬくぬく、静かに、を思いうかべましょう。
お世話の基本を忘れずに
誰かが病気のとき、画面が一日のすべてになってしまいがちですが、画面と並んで大切なことがいくつかあります。
- 食欲がなくても、少しずつ飲みものをこまめにすすめる。
- 静かにしているかどうかだけでなく、楽そうか、熱はどうか、様子はどうかを確かめる。
- 画面の時間のあいだに、休む、だっこ、うとうとする時間をはさむ。回復にはそれが必要です。
- 何時間も同じ姿勢で画面の前に寄りかからせず、すずしく、楽にすごさせる。
画面はなぐさめで、具合の悪い子に必要な、手をかけたお世話の代わりではありません。
そばにいる。近くにいるだけでなく
具合の悪い子は、いつもより親を求めることがよくあります。画面がそのぬくもりの代わりになってはいけません。いっしょに見る、寄りかからせて休ませる、そっと声をかける。どれも、つらい思いをしている子を安心させます。画面は、親がそばにいるあいだについていればよく、子どもをひとりにするための道具ではありません。本当の薬は親のぬくもりで、番組はすきまを埋めるだけです。
元気になってからの習慣に目を向ける
ひとつだけ気にかけておきたいのは、具合がよくなりはじめたとき。病気の日の画面の自由は、与えるのは簡単でも、取りさげるのは意外にむずかしいものです。回復してきた子は、たいてい増えた視聴を楽しんでいて、続けたがるからです。いちばんスムーズなのは、元気が戻るのに合わせて、少しずつ戻していくこと。いっぺんにではなく、回復と歩調を合わせて、ふだんの暮らしを戻していきます。元気が出て遊びたがったら、やさしくそちらへ誘い、画面は自然に引っこめていきましょう。
ここでも、少し言葉にすると役に立ちます。「もうずいぶん元気になったね。起きていろいろできるね。テレビもいつもの時間に戻そうね」。1日か2日は多めにねだられると思っておき、いつもの制限をやさしく守りましょう。元気になれば、いつもの流れはすぐに戻ってきます。
休んで画面を見るだけでは足りないとき
この記事は、子どものふつうの病気のあいだ楽にすごすためのもので、子どもを楽しませるだけでなく、体の様子も見守っていることが前提です。自分の直感を信じて、子どもの具合がとても悪いときは、すぐに医療機関に相談してください。下がらない高い熱、息が苦しそう、グラスを押し当てても消えない発疹、いつもと違う眠りかたや起こしてもなかなか起きない、吐くのが続く、おしっこがとても少ない(おむつがほとんどぬれない)などの脱水のサイン、ひきつけやけいれん、あるいは親から見て、赤ちゃんや子どもがただごとではなく具合が悪そうなとき。月齢の低い赤ちゃんの発熱は、いつも必ず診てもらいましょう。迷ったら、かかりつけ医、夜間や休日なら子ども医療電話相談(#8000)に、緊急のときは119番に連絡を。画面はなぐさめのためのもので、心配な受診を遅らせる理由には決してなりません。
自分にもやさしく
具合の悪い子の看病は、くたくたになり、心配も尽きません。そこに画面の罪悪感まで重ねる必要はありません。子どもが回復するまでの数日、テレビがいつもよりずっと長くついていても、まったく問題なく、まったくふつうのことです。親は、具合の悪い子に必要なことを、ちゃんとしています。
病気の日の画面について、いちばん正直な答えは「許可」です。子どもが病気のときは、制限より楽にすごすことを、刺激の強いものより穏やかでなじみのある内容を、画面そのものよりそばにいることを。お世話の基本を続け、受診が必要なサインに気を配り、回復に合わせていつもに戻していく。そうすれば、増えた画面の時間は子どもが元気になるのを助ける一部になり、ふだんの流れに傷あとを残すこともありません。
ポイント: 病気の日は、休むためにルールをゆるめていい日。穏やかでなじみのある内容を選び、お世話の基本を続け、危ないサインに気を配り、回復に合わせていつもに戻しましょう。