長距離移動の動画、帰ってからもとに戻せる使いかた
遅れた飛行機で、ぐずる小さな子とすわっていたことがある人なら、画面が役に立つ場面があることに説明はいりません。移動はまさに、画面が力を発揮する場面です。多くの親が心配するのは、そのあと。旅先での習慣が、なかなか家に帰ってくれないことです。少し計画して、旅を「新しいふつう」ではなく「例外」として扱えば、移動中に画面を使いながら、いつもの流れを守ることは十分にできます。
まずは自分に許可を
罪悪感は手放すところから始めましょう。長いドライブ、飛行機、空港での長い待ち時間は、ふだんの暮らしではありません。ふだんの制限を同じように当てはめなくていいのです。せまい場所で何時間も、小さな子を落ち着かせ、安全にすごさせてくれる画面は、賢い道具で、失敗ではありません。いつもと違う場面でいつものルールを守ろうと気を張れば、みんなにとって旅がつらくなるだけです。移動中の画面はOKと前もって決めておけば、道中ずっと自分と戦わずにすみます。
「特別」として、「いつも」にしない
習慣を守るコツは、増えた画面の時間を、親と子どもがどう受けとめるかにあります。飛行機や長いドライブと結びついた「移動のときの画面」だとはっきりしていれば、その場面の中にとどまります。困るのは、その境目があいまいになり、旅先の自由がいつのまにか毎日の期待になってしまうときです。少し言葉にしておくと役に立ちます。「飛行機は長いから、たくさん見ようね。おうちに帰ったら、いつものテレビの時間に戻るよ」。場面ごとのルールは、はっきり名前をつけて伝えると、子どもは意外なほどすんなり受け入れます。
内容は前もって準備
穏やかな移動中の画面は、準備された画面です。出かける前に、番組やアプリをダウンロードしておきましょう。電波の弱い場所に左右されたり、もっと困ることに、自動再生で何が流れてくるかわからないおすすめの流れに頼ったりせずにすみます。実際の準備をいくつか。
- 終わりのない流れではなく、番組をまるごと、または決まった再生リストをダウンロードする。
- 自動再生はオフにして、1話ごとに止まるようにする。
- 端末はフル充電し、モバイルバッテリーとイヤホンを持っていく。
- なじみのお気に入りと、気分転換に新しい物を1つか2つ入れておく。
- おやつ、シールブック、小さなおもちゃなど、画面以外の手も用意して、画面だけが切り札にならないようにする。
準備した内容なら、移動中の画面の時間も、ごちゃごちゃのスクロールではなく、まとまった穏やかなものになります。
いつもの流れの「柱」を守る
家を離れていても、いくつかの決まった点があると子どもは安定し、帰ったあとも楽になります。いちばん大事なこと、とくに睡眠のまわりは守るようにしましょう。寝る時間をだいたい同じにする、いつもの寝る前の流れを簡単にでもする、旅先でも寝る前には画面を消す。どれも子どもの気持ちを整え、家への切りかえをなめらかにしてくれます。流れの全部ではなく、柱だけで十分です。
すきまを全部、画面で埋めない
旅先では、子どもが少しでもそわそわしはじめると、つい画面に手がのびます。そうすると、子どもはすぐに、いつでも画面があるものと思うようになります。できるところでは、少し退屈させてあげましょう。窓の外を見て見えるものを話す、しりとりのようなかんたんな遊びをする、何かを指さして教える。そうすれば旅が長い一つの画面の時間にならず、増えた視聴は「ぜんぶ」ではなく「ときどき」にとどまります。家に帰ってからもとに戻せるのは、そのおかげです。
帰り道で、もとに戻す準備を
家までついてくる習慣は、来ると予想しておけば手放しやすくなります。最終日か帰り道で、切りかえの合図を出しはじめましょう。「おうちに帰ったら、いつもの画面の時間に戻るよ」。そして帰ってから最初の1日か2日は、多少いやがられても、やさしく、でもきっぱりと、ふだんの制限を守ります。ゆるんだ形をずるずる続けず、すぐにいつもの流れに戻すこと。それが、あとから振り返ったとき、旅先の画面を「移動のときだけの画面」にしてくれます。
少しの慣らし期間は覚悟しておきましょう。1週間いつもよりたくさん見た子は、帰ってから数日、もっと見たがるかもしれません。あたたかく、ぶれずにいれば、もとのリズムはすぐに戻ってきます。
気にかけたいとき
移動中の画面の時間は、ふつうの、たまのことで、心配することではありません。でも旅のあと、長いあいだ気持ちが乱れたまま、寝つきが悪い、よく眠れない、あるいは画面がいつのまにか、つらさを乗りきるおもな方法になっている、と感じたら、全体のパターンをふり返り、続くようなら、かかりつけの小児科医や地域の保健師に話してみましょう。よくある相談です。
移動中に画面を使いながらいつもの流れを守るというのは、9時間の移動で画面を一切使わないヒーローになることではありません。本当に役立つときは賢く画面に頼り、それを旅の一部として扱い、子どもを安定させる睡眠の柱を守り、家に帰ったらきっぱりとふだんの暮らしに戻ること。そうすれば画面は、あとかたづけの手間を残さずに、移動を楽にしてくれます。
ポイント: 移動中の画面は、準備した「特別な例外」に。道中は睡眠の柱を守り、帰ってから1〜2日のうちに、いつもの制限にきっぱり戻りましょう。
AAP HealthyChildren, Healthy digital media use habits for babies, toddlers and preschoolers