子どもとYouTube、ショート動画との付き合いかた

動画サービスは、親が子どものころに見ていたテレビとは違います。昔の番組には始まりと終わりがありました。今は1本の動画が次へと流れ、どこからともなくおすすめが現れ、2分の動画がいつのまにか40分になります。子どもとYouTubeやショート動画の付き合いかたに悩んでいるなら、そのむずかしさは本物で、気のせいではありません。こうしたサービスは見つづけてもらうようにつくられていて、小さな子といっしょだと、とりわけ区切りをつけにくいのです。

ショート動画がやめにくい理由

短い動画は、最大限に引きつけるようにつくられています。一つひとつが速くて、インパクトがあり、満足できる長さでありながら、次を見たくなる。終わりのない流れには自然な区切りが一つもないので、きりよく消せる瞬間が来ません。大人にとってはちょっとやっかいなだけでも、自分をコントロールする力がまだほとんど育っていない小さな子には、本当に気持ちを乱すものになりえます。画面がようやく消えたときの、いつもより大きなかんしゃくとして表れることもよくあります。

速い編集も影響します。つながりのない短い動画が次々と流れるのは、小さな脳にとって大きな刺激です。ゆっくりした1本の番組を見たあとより、こうした見かたのあとのほうが、興奮して落ち着きにくいと感じる親は少なくありません。

終わりのない流れより、番組をまるごと

いちばん役に立つ切りかえは、終わりのないおすすめの流れから離れて、始まりと終わりのあるまとまった内容に移ることです。始まり、なか、終わりのある番組なら、子どもには自然なゴールがあり、親にはわかりやすいやめどきがあります。ダウンロードしておいた回、終わりのある再生リスト、決まった番組が流れる子ども向けの安全なアプリ。どれも、いつまでも次をすすめてくるおすすめの流れより、ずっとましです。

子どもが動画サービスを使うなら、ホーム画面のおすすめではなく、保存しておいた特定の動画や、信頼できるチャンネルに向かうようにしましょう。

設定は親がにぎる

いくつかの実際的な設定で、こうしたサービスはずっと扱いやすくなります。

  • 自動再生をオフにして、1本が終わっても次が勝手に始まらないようにする。
  • ふつうの大人向けのものではなく、子ども向けの専用アプリや、見守り機能のある制限モードを使う。
  • 親が確かめた動画だけの再生リストや保存リストをつくり、選べるのはその中だけにする。
  • 制限のないアカウントからはログアウトしておき、検索は子どもではなく親がする。
  • 端末のタイマーや使用時間の制限機能を使い、いつのまにか長引かないようにする。

こうした設定は、子どもを信用していないからではありません。終わりのない引力をとりのぞいて、注意を引きつけるためにつくられた仕組みと、子どもがひとりで戦わなくてすむようにするためです。

おすすめに何が流れてくるか

おすすめの仕組みが追いかけるのは、質ではなく、どれだけ見てもらえるかです。子ども向けの動画でも、画面に目を引きとめるために、だんだん騒がしく、速く、奇妙な内容へと流れていくことがあります。子ども向けに見える動画が、選びたくない場所へつながることもあります。だからこそ、小さな子のときは、そばにいて、何が流れているかちらりと見て、おすすめではなく親が選んだ再生リストを使うことが大切なのです。仕組みがフィルターにならない分、親がフィルターになります。

短く、区切りをはっきりと

こうしたサービスには自然な終わりがないので、親が終わりを用意する必要があります。始める前に、今回は何分か、何本かを決めて声に出し、終わりが近づいたら予告しましょう。「あと2本見たら消して、おやつにしようね」。サービスが決してくれない区切りを、子どもに渡せます。終わりのあとに楽しみなことをつなげると、消すのがやさしくなります。

できるときは、いっしょに見る

どんな画面でもそうですが、となりでいっしょに見ると、価値が上がり、危険が下がります。見たものについて話せるし、ふさわしくないものに早く気づけるし、ひとりの体験ではなく、いっしょの体験にできます。全部の動画を見る必要はありませんが、ときどきのぞいていれば、流れに何が出てきているかがわかり、子どもがひとりでその中に消えていくのを防げます。

気をつけて見たいとき

ショート動画そのものは医療の問題ではありませんが、次のような様子は、かかりつけの小児科医や地域の保健師に伝えておきましょう。こうした動画のあと、いつも目立って興奮したり、乱暴になったり、気持ちが乱れたりする。やめられない、動画なしでは落ち着けないように見える。睡眠、集中、発達がもっと広い意味で心配。そして、もし子どもがこわいものや、明らかにふさわしくないものを見てしまったら、親は落ち着いて子どもを安心させ、大惨事としてではなく、設定を見直すきっかけとして受けとめましょう。

自分にやさしく

こうしたサービスが手ごわいのは、まさに、離れにくくするために大きな力が注がれているからです。再生リストやタイマーや設定が必要なのは、親が至らないからではありません。よい気持ちをくつがえすように設計された仕組みへの、ごくまっとうな対応です。完璧に区切れなくても大丈夫。そうでなくていいのです。

子どもとYouTubeやショート動画の付き合いかたは、つまるところ、終わりのない流れをまとまった内容に置きかえ、設定をにぎり、見る時間を短く区切り、関わりつづけることです。それができれば、こうしたサービスも、暴走するものではなく、家族の暮らしのなかで扱える一つになっていきます。

ポイント: 終わりのない流れと自動再生を、まとまった番組、親が選んだ再生リスト、短く区切った時間に置きかえましょう。止まらない仕組みと、子どもがひとりで戦わなくてすむように。

AAP HealthyChildren, Healthy digital media use habits for babies, toddlers and preschoolers

NHS, Physical activity guidelines for children under 5