寝る前の動画をやめて、画面なしの寝かしつけに

「落ち着くように」と寝る前に見せた番組で、かえって目がらんらんとしてしまう。そんな経験があるなら、それはよくあるパターンです。画面と睡眠は、とくに一日の最後の1時間、正反対の方向に引っぱり合います。画面なしの寝かしつけの流れをつくることは、夜をスムーズにするためにできる、いちばん効果的な変化の一つ。思うよりずっとシンプルです。

画面と睡眠がぶつかる理由

寝る直前に小さな子が画面を見ると、2つのことが起こります。1つめは、内容そのものが刺激になること。穏やかなアニメでも、速くて、色あざやかで、気持ちをゆさぶるので、脳を落ち着かせるどころかさえさせてしまいます。2つめは、画面の明るい光が、そろそろ眠る時間だと知らせる体の自然な合図をじゃますることがあること。結果として、疲れているのに興奮していて、必要な眠りと戦ってしまう子になります。

画面を穏やかな寝る前の流れに置きかえると、この2つの問題がいっぺんに解決します。何かを取りあげるだけでなく、一日が終わるという、よりはっきりした合図を体に送っているのです。

その子に合う「画面おしまい」の時間

画面は寝るよりずっと前、できれば少なくとも1時間前には消し、寝室には持ちこまないようにしましょう。正確な時刻より、毎日同じであることのほうが大切です。お風呂が6時半なら、6時に画面を消すのが、毎晩の話し合いではなく、夕方のあたりまえの一場面になります。

画面の終わりは、親の気分ではなく、時計や流れで決めます。「画面はおしまい。次はお風呂だよ」。毎晩新しく決めるより、ずっと守りやすいものです。壁に絵で描いた夜の流れをはっておくと、次に何があるかが子どもにもわかるので、それが多くの役目を果たしてくれます。

毎晩同じ順番で

小さな子がいちばん落ち着くのは、静かなできごとが、いつも同じ順番でつながっていく寝かしつけです。何をするかより、同じであることが大切。たとえば、お風呂、パジャマ、歯みがきと仕上げみがき、絵本を2冊、歌、明かりを落として、だっこ。毎晩くり返すうちに、この流れが、子どもをそっと眠りへ運ぶ滑走路になります。

最後のほうは、低く、ゆっくり。明かりを落とし、声を小さくし、動きをゆっくりに。子どもに感じてほしい穏やかさを、親が見せるのです。早く終わらせようと急ぐと、子どもはそのあせりを感じとり、たいてい逆効果になります。

画面がいた時間を、何で埋める?

最後のひとときを画面がしめていたなら、心が落ち着いて、つながれるものに置きかえましょう。

  • 絵本。同じお気に入りを、何度でも。
  • 今日のことを静かにおしゃべり。楽しかったこと、ちょっと大変だったこと。
  • やさしい歌や、なじみの子守唄。
  • かんたんなパズル、お絵かき、ぬいぐるみをぎゅっとするような、静かな遊び。
  • 短くて、いつも同じおやすみの儀式。カーテン、くまさん、キス。いつも同じ順番で。

これらは、ただ時間をつぶすだけではありません。気持ちの高ぶりをしずめ、つながりを強め、あたたかい思い出のなかで眠りにつかせてくれます。

いやがるときは、やさしく

習慣を変えるので、画面なしの最初の数日は、いやがることもあるでしょう。あたたかく、ぶれずに続けます。「見たかったよね、わかるよ」と気持ちを受けとめながら、流れは止めずに進めましょう。1〜2週間もすれば、たいていの子は画面を期待しなくなります。寝る前の流れに、もう画面がないのがあたりまえになるからです。

親のスマホも大事です。寝かしつけながらスクロールしていたら、その部屋は本当の意味で画面なしではなく、親の注意も分かれてしまいます。寝る前の時間はスマホをしまっておくと、親子どちらにもよい時間になります。

寝かしつけの流れだけでは足りないとき

画面なしの流れは多くの寝かしつけの悩みに役立ちますが、睡眠の問題がすべて画面のせいとは限りません。大きないびきをかく、眠っているあいだに息が止まっているように見える、起こすのがとてもむずかしい、日中ひどく眠そう、穏やかな流れなのに毎晩寝つくのがひと苦労、睡眠の問題が気分や成長、家族みんなの元気に影響している。こうしたときは、かかりつけの小児科医や地域の保健師に相談しましょう。よくある相談で、シンプルで実際的な助けにつながることが多いものです。

時間をかけて

新しい流れが根づくには、しばらくかかります。病気、旅行、成長の時期などで、すべてがひっくり返る夜もあるでしょう。それはふつうのことで、流れが失敗したわけではありません。次の夜に、いつもの順番に戻れば、また落ち着いていきます。

画面なしの寝かしつけの流れをつくると決めることは、子どもの睡眠を守ると決めることです。そしてよい睡眠は、気分、ふるまい、学び、食欲、あらゆることにつながっています。はっきりした終わりの時間を決め、穏やかでいつも同じ流れをつくり、画面がいた時間を絵本とだっこで埋め、最初のでこぼこした夜をやさしく乗りきる。ほどなく、寝る前の時間は、画面があったころの戦いではなく、一日のなかでも静かで、親子が近くにいられる時間になっていきます。

ポイント: 寝る少なくとも1時間前には画面を消し、絵本、歌、だっこの穏やかな流れを毎晩くり返して、一日の終わりを知らせましょう。

NHS, Sleep and young children

AAP HealthyChildren, Healthy sleep habits