子どもが同じ遊びを何度もくり返す理由

同じ遊びのくり返しには「すぐに新しさを足さずに加わる」ことから。小さな子が学ぶのは、探って、くり返して、体を動かして、想像して、困りごとを解く、そんな体験を、こたえてくれる人といっしょに重ねるなかでです。大人の役目は、時間と安全と物を用意すること。どうくり返すかを決めるのは子どもです。

くり返しの意味

くり返すことで、子どもは次を予想し、練習し、流れを身につけ、小さなちがいに気づいていきます。その遊びが気持ちを落ち着かせたり、安心してつながれる方法だったりすることもあるので、くり返しているからといって学びが止まったわけではありません。

かかわりかた

ときどき加わり、ひとつだけやさしく変えてみて、子どもがもとの形を好むなら、それを受けいれましょう。相談を考えるのは、かたいくり返しが、つらさをともない、ことば、遊び、毎日の暮らしをせばめている、もっと広い様子の一部であるときだけです。

その子の今を知る

どの遊びをくり返すか、どう始めるか、どこまで続けるか、少しずつ変えているか、助けを求めるか、どう伝えるか。年齢、ことば、感覚の好み、眠り、なれ具合で、くり返しかたは変わります。最後のステップ「危なくなければ、安心のための習慣は尊重する」は、次を支えるためのもの。一回の遊びで発達を判定しないようにしましょう。

くり返しへの4つのかかわりかた

  • すぐに新しさを足さずに加わる。
  • 小さなちがいに気づく。
  • してもしなくてもいい、ひとつの広げかたを出す。
  • 危なくなければ、安心のための習慣は尊重する。

正解のある課題ではなく、誘いをひとつ。まずはそのままの遊びにつきあい、毎回ほんの少しちがうところに気づきます。子どもが試すのを待ち、広げかたは「こっちの道もある?」とひとつだけ。もとの遊びにもどっても受けとめましょう。

かかわりかたのつながり

そのまま加わり、小さなちがいに気づき、ひとつだけ広げかたを出し、子どもが変えたくないなら、安全なかぎりそのままにしておく。新しい遊びを足す前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。

家族でそろえること

祖父母や育児パートナーとは、「すぐに新しさを足さない」「小さなちがいに気づく」のふたつをそろえておけば、子どもはだれといても安心してくり返せます。つきあいかたはそれぞれでかまいません。

しばらく見てから

くり返しがとくに多かった日だけで判断せず、ふつうの日に何度か様子を見ましょう。どんなときにくり返すか、どう変わっているかを、軽くメモする程度に。

見なおすときは「ひとつの広げかた」にどう反応したかとくらべます。楽しめたことは残し、つらそうなことはやめ、変えるのはひとつずつ。くり返しがつらさをともなう、ことばや遊びが広がらない、という心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。

決めるのは大人?子ども?

小さなちがいに気づくとき、大人が決められるのは、時間、安全、物、そして自分がちゃんとこたえているかどうか。子どもが何をくり返すか、どのくらい続けるかは決められません。広げかたをことわる、同じことばかり、急にちがう遊び、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。

安全のために

窒息、アレルギー、水、落ちる危険、ひも、毒性について、その子と使う物に合わせてチェックしておきましょう。家にある物がおもちゃより安全とはかぎりません。安心のための習慣を尊重するときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。物を危ないかたちで口に入れたり、息や肌に異変が出たりしたら、その場ですぐ中止しましょう。

ありがちな落とし穴

大人がもっと「ためになる」遊びに変えようとする、飽きないように新しいおもちゃを買いたす、子どもが試す前に手を出す、くり返しそのものを発達のテストにする。こうなると、くり返しのなかの学びが見えなくなります。

うれしい変化

くり返しのなかで新しい工夫をする、ごっこ遊びがしなやかになる、だれかを誘う、ちょっとした変化をがまんできる、しばらくしてまた同じ遊びにもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。くり返しそのものに意味があります。

もう少し支えがほしいとき

遊びかたがずっと同じところにとどまっている、身につけたことを失ってきた、まわりを探ることや人と注意を分かちあうことが少ない、見なれた物の使いかたがわからない様子がある、理解や動き、考える力のむずかしさが毎日に影響している。そう感じたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、発達の専門家に声をかけてみましょう。ひとつの場面だけでなく、いろいろな場面での様子をメモして持っていきましょう。

くり返しとのつきあいかた

めざすのは、いつも新しい遊びをする子でも、完ぺきな毎日でもありません。すぐに新しさを足さずに加わるところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。記事で答えきれないことは、その子に合わせた専門家の見立てを頼りにしてください。

ポイント: まずは「すぐに新しさを足さずに加わる」。毎日の暮らしにはまる形にし、変化に目を向けましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five