知育玩具は必要?おもちゃ選びで本当に大切なこと
最初の一歩は「遊び方が決まっていない、何度も使えるものを選ぶ」こと。小さな子は、探る、くり返す、動く、想像する、困りごとを解く、という体験を、こたえてくれる人と重ねながら学びます。大人がととのえるのは時間と安全と、子どもが動かせる物。目的を考えて頭を使うのは、子ども自身です。
結論から言うと
「知育」というラベルがついているから学べる、というわけではありません。遊び方の決まっていないシンプルな素材のほうが、ことば、想像力、問題を解く力を豊かに支えることがよくあります。目的もフィードバックも、商品ではなく子どもが自分でつくりだすからです。
選ぶときに見たいこと
安全か、今の発達に合っているか、じょうぶか、子どもが自分で動かせるか、で選びましょう。光る、うたう、うたい文句、アプリ連動より、人とのかかわりと本物の世界での遊びのほうが大切です。箱、布、入れ物、ふだんの家事でも、子どもはちゃんと学べます。
最初に、様子を見る
何に目をひかれるか、どう遊びはじめるか、どこまで続けるか、遊び方を変えるか、助けを求めるか、考えをどう伝えるかを見てみましょう。年齢、ことば、体の動き、感覚の好み、眠り、なれ具合で遊びかたは変わります。最後の手順「家にある物も豊かな遊びになると覚えておく」は、次を支えるためのもの。ひとつのおもちゃや集中の長さで、発達を判定しないようにしましょう。
おもちゃ選びの4つの目
- 遊び方が決まっていない、何度も使えるものを選ぶ。
- 安全でじょうぶな素材を優先する。
- 子どもが実際に何をしているかを見る。
- 家にある物も豊かな遊びになると覚えておく。
正解のある課題ではなく、誘いをひとつ用意しましょう。まず遊び方の決まっていない物を、それから安全でじょうぶな物を。子どもが試すのを待ってから、いちばん小さなヒントを。思わぬ遊び方をしても受けとめ、大人の目標まで引っぱらず、楽しいうちに終えましょう。
4つの目のつながり
遊び方の決まっていない物を選び、安全でじょうぶな素材にし、子どもが実際にどう遊ぶかを見て、家にある物も遊びになると思いだす。見本を見せたり、もっと高度な物を足したりする前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。
祖父母やほかの大人とも
おもちゃを買ってくれる祖父母などとは、最初のふたつ、「遊び方が決まっていない物」と「安全でじょうぶな物」だけでもそろえておくと、子どもの遊び場がぶれにくくなります。全員が同じものを選ぶ必要はありません。安全の基準はそろえて、遊びかたはそれぞれの持ち味で。
しばらく見てから判断する
買ったばかりの日や、たまたまぐずった日だけで決めず、ふつうの日に何度か遊ぶ様子を見てみましょう。どんな状況だったか、子どもの反応、家族への影響を、負担にならない程度に短くメモしておきます。
見なおすときは「子どもが実際に何をしているか」とくらべてみましょう。よく遊んで、安全だったものは残し、管理しきれないものは減らし、変えるのはひとつずつ。健康や安全、発達の心配があるなら、そちらの相談を先にしましょう。
大人の手の届く範囲
安全でじょうぶな物を選ぶとき、大人が決められるのは、時間、安全、何を出すか、そして自分がちゃんとこたえているかどうか。子どもが何を思いつくか、どのくらい集中するか、何を学ぶかは決められません。遊ばない、同じ遊びをくり返す、ちがう使いかたをする、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけにしましょう。
安全と、子どもの尊厳
窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、目の前の子どもと実際の物で確かめましょう。家にある物だから、おもちゃより安全とはかぎりません。家の物で遊ぶときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。物を危ないかたちで口に入れたり、息や肌に異変が出たりしたら、その場ですぐ中止しましょう。
楽しさが消えるとき
大人が正しい遊び方を教えようとする、探るかわりに多機能なおもちゃを買いたす、子どもが考える前に助ける、ひとつのおもちゃで遊ぶ時間の短さを発達のテストにする。こうしたことで、せっかくのおもちゃも生きなくなりがちです。
育っているしるし
同じ物で新しい遊び方を見つける、ごっこ遊びが広がる、だれかを遊びに誘う、ちょっとうまくいかなくてもがまんできる、あとで同じ遊びにもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。くり返しには意味があり、できるたびに新しいおもちゃを足す必要はありません。
専門家に相談したいとき
遊びの力がのびていかない、前はできたことができなくなった、何かを探ったり、いっしょに同じものを見たりすることがめったにない、身近な物を思ったように使えない、わかること、体を動かすこと、問題を解くことのむずかしさで暮らしが困っている。当てはまるときは、乳幼児健診の場や、かかりつけの小児科医、地域の保健師さんに相談してください。家でおもちゃを使って確かめるより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。
おもちゃ選びで覚えておきたいこと
めざすのは、高価な知育玩具をそろえることでも、完ぺきなおもちゃ部屋でもありません。遊び方の決まっていない、何度も使える物から始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。こうした一般的な話で答えが出ないときは、その子を見てくれる専門家にたずねてください。
ポイント: まずは「遊び方が決まっていない、何度も使える物」から。家族が続けられるやりかたにして、ときどき様子をふり返りましょう。
American Academy of Pediatrics, The power of play
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five