買い足さずにできる、おもちゃのローテーション

おもちゃのローテーションは「見えるところに少しだけ置く」ことから始まります。小さな子は、探る、くり返す、動く、想像する、困りごとを解く、という体験を、こたえてくれる人と重ねながら学んでいきます。大人の役目は、時間と安全と、子どもが自由に動かせる物をととのえること。どう遊ぶかを考えるのは子どもです。

ローテーションで何が変わるのか

目に入るおもちゃを減らすと、ごちゃごちゃした感じがへり、少ない物が見つけやすくなって、注意がよみがえることがあります。きっちりしたスケジュールも、たくさんのおもちゃもいりません。家にある物を足したり、組みあわせを変えたりするだけでも、遊びへの誘いかたが変わります。

実際のやりかた

お気に入りはいつでも出せるところに置き、ほかは安全にしまっておいて、SNSで見かける日程表ではなく、遊びぶりを見て入れかえましょう。こわれた物や、今の発達に合わず危ない物は、目新しさのためにもどすのではなく、思いきって手放します。

まず、遊びぶりを見る

どのおもちゃに手がのびるか、どう遊びはじめ、どこまで続け、遊び方を変えるか、助けを求めるか、思いをどう伝えるか。年齢、ことば、体の動き、感覚の好み、眠り、なれ具合で、反応はかなり変わります。最後のステップ「お気に入りの安心アイテムは残す」は、次の入れかえを支えるためのもの。ひとつのおもちゃで遊ぶ時間の長さを、発達の判定にしないでください。

ローテーションの4ステップ

  • 見えるところに少しだけ置く。
  • 残りは安全にしまう。
  • 決まった日程ではなく、興味を見て入れかえる。
  • お気に入りの安心アイテムは残す。

棚を「正しい遊び方」を教える場にせず、気になる物をいくつか並べておくだけにしましょう。少しだけ出し、残りはしまう。子どもが手にとって試すのを待ち、助けるならほんの少しだけ。予想外の組みあわせで遊んでも、それも遊びです。

ステップの流れ

少しだけ出して、残りはしまい、興味の移りかわりを見て入れかえ、ぬいぐるみやお気に入りのタオルのような安心アイテムはずっと残しておく。新しい物を出す前に、今あるもので子どもが次に何を思いつくか、少し待ってみましょう。

家族で共有するなら

祖父母やサポーターにも、「少しだけ出す」「残りはしまう」のふたつだけ伝えておけば、子どもの遊び場はぶれません。しまった物の置き場所を共有しておくと、だれでも入れかえられます。

しばらく試してから

入れかえた初日の反応だけで判断せず、ふつうの日をいくつか過ごしてから見てみましょう。どれがよく遊ばれたか、片づけがらくになったかを、軽くメモする程度でじゅうぶんです。

見なおすときは、「興味を見て入れかえる」ができていたかがものさしです。よく遊ばれた組みあわせは残し、管理がたいへんならしまう量を減らすなど、変えるのはひとつずつ。安全や発達に心配があるときは、そちらを先に相談しましょう。

大人の役目と、子どもの領分

しまう物を決め、安全をととのえ、何を出すかを選ぶのは大人です。でも、出したおもちゃで子どもが何を思いつくか、どのくらい夢中になるかは決められません。見むきもしない日も、同じ物ばかりの日もあっていいのです。手を出すのは、危ないときか、子どもが受けとめきれないほどイライラしているときだけで。

安全のために

窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、その子と実際の物で確かめましょう。家にある物を加えるときは、おもちゃより安全とはかぎらないと心得て。安心アイテムを残すときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。口への入れかたが危ないとき、呼吸や皮膚に症状が見られたときは、すぐに遊びをやめてください。

うまくいかなくなるとき

大人が遊び方を指示する、入れかえのたびに新しいおもちゃを買いたす、子どもが考える前に助ける、ひとつのおもちゃに飽きるのが早いことを発達の問題と考える。こうなると、ローテーションの良さが消えてしまいます。

変化の見かた

久しぶりに出したおもちゃで新しい遊び方を見つける、ごっこ遊びが広がる、家族を遊びに誘う、ちょっとした困りごとを自分で乗りこえる、前の遊びにまたもどってくる。そんな姿がうれしい変化です。同じ遊びのくり返しにも意味があります。

相談したいとき

遊びの育ちが止まっているように見える、できていたことができなくなってきた、探ることや注意の分かちあいがめったに見られない、身近な道具を思うように使えない、理解や体の動き、考える力のむずかしさで毎日が回らない。そんなときは、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、発達の専門家に相談を。家でいろいろ試すより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。

ローテーションの心がまえ

めざすのは、完ぺきに整ったおもちゃ棚でも、言うことを聞く子でもありません。見えるところに少しだけ置くことから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般論でわからないことは、ひとりで悩まず、お子さまを直接見てくれる人に相談しましょう。

ポイント: まずは「見えるところに少しだけ置く」。続けやすさを大切に、変わったことを確かめていきましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five