「たいくつ」「ひま」が口ぐせの子への接し方

「ひまー」と言われたら、まずは「すぐに楽しませずに、気持ちを受けとめる」ことから。幼い子どもは、そばでこたえてくれる人がいるなかで、探ったり、くり返したり、体を動かしたり、想像したり、困りごとを解いたりして学びます。大人は、時間と安全と、子どもが自分で動かせる物をととのえる係です。何をするか考えるのは子どもです。

「ひま」が意味していること

「たいくつ」は、心をつかむ思いつきがない、好きな画面が使えない、かまってほしい、始めるのがむずかしい、などいろいろな意味をもちます。大人は気持ちを受けとめつつ、ずっと楽しませ係になる必要はありません。

実際には

短いメニューを出す、最初の1分だけ手伝う、本物の家の仕事に誘う、そして一歩下がる。何もない時間があるからこそ、思いつきが生まれます。ただ、いろいろなことへの興味がなくなる、元気がない、不安が強い、といったつらさが見えるときは、もっと広い相談が必要です。

まず見ておきたいこと

何に目をひかれるか、どう始めるか、どこまで続けるか、やりかたを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。眠り、空腹、なれない場所でも「ひま」は増えます。最後のステップ「静かに考える時間を残す」は、次につなげるためのもの。一度きりの様子で、発達のよしあしを決めないでください。

「ひま」へのこたえかた4ステップ

  • すぐに楽しませずに、気持ちを受けとめる。
  • 大まかな始めかたをふたつ出す。
  • 遊び方の決まっていない物を手の届くところに置く。
  • 静かに考える時間を残す。

正解のある課題を出すのではなく、誘いをひとつ。まず「ひまなんだね」と受けとめ、「外で何かする?おうちで何かつくる?」と大まかなふたつを出します。子どもが自分で考えるのを待ってから、いちばん小さなヒントを。ちがうことを始めても受けとめましょう。

ステップの流れ

受けとめて、ふたつ出し、段ボール、紙、布など遊び方の決まっていない物を手の届くところに置き、最後は静かに考える時間をそのまま残しておく。あれこれ提案を足す前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。

祖父母やサポーターとも

祖父母や育児パートナーとは、「すぐに楽しませない」「ふたつだけ出す」のふたつをそろえておくと、子どもはだれといても同じように考える時間をもてます。ことばは、それぞれの言いかたでかまいません。

何日か様子を見る

とくに「ひま」が多かった日や、少なかった日だけで判断せず、ふつうの日に何度か様子を見てみましょう。どんなときに言うか、どう反応したかを、軽くメモする程度に。

見なおすときは、「遊び方の決まっていない物」がうまく使われたかとくらべます。役立ったことは残し、続けられないことはシンプルに、変えるのはひとつずつ。気持ちの落ちこみや発達に心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。

親にできること、できないこと

時間、安全、何を手の届くところに置くか、そして自分がちゃんとこたえているかは大人が決められます。でも、子どもが何を思いつくか、どのくらい集中するかは決められません。どれもやりたくない、同じことをくり返したい、ちがうことがいい、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。

安心して遊べるように

窒息、アレルギー、水、落ちる危険、ひも、毒性について、その子と使う物に合わせてチェックしておきましょう。家の物だからといって、おもちゃより安全だとはかぎりません。考える時間を残すときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。危ないかたちで物を口にふくんだとき、呼吸や肌に症状が出たときは、すぐに中止してください。

うまくいかなくなるとき

大人が楽しい遊びを全部用意してしまう、「ひま」のたびに新しいおもちゃを買う、子どもが考える前に答えを出す、一回のたいくつを発達のテストにする。こうなると、自分で遊びを見つける力は育ちにくくなります。

育ちの見かた

自分で新しい遊びを思いつく、ごっこ遊びが広がる、家族を誘う、少しのたいくつをがまんできる、前の遊びにまたもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。同じ遊びのくり返しにも意味があります。

気になる様子があるとき

遊ぶ力がなかなか育たない、できていたことができなくなった、探ることや注意を分かちあうことがほとんどない、身近な物を思うように使えない、理解、体の動き、問題を解く力のむずかしさが暮らしに影響している。そうしたら、乳幼児健診の場やかかりつけの小児科医、発達の専門家に相談しましょう。家で試して証明しようとするより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。

「ひま」とのつきあいかた

めざすのは、文句を言わない子でも、完ぺきな毎日でもありません。すぐに楽しませずに気持ちを受けとめるところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般的な情報でわからないことは、その子に合わせた専門家の評価にたよってください。

ポイント: まずは「すぐに楽しませずに、気持ちを受けとめる」。無理のない形で続け、変化をふり返りましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five