疲れた日でもできる、画面なしの遊び
疲れた日は「シール、絵本、水でお絵かき」くらいから選べばじゅうぶんです。子どもは、こたえてくれる大人のそばで、探り、くり返し、動き、想像し、困りごとを解きながら育っていきます。大人の役目は、時間と安全と物を用意すること。遊びを広げるのは子どもです。
元気がなくても、つながれる
テーブルでシールはり、おはなしの音声を聞きながらお絵かき、洗たく物分け、水だけで描くお絵かき、親のそばにおもちゃのかご。元気が出ない日の遊びでも、つながりは生まれます。大人が盛りあげ役をしたり、凝った工作を用意したりする必要はありません。
選ぶときに
その日にできる見守りで、子どもが安全に使える物を選びましょう。画面を使うことは子育ての失敗ではありません。でも、かんたんな代わりの遊びをいくつか持っておくと、家族の画面の使いかたを、ぜんぶかゼロかではなく、意識して選べるようになります。
その子の今を知る
どの遊びにのってくるか、どう始めるか、どこまで続けるか、やりかたを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。子どもの眠りや体調でも、のりかたは変わります。最後のステップ「盛りあげるより、安全な見守りを優先」は、親の体力を守るためのもの。一度きりの様子で、発達のよしあしを決めないでください。
疲れた日のための4つの選択肢
- シール、絵本、水でお絵かきから選ぶ。
- 床でピクニック、分けっこかごを試す。
- 本物の家の仕事をひとつだけ手伝ってもらう。
- 盛りあげるより、安全な見守りを優先する。
完成させる課題ではなく、誘いをひとつ。シールか絵本を出し、それから床にしいたタオルの上でおやつピクニック。子どもが自分で遊びを広げるのを待ち、手伝うならほんの少し。思わぬ遊び方をしても受けとめましょう。
選択肢のつながり
すわってできる遊びを出し、床ピクニックや、ボタンや靴下を分けるかごで少し変化をつけ、洗たく物たたみのような本物の仕事にひとつ誘い、親は横になっていても見守れる範囲で。新しい遊びを出す前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。
ほかの大人とも
育児パートナーとは、「シール、絵本、水でお絵かき」「床ピクニック」のような、疲れた日の定番をそろえておくと、どちらが見ていてもらくです。遊びかたはそれぞれの持ち味でかまいません。
何回か試してから
とくに疲れた日だけで判断せず、元気が出ない日を何度か過ごすなかで、どの遊びがらくだったかを軽くメモしてみましょう。
見なおすときは「本物の仕事をひとつ」がうまくいったかとくらべます。らくだったものは残し、準備がたいへんなものは外し、変えるのはひとつずつ。親自身の疲れが続く、気分の落ちこみが強いときは、かかりつけ医や地域の保健師さんに相談しましょう。
大人の役目と、子どもの領分
すわってできる遊びを選ぶとき、大人が決められるのは、時間、安全、物、そして自分の注意がちゃんとこたえているかどうか。子どもがどのくらい遊びつづけるか、何を思いつくかは決められません。やらない、同じことばかり、ちがう使いかた、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。
安全に遊ぶために
シールや小物によるのどにつまる物、アレルギー、水、転落、ひも、毒のある物の危険を、目の前の子と実際に使う物でひとつずつ確かめましょう。洗たく物分けや水遊びのような家の物も、おもちゃより安全とはかぎりません。疲れた日ほど、見守りを注意の連続にせず、目の届く範囲で遊ばせることが大切です。口への入れかたが危ないとき、呼吸や皮膚に症状が見られたときは、すぐに遊びをやめてください。
楽しさが消えるとき
疲れているのに完ぺきな遊びを用意しようとする、新しい道具を買いたす、子どもが考える前に手を出す、ひとつの遊びがすぐ終わることを発達の問題と考える。こうなると、疲れた日がもっとつらくなってしまいます。
うれしい変化
いつもの物で新しい遊びを見つける、ごっこ遊びに広げる、親を遊びに誘う、ちょっと待てる、あとで同じ遊びにもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。同じ遊びのくり返しにも意味があります。
もう少し支えがほしいとき
遊びの育ちが止まっているように見える、できていたことができなくなってきた、探ることや注意の分かちあいがめったに見られない、身近な道具を思うように使えない、理解や体の動き、考える力のむずかしさで毎日が回らない。そんなときは、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、発達の専門家に相談しましょう。家と園など、いくつかの場面での具体的なエピソードを持っていくと伝わりやすくなります。
疲れた日に覚えておきたいこと
めざすのは、いつも元気な親でも、完ぺきな一日でもありません。シール、絵本、水でお絵かきから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般論でわからないことは、ひとりで悩まず、お子さまを直接見てくれる人に相談しましょう。
ポイント: まずは「シール、絵本、水でお絵かき」から。続けやすさを大切に、変わったことを確かめていきましょう。
American Academy of Pediatrics, The power of play
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five