遊び方や発達が気になるとき、相談の目安
遊び方が気になったら、まず「いくつかの場面で見る」ことから。小さな子は、探る、くり返す、動く、想像する、困りごとを解く、という体験を、こたえてくれる人と重ねながら学びます。大人がととのえるのは時間と安全と物。遊びを考えるのは子どもで、その姿に親が気づくことには大きな意味があります。
相談したほうがいいとき
遊ぶ力がなかなか育たない、できていたことができなくなった、探ることや注意を分かちあうことがほとんどない、身近な物を思うように使えない、理解や問題を解く力のむずかしさが毎日の暮らしに影響している。そんなときは、発達について相談しましょう。
相談するときに
いくつかの場面での具体的な例を持っていき、聞こえ、見えかた、体の動き、ことば、体調についての気づきもそえましょう。発達の目安のリストは質問を整理するのに役立ちますが、原因を診断することはできません。親の心配は、乳幼児健診やかかりつけの小児科医、地域の保健師さんにスクリーニングや評価をお願いする、ちゃんとした理由になります。
まずは、よく見ることから
何に目をひかれるか、どう遊びはじめるか、どこまで続けるか、やりかたを変えるか、助けを求めるか、思いをどう伝えるか。年齢、ことば、体の動き、感覚の好み、眠り、なれ具合で遊びかたは変わります。最後のステップ「できていたことができなくなったら、すぐに動く」は、とても大切です。ひとつの遊びや集中の長さだけで、発達を判定しないようにしましょう。
相談の前の4ステップ
- いくつかの場面で見る。
- 具体的な例を記録する。
- 聞こえ、見えかた、伝えあうことについての質問も確かめる。
- できていたことができなくなったら、すぐに動く。
家でテストをするのではなく、ふだんの遊びをひとつ見まもりましょう。家、園、祖父母の家など、いくつかの場面で見て、具体的な例を書きとめます。子どもが自分で試すのを待ち、ヒントはいちばん小さく。ちがう遊び方をしても、それも大切な情報です。
ステップのつながり
いくつかの場面で見て、例を記録し、聞こえや見えかた、ことばの質問も確かめ、できていたことが消えたと気づいたら、待たずにすぐ相談する。家でむずかしい課題を出して確かめるより、ふだんの姿をそのまま伝えましょう。
ほかの大人とも
園の先生や祖父母、育児パートナーとも、「いくつかの場面で見る」「具体的な例を記録する」のふたつを共有しておくと、相談のときに全体の様子が伝わりやすくなります。見かたはそれぞれでかまいません。
しばらく見てから、まとめる
とくに気になった一日だけで判断せず、ふつうの日をいくつか見て、どんな状況で、どんな様子だったかを短くメモしましょう。記録が新しいプレッシャーにならない程度に。
まとめるときは「聞こえ、見えかた、伝えあうこと」の質問ともくらべます。わかりやすくなったことは残し、続けられない記録はシンプルに。ただし、できていたことができなくなった、健康や安全に心配がある、というときは、記録がそろうのを待たずに、まず専門家に相談してください。
まかせるところ、ととのえるところ
具体的な例を記録するとき、大人が決められるのは、時間、安全、物、そして自分の注意がちゃんとこたえているかどうか。子どもがどんな遊びを思いつくか、どのくらい集中するかは決められません。やらない、同じことばかり、ちがうやりかた、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。
見守りと安全
のどにつまる物、アレルギー、水、転落、ひも、毒のある物の危険を、目の前の子と実際に使う物でひとつずつ確かめましょう。身近な物でも、おもちゃより安全とは言いきれません。急いで相談に動くときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。危ないかたちで口に入れたとき、息や肌に症状が出たときは、すぐにやめてください。
楽しさが消えるとき
大人が「できるはず」の結果をつくろうとする、発達によいとされる教材を買いこむ、子どもが試す前に助ける、一回の遊びや短い集中を発達のテストにする。こうなると、本当の姿が見えにくくなります。
変化に気づくには
新しいやりかたを試す、ごっこ遊びがしなやかになる、だれかを誘う、ちょっとした困りごとをがまんできる、あとで同じ遊びにもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。同じことのくり返しにも意味があるので、できたらすぐむずかしくしなくて大丈夫です。
もっと支えがほしいとき
遊ぶ力が育たない、できていたことができなくなった、探ることや注意を分かちあうことがほとんどない、身近な物を思うように使えない、理解、体の動き、問題を解く力のむずかしさが暮らしに影響している。その場合は、地域の保健師さんやかかりつけの小児科医、発達の専門家に早めに相談しましょう。家でのテストで心配を証明しようとするより、いくつかの場面の具体的な例を持っていくほうが伝わります。
親の気づきを、相談につなげる
めざすのは、目安どおりに育つ子でも、完ぺきな毎日でもありません。いくつかの場面で見るところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。ここに書いたことでわからない部分は、お子さま本人を見てもらえる専門家の評価にまかせましょう。
ポイント: まずは「いくつかの場面で見る」。できる範囲で続けて、何が変わったか見てみましょう。
American Academy of Pediatrics, The power of play
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five