家にある物でできる、分ける遊び
分ける遊びは「わかりやすい特徴ひとつで分ける」ところから始めましょう。幼い子どもは、そばでこたえてくれる人がいるなかで、探ったり、くり返したり、体を動かしたり、想像したり、困りごとを解いたりして学びます。大人にできるのは、時間と安全と材料をととのえるところまで。分けかたを考えるのは子どもです。
分ける遊びで育つもの
分けることで、子どもは色、大きさ、使いみち、手ざわり、あるいは自分で考えたルールなど、物の特徴に気づき、なかまの理由を話すようになります。同じ物がいくつものグループに入れるので、ひとつの正しい並べかたを押しつけるより、子どもの考えた理由を話しあうほうがずっと価値があります。
はじめかた
靴下、ふた、スプーンのような大きくて安全な物を使い、しっかり見守りましょう。のどにつまる小さな物、薬、洗剤は遊びに入れないこと。最初はわかりやすいふたつのグループから始め、それからまぎらわしい物を足していきます。
最初に、様子を見る
どんな物に手がのびるか、どう分けはじめるか、どこまで続けるか、ルールを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。年齢やことば、なれ具合で分けかたは変わります。最後のステップ「小さな物は遠ざける」は、安全を守るためのもの。一回の分けかたで発達を判定しないようにしましょう。
分ける遊びの4ステップ
- わかりやすい特徴ひとつで分ける。
- 子どもにルールを考えてもらう。
- 「どこが同じ?」と聞く。
- のどにつまる小さな物は遠ざける。
課題を出すのではなく、さそいかけをひとつ用意しましょう。最初は「赤い靴下と白い靴下」のように特徴ひとつで、それから子どもに分けかたを考えてもらいます。子どもが試すのを待ち、ヒントはいちばん小さく。大人とちがう分けかたでも、理由を聞いてみましょう。
ステップのつながり
特徴ひとつで分け、子どものルールにまかせ、「どこが同じ?」と理由を聞き、いつも小さな物と危ない物は遠ざけておく。グループを増やす前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。
いっしょに見る人と共有する
祖父母やサポーターとは、「特徴ひとつで」「子どものルールも認める」のふたつをそろえておけば、子どもはだれとでも楽しめます。使っていい物と使わない物の区別は、全員で同じに。
何回か遊んでから
とくにうまく分けられた日や、まったくのらなかった日だけで判断せず、ふつうの日に何度か遊んでみましょう。どんなルールで分けたかを、軽くメモするとおもしろい記録になります。
見なおすときは「どこが同じ?」の問いかけにどうこたえたかとくらべます。楽しめた分けかたは残し、むずかしすぎたら特徴ひとつにもどし、変えるのはひとつずつ。発達に心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。
親にできること、できないこと
子どもにルールを考えてもらうとき、大人が決められるのは、時間、安全、どの物を出すか、そして自分がちゃんとこたえているかどうか。子どもがどんなルールを思いつくか、どのくらい続けるかは決められません。分けない、同じ分けかたばかり、思わぬルール、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。
安心して遊べるように
窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、その子と実際の物で確かめましょう。家にある物がおもちゃより安全とはかぎらず、ボタンや硬貨、薬、洗剤はとくに遠ざけて。小さな物を遠ざけるときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。危ないかたちで物を口にふくんだとき、呼吸や肌に症状が出たときは、すぐに中止してください。
よくあるつまずき
大人が「正しい分けかた」に直してしまう、分類用の教材を買いたす、子どもが考える前に答えを言う、一回の分けかたを発達のテストにする。こうなると、考える楽しさが消えてしまいます。
育っているしるし
新しいルールを考える、ごっこ遊びのお店やさんで分ける、家族を誘う、まぎらわしい物に少し迷いながらも決められる、あとでまた分けたがる。そんな姿が育ちのしるしです。同じ分けかたのくり返しにも意味があります。
相談したいとき
遊ぶ力がなかなか育たない、できていたことができなくなった、探ることや注意を分かちあうことがほとんどない、身近な物を思うように使えない、理解、体の動き、問題を解く力のむずかしさが暮らしに影響している。そんなときは、ひとりで抱えずに、かかりつけの小児科医や保健師さん、発達の専門家をたよりましょう。いくつかの場面の具体的な様子を伝えると役立ちます。
分ける遊びで大切なこと
めざすのは、きれいに分類できる子でも、完ぺきな毎日でもありません。わかりやすい特徴ひとつで分けるところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般的な情報でわからないことは、その子に合わせた専門家の評価にたよってください。
ポイント: まずは「わかりやすい特徴ひとつで分ける」。無理のない形で続け、変化をふり返りましょう。
American Academy of Pediatrics, The power of play
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five