積み木遊びで子どもが学ぶこと
積み木遊びは「床で遊ぶ時間をたっぷりとる」ことから。こたえてくれる人といっしょに、探って、くり返して、動いて、想像して、困りごとを解く。それが、小さな子の学びかたです。大人がととのえるのは時間と安全と積み木。何をつくるかは子どもが考えます。
積み木から学ぶこと
積み木では、バランス、高さ、囲む形、模様、そして「これはおうち」という見立てを、何度でも試せます。子どもはつくりながら計画し、だれかと話しあい、つくったものを説明するので、学びは手先の力や形の名前をはるかにこえています。
かかわりかた
年齢に合った安定した積み木と、床のスペースを用意し、見本どおりにつくらせるのではなく、子どもの工夫についてことばにしましょう。たおれた塔は大切な手がかり。くずれたことを失敗としてあつかわずに、もう一度つくるのを手伝います。
始める前の観察
どの積み木に手がのびるか、どう始めるか、どこまで続けるか、つくりかたを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。年齢、手の動き、眠り、なれ具合でつくるものは変わります。最後のステップ「片づけの前に、必要なら写真をとる」は、次につなげるためのもの。一回の作品で発達を判定しないようにしましょう。
積み木遊びの4つのコツ
- 床で遊ぶ時間をたっぷりとる。
- つくったものを、評価せずにことばにする。
- 安定するかどうかを、声に出してふしぎがる。
- 片づけの前に、必要なら写真をとる。
見本のある課題ではなく、誘いをひとつ。床に時間とスペースをつくり、「高いね」「ここはトンネル?」と評価せずに実況します。子どもが試すのを待ち、助けるならほんの少し。思わぬ形になっても受けとめましょう。
コツのつながり
時間をとり、ことばにし、「この塔、どうしたらたおれないかな」とふしぎがり、気に入った作品は写真に残してから片づける。むずかしい形を見せる前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。
大人どうしで合わせること
祖父母やきょうだいとも、「床の時間をとる」「評価せずにことばにする」のふたつをそろえておけば、子どもは安心してつくれます。いっしょに遊ぶスタイルはそれぞれでかまいません。
何回か遊んでから
とても集中した日や、すぐ投げだした日だけで判断せず、ふつうの日に何度か様子を見ましょう。どんなものをつくったかを、写真で残しておくのもおすすめです。
見なおすときは「安定するかどうか」の問いかけにどう反応したかとくらべます。楽しめたことは残し、続けられないことはシンプルに、変えるのはひとつずつ。手の動きや発達に心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。
大人の手の届く範囲
ことばにするとき、大人が決められるのは、時間、安全、積み木、そして自分がちゃんとこたえているかどうか。子どもが何をつくるか、どのくらい続けるかは決められません。つくらない、同じ形ばかり、思わぬ使いかた、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。
気をつけたいこと
小さな積み木による窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、その子と実際の積み木で確かめましょう。家にある物を積むなら、おもちゃより安全とはかぎりません。高い塔は顔の近くでくずれないように。写真をとるときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。口に入れて危険な様子があるとき、息や肌に変化が出たときは、すぐに手を止めましょう。
うまくいかなくなるとき
大人が見本どおりにつくらせる、凝ったセットを買いたす、子どもが考える前に直してしまう、一回の作品を発達のテストにする。こうなると、積み木の豊かさが消えてしまいます。
こんな姿が見えたら
新しいつくりかたを試す、ごっこ遊びの舞台にする、家族を誘う、たおれてもまたつくれる、前の作品の続きをしたがる。そんな姿が育ちのしるしです。同じ形のくり返しにも意味があります。
専門家に聞いてみたいとき
遊びの力がのびていかない、前はできたことができなくなった、何かを探ったり、いっしょに同じものを見たりすることがめったにない、身近な物を思ったように使えない、わかること、体を動かすこと、問題を解くことのむずかしさで暮らしが困っている。こうしたことに気づいたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、発達にくわしい専門家に伝えてください。家と園など、いくつかの場面での具体的なエピソードを持っていくと伝わりやすくなります。
積み木遊びで大切なこと
めざすのは、立派な作品でも、完ぺきな毎日でもありません。床の時間をたっぷりとるところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。こうした一般的な話で答えが出ないときは、その子を見てくれる専門家にたずねてください。
ポイント: まずは「床で遊ぶ時間をたっぷりとる」。家族が続けられるやりかたにして、ときどき様子をふり返りましょう。
American Academy of Pediatrics, The power of play
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five