2歳前後の子と楽しむ、かんたんな「考える」遊び

考える遊びは「入れ物、ふた、坂、合わせる遊び」を出すところから始められます。小さな子の学びは、反応を返してくれる人といっしょの、探る、くり返す、動く、想像する、困りごとを解く、という体験から生まれます。親が用意するのは、時間と、安全と、さわれる物。解きかたを考えるのは子どもです。

どんな問題がいいのか

役に立つ問題は、目に見えていて、がんばれば解けるものです。布の下からおもちゃをとりだす、どのふたが合うか選ぶ、ボールがころがる道をつくる。学びは答えを出すことだけでなく、試して、直して、助けを求めるところにあります。

実際には

今らくにできることの少し上の挑戦をひとつ出し、助ける前に待って、必要ならいちばん小さなヒントを。イライラが学びをのみこむ前にやめましょう。物は大きく、安定していて、口に入れても安全なものにします。

まず見ておきたいこと

どの問題に手がのびるか、どう始めるか、どこまで粘るか、やりかたを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。年齢、ことば、手の動き、眠り、なれ具合で、取りくみかたは変わります。最後のステップ「速さより、試したことをほめる」は、次につなげるためのもの。一回の結果で発達を判定しないようにしましょう。

考える遊びの4つのコツ

  • 入れ物、ふた、坂、合わせる遊びを出す。
  • 答えを出す前に、ひと呼吸待つ。
  • 「ほかには、どうしたらいいかな」と聞く。
  • 速さより、試したことをほめる。

正解のある課題ではなく、誘いをひとつ。ふたつきの入れ物や、ボールをころがす坂を出し、答えを出す前にひと呼吸。子どもが試すのを待ち、ヒントはいちばん小さく。思わぬ解きかたでも受けとめ、楽しいうちに終えましょう。

コツのつながり

問題を出し、待って、「ほかには?」と聞き、できたかどうかより、いろいろ試したことをほめる。むずかしくする前に、子どもの次の工夫を待ちましょう。

祖父母やサポーターとも

祖父母や育児パートナーとは、「問題になる物を出す」「答える前に待つ」のふたつをそろえておけば、子どもはだれとでも考える時間をもてます。声のかけかたはそれぞれでかまいません。

何回か試してから

とてもよくできた日や、すぐに投げだした日だけで判断せず、ふつうの日に何度か試してみましょう。どの問題にどう取りくんだかを、軽くメモする程度に。

見なおすときは「ほかには?」の声かけがうまく働いたかとくらべます。夢中になれた問題は残し、むずかしすぎたら一段やさしく、変えるのはひとつずつ。発達に心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。

大人が決められること、決められないこと

待つとき、大人が決められるのは、時間、安全、どの問題を出すか、そして自分がちゃんとこたえているかどうか。子どもがどう解くか、どのくらい粘るかは決められません。やらない、同じ問題をくり返す、思わぬやりかた、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。

けがを防ぐために

窒息、アレルギー、水、落ちる危険、ひも、毒性について、その子と使う物に合わせてチェックしておきましょう。台所の入れ物やふたも、おもちゃより安全とはかぎりません。ほめるときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。物を口に入れて危ないと感じたとき、息や肌の様子がおかしいときは、迷わずすぐにやめましょう。

せっかくの工夫がくずれるとき

大人が答えを見せてしまう、むずかしい知育おもちゃを買いたす、考える前に助ける、一回の取りくみや短い集中を発達のテストにする。こうなると、考える楽しさが育ちにくくなります。

育ちの見かた

新しい解きかたを試す、ごっこ遊びに取りいれる、大人に「見て」と誘う、ちょっとうまくいかなくてもがまんできる、あとで同じ問題にもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。くり返しには意味があり、できるたびにむずかしくする必要はありません。

ひとりで抱えないで

遊びがなかなか広がらない、できていたことをしなくなった、物を探ったり、人と同じものを見たりすることが少ない、身近な物を期待されるように使えない、わかること、動くこと、考えることのむずかしさが暮らしに差しさわっている。当てはまるときは、乳幼児健診の場や、かかりつけの小児科医、地域の保健師さんに相談してください。家で問題を出して確かめるより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。

考える遊びで大切なこと

めざすのは、すぐに正解する子でも、完ぺきな毎日でもありません。入れ物やふた、坂を出すところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般的な目安で判断がつかないときは、専門家にその子自身を見てもらうのがいちばんです。

ポイント: まずは「入れ物、ふた、坂、合わせる遊び」から。続けられる形にして、何が変わったかをふり返りましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five