よごれるのが苦手な親のための、どろんこ遊び

よごれが苦手でも大丈夫。まずは「トレーか洗えるマットを使う」ことから。小さな子の学びは、反応を返してくれる人といっしょの、探る、くり返す、動く、想像する、困りごとを解く、という体験から生まれます。大人がととのえるのは時間と安全と、子どもがさわれる物。どうさわるかを考えるのは子どもです。

よごれは目的ではない

大切なのはよごすことではなく、探ることです。トレー、洗える面、少ない量、はっきりした終わりがあれば、注ぐ、ぬりたくる、まぜる、といった体験はそのままに、家や大人が際限ないちらかりにがまんする必要はありません。

実際には

最初は、乾いた物や片づけやすい物から。年齢に合ったお片づけを子どもにも手伝ってもらい、大人のイライラが勝つ前にやめましょう。ゆずれない家のルールがあっても、範囲を決めた遊びは、ちゃんと本物の遊びです。

見まもりのポイント

何に手をのばすか、どうさわりはじめ、どこまで続けるか、やりかたを変えるか、助けを求めるか、どう伝えるか。感触の好みは子どもによって大きくちがい、べたべたが苦手な子もいます。最後のステップ「お片づけをひとつ教える」は、次も楽しく遊ぶためのもの。一回の様子で発達を判定しないようにしましょう。

よごれをおさえる4つの工夫

  • トレーか洗えるマットを使う。
  • 量は少しだけ出す。
  • 片づけの前にお風呂、の順番にする。
  • お片づけをひとつだけ教える。

「上手につくる」授業ではなく、さわってみたくなる誘いをひとつ。まずトレーやマットをしき、量は少しだけ。子どもが自分で試すのを待ち、助けるならほんの少し。思わぬさわりかたをしても受けとめ、楽しいうちに終えましょう。

工夫の流れ

トレーをしき、少しだけ出し、遊んだあとはお風呂で体を洗ってから部屋を片づけ、最後にひとつだけお片づけを子どもにまかせる。量を増やす前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。

家族でそろえること

サポーターや祖父母とは、「トレーかマット」「少しだけ」のふたつをそろえておけば、だれといても安心して遊べます。片づけの言いかたまで同じでなくてかまいません。安全のルールはそろえて。

何回か試してから

とくにちらかった日や、とくにうまくいった日だけで判断せず、ふつうの日に何度か試してみましょう。どの素材が片づけやすかったか、子どもの反応、家族の負担を、軽くメモする程度に。

見なおすときは「お風呂の前に遊ぶ」順番がうまく働いたかとくらべます。らくだった工夫は残し、続けられないことはシンプルに、変えるのはひとつずつ。健康や発達に心配があるときは、まず専門家に相談しましょう。

大人が決められること、決められないこと

量、場所、時間、安全、そして自分がちゃんとこたえているかは大人が決められます。でも、子どもがどうさわるか、どのくらい夢中になるかは決められません。さわりたくない、同じことをくり返したい、ちがうやりかたがいい、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけに。

けがを防ぐために

窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、その子と実際の素材で確かめましょう。小麦粉粘土や食べ物を使うならアレルギーに注意し、家にある物がおもちゃより安全とはかぎりません。お片づけを教えるときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。物を口に入れて危ないと感じたとき、息や肌の様子がおかしいときは、迷わずすぐにやめましょう。

楽しさが消えるとき

大人がきれいな作品をつくろうとする、探るかわりに道具を買いそろえる、子どもが試す前に手を出す、一回のさわりかたを発達のテストにする。こうなると、遊びのよさが消えてしまいます。

成長のサイン

新しいさわりかたを試す、ごっこ遊びに使う、家族を誘う、手がよごれても少しがまんできる、あとでまた同じ素材で遊びたがる。そんな姿が育ちのしるしです。くり返しには意味があり、毎回新しい素材を用意する必要はありません。

もう少し支えがほしいとき

遊びがなかなか広がらない、できていたことをしなくなった、物を探ったり、人と同じものを見たりすることが少ない、身近な物を期待されるように使えない、わかること、動くこと、考えることのむずかしさが暮らしに差しさわっている。そんなときは、かかりつけの小児科医か地域の保健師さん、発達の専門家にひと声かけてください。家で試して証明しようとするより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。

よごれとの、ちょうどいいつきあいかた

めざすのは、なんでも受けいれる親でも、完ぺきな毎日でもありません。トレーかマットを使うところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。一般的な目安で判断がつかないときは、専門家にその子自身を見てもらうのがいちばんです。

ポイント: まずは「トレーか洗えるマットを使う」。続けられる形にして、何が変わったかをふり返りましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five