ひとり遊びを育てるには:そばにいながら少しずつ

最初の一歩は「少しつながってから、一歩下がる」こと。子どもは、こたえてくれる大人のそばで、探り、くり返し、動き、想像し、困りごとを解きながら育っていきます。時間と安全と、子どもが手を出せる物をととのえるのが大人の役目。何をするか考えて頭を使うのは、子ども自身です。

結論から言うと

ひとり遊びは、急に離れることではなく、安心できるつながりと、無理のない練習から育ちます。続けられる時間は、年齢、気質、なれ具合、おなかのすき具合、親が見えるところにいるかどうかで変わるので、タイマーのひとつの目標は発達の基準にはなりません。

実際には

少しいっしょに遊んでから始め、手に取りやすい物を少しだけ出して、洗たく物をたたむなど、予想できる作業をしながらそばにいましょう。「すぐもどるね」と言ったら、そのとおりにもどること。距離や時間はゆっくりのばし、子どもに自分の見守りをさせないようにします。

まずは、よく見ることから

何に目をひかれるか、どう遊びはじめるか、どこまで続けるか、遊び方を変えるか、助けを求めるか、思いをどう伝えるかを見てみましょう。年齢、ことば、体の動き、感覚の好み、眠り、なれ具合でかかわりかたは変わります。最後の手順「うまくいっているうちに終える」は、次を支えるためのもの。一回の遊びや集中の長さで、発達を判定しないようにしましょう。

ひとり遊びを育てる4つのステップ

  • 少しつながってから、一歩下がる。
  • 現実的な数分から始める。
  • 最初はそばにいる。
  • うまくいっているうちに終える。

課題を出すのではなく、さそいかけをひとつ用意しましょう。まず少しつながってから一歩下がり、数分から始めます。子どもが自分で試せるくらい待ってから、いちばん小さなヒントを。思わぬ遊びに移っても受けとめ、大人の目標の時間まで引っぱらず、うまくいっているうちに終えましょう。

ステップのつながり

つながってから下がり、数分から始め、最初はそばにいて、うまくいっているうちに終える。もっと離れたり時間をのばしたりする前に、子どもの次の思いつきを待ちましょう。

ほかの大人とそろえること

育児パートナーや祖父母、サポーターとは、最初のふたつ、「つながってから下がる」と「数分から始める」だけそろえておけば、子どもはだれといてもわかりやすいかかわりを受けとれます。全員が同じことばである必要はありません。安全のルールはそろえて、遊びかたはそれぞれの持ち味で。

何日か続けてから見なおす

とくにうまくいった日や、べったりだった日だけで判断せず、ふつうの日に何度か試してみましょう。どんな状況だったか、子どもの反応、家族への影響を、負担にならない程度に短くメモしておきます。

見なおすときは「最初はそばにいる」がうまく働いていたかとくらべてみましょう。安心して遊べたことは残し、続けられないことはシンプルに、変えるのはひとつずつ。健康や安全、発達の心配があるなら、そちらの相談を先にしましょう。

決めるのは大人?子ども?

数分から始めるとき、大人が決められるのは、時間、安全、どんな物を出すか、そして自分の注意がちゃんとこたえているかどうか。子どもの思いつき、集中の長さ、何を学ぶかは決められません。いやだ、同じことをもう一回、ちがう遊び、を受けいれる余地を残し、手を出すのは危険があるときか、受けとめきれないほどのイライラがあるときだけにしましょう。

安全と、子どもの尊厳

窒息、アレルギー、水、転落、ひも、毒性の危険を、目の前の子どもと実際の物で確かめましょう。身近な物でも、おもちゃより安全とは言いきれません。うまくいっているうちに終えるときも、見守りを注意の連続にしないことが大切です。危ないかたちで物を口に入れたとき、息や肌に症状が出たときは、すぐにやめてください。

せっかくの工夫がくずれるとき

大人が遊びの結果をつくろうと取ってかわる、探るかわりに複雑なおもちゃを買う、子どもが考える前に助けてしまう、一回の遊びや短い集中を発達のテストにする。こうしたことで、ひとり遊びはかえって育ちにくくなります。

変化に気づくには

新しい遊び方を試す、ごっこ遊びがしなやかになる、だれかを遊びに誘う、ちょっとした困りごとをがまんできる、あとで同じ遊びにもどってくる。そんな姿が育ちのしるしです。くり返しには意味があり、できるたびに離れる時間をのばす必要はありません。

専門家に相談したいとき

遊ぶ力がなかなか伸びない、一度できたことが消えてしまった、探ることや、親と同じものに注意を向けることがほとんどない、身近な物をふつうに使えない、理解、動き、問題解決のむずかしさが暮らしに響いている。こうしたことに気づいたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、発達にくわしい専門家に伝えてください。家で試して心配を証明しようとするより、いくつかの場面の具体的な様子を伝えるほうが役立ちます。

ひとり遊びを育てるうえで覚えておきたいこと

めざすのは、ずっとひとりで遊べる子でも、完ぺきな毎日でもありません。少しつながってから一歩下がるところから始め、つながりと安全を守り、長い目で見まもりましょう。記事で答えきれないことは、その子に合わせた専門家の見立てを頼りにしてください。

ポイント: まずは「少しつながってから、一歩下がる」。毎日の暮らしにはまる形にし、変化に目を向けましょう。

American Academy of Pediatrics, The power of play

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five