偏食はどこから相談したほうがいい?受診の目安
「好き嫌いはそのうち治るよ」と言われても、本当に様子を見ていていいのか迷うことがありますね。相談するかどうかを考えるなら、まずは体重、元気さ、食べられる物の数を書きとめておくことから始めましょう。食べることには、食欲、栄養、口の動き、感覚、食卓の雰囲気がかかわっています。大人の役目は、安全でほどよくバランスのとれた物を決まった時間に用意すること。食べるか、どれだけ食べるかは子どもにまかせます。医師に個別の指示をもらっているなら、そちらに従ってください。
相談したいサイン
食べられる物がどんどん減っていく、体重の伸びや栄養に影響が出ている、食べるときに痛がる、強くこわがる、食感がなかなか進まない、食事がとても長くかかる。せきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声があって飲みこみにくさが疑われる。こうしたときは相談しましょう。
受診のときに
食べられる物、飲みもの、食感、症状、体重の心配を短くまとめて、医師や食べることの専門家に見せましょう。食べられる物が極端に少なくなるまで待つ必要はありません。暮らしへの影響や保護者の心配は、それだけで相談する意味のある理由です。
はじめに見ておきたいこと
数日分の食事をまとめて、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛がる、便秘、むせる、のどにつまりかける、飲みこんだあと声がゴロゴロする、発疹、吐く、といったことも記録します。こうしたサインは、知らない物へのふつうの警戒とは違う対応が必要です。食事の記録を医師に見せるという最後のステップがあると、こうした違いを伝えやすくなります。
相談の前に4つ
- 体重、元気さ、食べられる物の数をメモする。
- せきこみ、のどにつまりかける、痛がる、吐くといった様子に気をつける。
- 感覚の苦痛や不安の強さを、軽く見ない。
- 食事の記録を、医師に見せる。
記録は小さく始めましょう。まずは体重と元気さ、食べられる物の数をメモし、次にせきこみや痛がる様子を書き足します。母子健康手帳の成長曲線のページに、測った体重を書きこんでおくのも役に立ちます。大人のコメントは淡々と。おなかいっぱい、いや、というサインが見えたら切りあげましょう。かけひきなしでお皿を下げ、次の決まった時間にまたバランスのよい物を。
4つのつながり
体重と食べられる物の数を記録し、せきこみや痛みに気をつけ、感覚の苦痛や不安を軽く見ず、記録を持って医師に相談する。食事をやめたいときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。
家族や保育園と
祖父母や保育園にも、「食べられる物と体重をメモしている」「せきこみや痛がる様子に気をつけている」と伝え、気づいたことを教えてもらいましょう。言いかたは違ってかまいません。いすの位置、窒息しやすい物への注意、やめどきの合図、ごちそうさまの流れは、誰がみていても同じに。
記録をふり返る
メモは1日で判断せず、ふつうの日を何日か重ねてみましょう。状況、子どもの反応、家族の負担をひと言書く程度で十分です。記録がプレッシャーにならないように。
ふり返りでは、感覚の苦痛や不安にも目を向けられているかを確かめます。安全に、わかりやすく食卓に参加できた工夫は続け、続けにくいことは簡単にし、変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、工夫を続けるより先に受診を。
大人にできること
せきこみや痛がる様子に気をつけるのは、大人の側の役目です。出すもの、食べる時間と場所、調理、見守りを決めるのは大人。おなかのすき具合と、食べるかどうかを決めるのは子どもの体です。役割を分けておくと食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題がごほうびで隠れずに見えてきます。
安全と、子どもの尊厳
記録を医師に見せることと合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。のどがつまって息ができないときや、ひどいアレルギー反応のときは、ためらわず119番に。体重の増え、水分、痛み、飲みこみが気になるときは、早めに医療者へ。
見落としやすいこと
記録をつけていても、「あと一口」とせかす、同じ食事で代わりを次々出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのは全部わがままだと決めつける。こうしたことで、本当のサインが見えにくくなります。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得を強めるのではなく、評価を受けることが必要です。
よい変化の見かた
心配な偏食が上向くときは、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化が見られます。何週間かで見ていきましょう。ただし体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの安全に心配があるなら、待たずに受診してください。
相談先と、相談していい理由
体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事が成り立たないほどの苦痛。こうしたときは、かかりつけの小児科医、栄養士、言語聴覚士など食べることの専門家に相談しましょう。小さな子は食べるときの感覚を説明できません。「親の気のせいかも」と思わずに、聞いてみてください。
覚えておきたいこと
目標は、言われたとおりに食べる子や、完璧な食卓ではありません。体重と食べられる物を記録することから始め、つながりと安全を守り、変化の向きを長い目で見ていきましょう。一般的な情報では答えが出ないとき、その子をみてもらうことが次の一歩です。
ポイント: 迷ったら、まず体重と食べられる物を記録して。それを持って相談しましょう。