子どもが少食で心配なとき、食卓でできること
お茶わんのごはんを三口食べて「ごちそうさま」。せっかく作ったおかずも、ほとんど手つかず。そんな日が続くと不安になりますね。まずは、はじめの一皿を子ども用の少ない量にするところから考えてみましょう。食べることには、食欲、栄養、口の動き、感覚で学ぶこと、そして食卓の空気がかかわっています。大人の役目は、安全でほどよくバランスのとれた食事を決まった時間に用意すること。食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。ただし、医師から個別の食事の指示が出ている場合は、そちらに従ってください。
まず知っておきたいこと
小さな子の食欲は、成長のペース、体を動かした量、体調、牛乳やおやつの量で大きく変わります。量は少なめに盛り、1食ではなく数日単位で見てみましょう。お昼にほとんど食べなかった子が、夕方や翌日にしっかり食べて帳尻を合わせることはよくあります。大人が追いかけて食べさせなくても大丈夫です。
毎日の食卓では
食事とおやつの時間をおおよそ決め、「ここでおしまい」がわかる終わりかたにしましょう。体重が増えない、脱水っぽい、痛がる、ぐったりしている、飲みこみにくそう、大きな変化が長く続く。こうしたときは、大人と同じ量を食べさせようとがんばるのではなく、医師に相談してください。
はじめに見ておきたいこと
何日かまとめて、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重の増え、元気さ、水分のとり具合、食事のときの気持ちを見てみましょう。痛がる、便秘、せきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐くといった様子もメモしておきます。こうしたサインは、知らない食べものへのふつうの用心とは違う対応が必要です。だからこそ、元気や体重の心配を小児科医に相談するという最後のステップが大切になります。
試してみたい4つのステップ
- はじめは子ども用の少ない量を盛る。
- 食事とおやつの間隔を決めておく。
- 食事と食事のあいだの、だらだら食べを減らす。
- 体重や元気さが気になるときは、小児科医に相談する。
一度に全部変えず、食事が食事のままでいられる小さな工夫から。まず盛る量を減らし、慣れてきたら時間の間隔を整えます。大人のひと言は「たくさん食べたね」「全然食べないね」ではなく、ふつうの会話に。「もういらない」や、いやがるサインが出たら、そこで終わりにします。取引はせずにお皿を下げ、次の食事やおやつで、またバランスのよい物を出しましょう。
4つのステップのつながり
少ない量で始め、食事とおやつの間隔を決め、そのあいだのだらだら食べを減らす。この3つでおなかがすくリズムができてきます。それでも気になることが残れば、小児科医に相談を。どの段階でも、やめたいときは取引なしでやめてよく、次の決まった時間にまた食事を出します。
家族や保育園と、そろえておくこと
祖父母や保育園の先生とは、まず「少なめに盛る」「間隔を決める」の2つをそろえておきましょう。言いかたまで同じでなくてかまいません。子どもが「いつもこうだな」とわかれば十分です。すわる場所、のどにつまりやすい食べものへの注意、食事をやめるサイン、終わりかたは、誰が見ていても同じにします。
ためしてみる期間
少なめに盛るやりかたは、特別に食べた日やまったく食べなかった日の1回で判断せず、ふつうの食事を何回か重ねて様子を見ましょう。どんな状況だったか、子どもの反応、家族の負担をひと言メモする程度で十分です。記録が親子のプレッシャーにならないようにしてください。
ふり返りでは、だらだら食べが減ったかどうかと合わせて見てみます。食卓に参加しやすくなった工夫は続け、家で続けにくいことはもっとシンプルに。変えるのは1回に1つです。ただし体調や安全、発達の心配があるときは、工夫より先に専門家にみてもらいましょう。
大人が決められること、決められないこと
食事とおやつの間隔を決めるのは、大人の側の仕事です。何を出すか、いつどこで食べるか、どう調理しどう見守るかは大人が決めます。一方で、おなかがすくかどうか、食べるかどうかは子どもの体が決めます。この役割を分けておくと、食卓の圧が減り、体重の伸びや痛み、飲みこみの問題も、ごほうびでごまかされずに見えやすくなります。
安全と、子どもの気持ちを守る
体重や元気さの心配を小児科医に相談すること。それと合わせて、まっすぐすわらせる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けてください。息がつまったときや重いアレルギー反応のときは、迷わず119番を。体重の伸び、水分、痛み、飲みこみの心配は、早めに医療者に相談しましょう。
うまくいかないときによくあること
「あと一口だけ」とせかす、同じ食事のなかで次々と別の物を出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのは全部わがままだと思いこむ。こうしたことで、少なめに盛る工夫は崩れがちです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得を強めるのではなく、診てもらう必要があります。
よい変化の見つけかた
少食の子の前進は、近くに置いた食べものをいやがらない、さわってみる、新しい食感に慣れる、「おなかすいた」をはっきり伝える、食べる物の幅が少しずつ広がる、といった形で表れます。1皿ではなく何週間かで見ていきましょう。ただし体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみに心配があれば、待たずに動いてください。
専門家に相談したいとき
体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事が成り立たないほどいやがる。こうしたときは、小児科医や栄養士など食べることの専門家に相談しましょう。小さな子は食べるときの感覚を言葉で説明できません。保護者が「何か変」と感じたら、それだけで相談する理由になります。
最後に
目指すのは、言われたとおりに食べる子でも、完璧な家庭の食事でもありません。少なめに盛るところから始めて、親子のつながりと安全を守り、変化の向きを長い目で見ていきましょう。一般的な情報では答えが出ないときは、その子を直接みてもらうことが近道です。
ポイント: まずは少なめに盛ることから。続けられる形にして、何が変わるかを見ていきましょう。