子どもが急に食べなくなったとき、まず確かめたいこと

先週まではおかわりしていたのに、ここ数日はスプーンを口に運んでもすぐにそっぽを向く。急な変化には、まず理由がないかを探してみましょう。熱、痛み、便秘、口の中の違和感、ストレス。出発点はそこです。食べることには食欲、栄養、口の動き、感覚、食卓の雰囲気がからみ合っています。大人は安全でほどよくバランスのとれた食事を決まった時間に出し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもにまかせます。医師から個別の食事の指示があるときは、それを優先してください。

よくある理由

一時的に食欲が落ちることは、かぜのあと、便秘、歯が生えるとき、暑い時期、引っ越しや入園などのストレス、成長のペースが落ちつく時期によくあります。「わがまま」と決める前に、水分のとり具合、おしっこの回数、元気さ、痛がる様子、ほかの症状を確かめましょう。

数日の過ごしかた

食べなれた物を少しずつ、プレッシャーをかけずに出し、年齢に合った飲みものは続けます。そのうえで、ここ数日でよくなっているか、悪くなっているかを見ていきます。脱水のサイン、強い痛み、息が苦しそう、ぐったりしている、吐くのが続く、体重がはっきり減ったときは、早めに受診してください。

はじめに見ておきたいこと

数日分の様子をざっと書き出してみましょう。食べた物と食感、牛乳やおやつのタイミング、体重、元気さ、水分、食事のときの表情。痛がる、便秘、せきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐くといったことも残しておきます。こうしたサインは、ただの食わず嫌いとは扱いが違います。脱水やぐったりした様子、続く症状、気がかりがあれば受診する、というステップが欠かせないのはそのためです。

こんな順で

  • 熱、痛み、便秘、口の中の違和感、ストレスがないか確かめる。
  • 飲みものをいつでも飲めるようにしておく。
  • 無理に食べさせない。
  • 脱水、ぐったりしている、症状が続く、気がかりがあるときは受診する。

体調を確かめたら、次は飲みものを手の届くところに。それ以外は食事をふだんどおりの小さな時間にとどめます。食べた量へのコメントは控えめにし、「もういい」「いや」のサインが出たら切り上げます。取引はせずに片づけて、次の食事やおやつでまたバランスのよい物を出しましょう。

ステップのつながり

最初に体調のチェック、次に飲みものの準備、そして無理に食べさせないこと。そのうえで脱水やぐったりした様子、続く症状、気がかりがあれば受診します。食事の途中でやめたがったら取引なしでやめてよく、次の決まった時間にまた出してあげましょう。

預け先とも同じ対応に

保育園や祖父母にお願いするときは、「体調の確認」と「飲みものを切らさない」の2つを伝えておきましょう。声のかけかたは人それぞれでかまいません。子どもにとって、だいたい同じ対応だとわかることが大事です。すわる場所、のどにつまりやすい物への注意、やめどきのサイン、食事の終わりかたは全員でそろえます。

何日か様子を見る

体調を確かめる習慣は、たまたま調子のいい日や悪い日1回で判断せず、ふつうの何日かで続けてみましょう。そのときの状況と子どもの様子、家族の負担をひと言書いておく程度で十分です。記録づけが新しいプレッシャーにならないようにしてください。

見直すときは、無理に食べさせずに済んでいるかどうかも合わせて確かめます。安全に食卓に参加しやすくなったことは続け、家で無理があることは簡単にし、変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、工夫より受診が先です。

大人の役割と子どもの役割

飲みものを用意しておくのは、大人の側の役割です。何を出すか、いつどこで食べるか、調理と見守りは大人が決めます。おなかがすくか、食べるかどうかは、子どもの体が決めます。役割を分けておくと食卓の圧が下がり、体重や痛み、飲みこみの問題がごほうびで隠れずに見えてきます。

安全のために

脱水やぐったりした様子、続く症状、気がかりがあれば受診する。それに加えて、まっすぐすわらせる、そばで見守る、今の力に合った形とかたさの食べものにする、年齢に合った応急手当を知っておく、を続けましょう。息がつまったときや重いアレルギー反応のときはすぐに119番を。体重、水分、痛み、飲みこみが心配なときは、早めに医療者へ。

ありがちなつまずき

体調を確かめるところから始めても、「もう一口」とせかしたり、同じ食事で次々と別の物を出したり、食べた量でごほうびをあげたり、食べないのはすべて気持ちの問題だと考えたりすると、うまくいきません。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得ではなく診察が必要です。

回復のサイン

急に食べなくなった子が戻ってくるときは、近くの食べものをいやがらなくなる、手でさわる、いつもの食感をまた受け入れる、「おなかすいた」と言う、食べる物の幅がまた広がる、といった順で表れることがあります。何週間かで見ていきましょう。体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの心配があれば、待たずに受診を。

相談したいサイン

体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事にならないほどいやがる。こうしたときは小児科医や栄養の専門家に相談してください。小さな子は、食べるとどう感じるかを説明できません。保護者の心配は、それだけで十分な相談の理由です。

覚えておきたいこと

言われたとおりに食べる子や、完璧な食事のリズムを目指す必要はありません。まずは体調を確かめ、親子のつながりと安全を守りながら、変化の向きを見ていきましょう。一般的な情報でわからないときは、その子をみてもらうのがいちばんです。

ポイント: 急に食べなくなったら、まず体調のチェックから。無理なく続けて、変化を見ていきましょう。

CDC, Picky eaters and what to do

CDC, Choking hazards

WHO, Complementary feeding guideline