幼児の鉄分補給、偏食の子にも出しやすい食べもの
赤身のお肉は「かたい」と出してしまう、魚は骨がこわいと手をつけない。偏食の子の鉄分が気になるときは、まず鉄分をふくむ食べものを、ふだんの食事に無理なく入れることから考えましょう。食べる力には、おなかのすき具合、栄養、かむ・飲みこむ口の動き、感覚、食卓の雰囲気が関係しています。大人は安全でバランスのよい食事を決まった時間に出し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。医師から個別の指示があるときは、それに従ってください。
鉄分をふくむ食べもの
鉄分は発達を支える栄養で、肉、魚、卵、豆、レンズ豆、豆腐、鉄分を強化したシリアルなどにふくまれています。納豆や小松菜のような植物性の食べものは、ブロッコリーやいちご、みかんなどビタミンCの多い物といっしょに出すとよいでしょう。何を選ぶかは、家庭の食文化と、子どもの食べる力に合わせて現実的に。
自己判断で決めないこと
偏食だけで鉄欠乏と決めつけたり、相談せずに高用量のサプリメントを始めたりしないでください。顔色が悪い、いつもより疲れやすい、体重の伸びが悪い、牛乳をたくさん飲む、食べる物がとても限られている。こうしたときは、食事の内容や必要に応じた検査について医師に相談しましょう。
はじめに見ておきたいこと
何日分かの食事を見わたして、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを確かめましょう。痛み、便秘、せきこみ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐くといったこともメモします。こうしたサインは、なじみのない物へのふつうの警戒とは違う対応が必要です。心配があれば検査について聞いてみるという最後のステップが大切なのも、そのためです。
毎日の4つのポイント
- 鉄分をふくむ食べものを、ふだんの食事に定期的に入れる。
- 植物性の食べものは、ビタミンCの多い物と組み合わせる。
- 医師に相談せずにサプリメントを始めない。
- 気になることがあれば、検査について聞いてみる。
試すのは小さな範囲で。まず鉄分をふくむ物をふだんの献立に入れ、次に植物性の物とビタミンCの組み合わせを意識します。そぼろにした肉、卵焼き、納豆ごはんなど、食べやすい形から。量へのコメントは控えめに。満腹やいやがるサインが出たらそこまでにして、取引なしで片づけ、次の食事やおやつでまたバランスのよい物を出しましょう。
ポイントのつながり
ふだんの食事に鉄分をふくむ物を入れ、植物性の物はビタミンCと組み合わせ、サプリは自己判断で始めず、心配なら検査を相談する。食事の途中でやめたいときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。
祖父母や保育園と
「鉄分をふくむ物を定期的に」「植物性の物はビタミンCと」の2つを、祖父母や預け先とも共有しておきましょう。同じ言葉でなくてかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは誰でも同じにします。
しばらく続けてみる
鉄分をふくむ物を入れる工夫は、1日で判断せず、ふつうの食事で何回か続けてみましょう。状況、子どもの反応、家族の負担を短くメモする程度で十分です。記録づけが新しいプレッシャーにならないように。
見直すときは、サプリを自己判断で始めずにいられたかも確認します。安全に、わかりやすく食卓に参加できた工夫は続け、続けにくいことは簡単に。変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、先に医師にみてもらいましょう。
大人にできること、できないこと
ビタミンCとの組み合わせを考えるのは、大人の側の仕事です。何を出すか、いつどこで食べるか、調理と見守りは大人が決め、食欲や食べるかどうかは子どもの体が決めます。役割を分けておくと食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れずに見えてきます。
安全のために
心配なときは検査について相談すること。そのうえで、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。窒息やひどいアレルギー反応が疑われたら、調べものはあとにして、すぐ119番へ。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は早めに医療者へ。
よくあるつまずき
鉄分を意識しすぎて「あと一口お肉を」とせかす、同じ食事で代わりを次々出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのはわがままだと思う。こうしたことで工夫が崩れがちです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得ではなく診てもらう必要があります。
前進のしるし
鉄分をふくむ物に慣れていく途中では、近くにあってもいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化が見られます。1皿でなく数週間で判断し、体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの心配があれば早めに相談しましょう。
専門家に相談したいとき
体重が伸びない、脱水っぽい、痛がる、むせることがたびたびある、のどにつまりかける、飲みこんだあとに声がゴロゴロする、アレルギーが疑われる、食べられる物がみるみる減る、食事のたびに強くいやがって食卓にならない。こうしたときは小児科医や栄養士に相談してください。小さな子は自分の体の感じを説明できないので、保護者の心配だけでも十分な理由です。
覚えておきたいこと
完璧に食べる子や、完璧な献立を目指す必要はありません。鉄分をふくむ物をふだんの食事に入れることから始め、つながりと安全を守り、変化を長い目で見ていきましょう。一般的な情報でわからないときは、その子をみてもらいましょう。
ポイント: 鉄分をふくむ物を、ふだんの食事に少しずつ。続けやすくして、変化を見ていきましょう。