旅行中の偏食、食べる物がないときの乗りきりかた

お盆の帰省、家族旅行。旅館の豪華なごはんを前に、子どもが食べたのは白いごはんとふりかけだけ。旅先での偏食には、まず安全で食べなれた物を持っていくことから備えましょう。食卓での様子には、食欲や栄養だけでなく、口の動き、感覚で感じること、その場の空気も影響しています。大人は安全でバランスのよい食事を決まった時間に用意し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。医師に個別の指示をもらっているなら、そちらに従ってください。

旅先で食べなくなるのは自然なこと

旅行では、生活リズム、料理の見た目、睡眠、自分で選べる感覚が一度に変わります。もともと食べる物が限られている子ほど、なじみのある物に頼りがちです。旅行中の目標は、安全に十分な量を食べ、家族の食事がなんとか回ること。旅をきっかけに食べられる物を増やそうと、無理をさせる必要はありません。

旅先でできること

持ちこめる場所では食べなれたおやつを持ち、食事では食べられる物を1つ見つけ、水分をしっかりとらせましょう。プレッシャーのない形で地元の物にふれる機会は続けつつ、食べものの保存とのどにつまらない工夫に気をつけます。旅行から帰ったら、埋め合わせのような制限はせず、いつもの流れに戻しましょう。

はじめに見ておきたいこと

旅行前後の数日をまとめて、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛がる、便秘、せきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとの声がゴロゴロする、発疹、吐く、といった様子もメモしておきます。旅先では便秘や体調の変化も起こりやすいもの。こうしたサインは知らない物へのふつうの警戒とは違う対応が必要で、衛生と安全な保存を優先するという最後のステップも、体調を守るためのものです。

旅の4つの備え

  • 安全で食べなれた物を持っていく。
  • 食事の時間は、だいたい守る。
  • 旅先の食べものは、無理強いせずにすすめる。
  • 食べものの衛生と安全な保存を優先する。

旅の工夫も小さく。食べなれた物を持っていくことから始め、余裕があれば食事の時間をだいたいそろえます。移動中の新幹線や車のなかでも、ごはんの時間がめちゃくちゃにならない程度で十分です。大人のコメントは淡々と。おなかいっぱい、いや、というサインが見えたら切りあげましょう。かけひきなしでお皿を下げ、次の決まった時間にまたバランスのよい物を。

備えのつながり

食べなれた物を持っていき、食事の時間をだいたい守り、旅先の物は無理強いせずにすすめ、衛生と保存に気を配る。途中で食べたくなくなったら取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。

いっしょに旅する大人と

祖父母や親戚といっしょなら、「食べなれた物を用意しておく」「食事の時間はだいたい守る」の2つを先に伝えておきましょう。言いかたは違ってもかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは、誰がみていても同じにします。

旅のあとにふり返る

食べなれた物を持っていく工夫は、旅の1日だけで判断せず、何回かの食事を通して見てみましょう。そのときの状況、子どもの様子、家族の負担を、ひと言書いておけば十分です。記録がプレッシャーにならないように。

ふり返りでは、旅先の物を無理強いせずにいられたかも合わせて考えます。安全に、わかりやすく参加できた工夫は次の旅でも使い、続けにくかったことは簡単にし、変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、先に医師に相談しましょう。

大人が決めること

食事の時間をだいたい守るのは、大人の側の役目です。何を出すか、いつどこで食べるか、準備と見守りは大人が決め、食欲や食べるかどうかは子どもの体が決めます。この線引きがあると旅先でも食事の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れません。

安全と衛生

食べものの衛生と保存を優先するのに加えて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を知っておく、を旅先でも続けましょう。息ができない、重いアレルギー反応が疑われる、というときはすぐに119番を。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は、早めに医療者へ。

うまくいかないとき

食べなれた物を用意していても、「せっかく来たんだから一口」とせかす、同じ食事で次々と別の物を頼む、食べた量でごほうびを約束する、食べないのは全部わがままだと考える。こうしたことで旅の食事は苦しくなりがちです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得ではなく受診が必要です。

よい変化

旅をはさんで見たいのは、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、時間をかけて食べる物が広がる、といった変化です。旅行中の1皿ではなく、何週間かで判断しましょう。体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみに心配があれば、早めに動いてください。

専門家に相談したいとき

たとえば、体重が増えない、脱水のサイン、痛み、何度もむせる、のどにつまりかける、飲みこんだあとの声がゴロゴロする、アレルギーの疑い、食べられる物が急にせまくなる、食事が苦痛で続けられない、といった様子です。こうしたときは医師や栄養士に相談を。小さな子は口の中の感じを説明できないので、保護者が気になったらそれで十分です。

覚えておきたいこと

旅先で何でも食べる子や、完璧な旅の食事を目指す必要はありません。食べなれた物を持っていくことから始め、つながりと安全を守り、変化を長い目で見ましょう。一般的な情報で答えが出ないときは、その子を直接みてもらうのがいちばんです。

ポイント: 旅には食べなれた物を持っていくことから。無理のない形にして、変化を見ていきましょう。

CDC, Picky eaters and what to do

CDC, Choking hazards

WHO, Complementary feeding guideline