肉を食べない偏食の子に、たんぱく質をとってもらうには

ハンバーグは食べるのに、焼いた肉はひと口でぺっと出す。たんぱく質が足りているか心配になりますね。考えはじめるなら、合うたんぱく質の食べものを1週間のなかで順番に出してみること。食べることには、食欲、栄養、口の動き、感覚、食卓の雰囲気がかかわります。安全で栄養のかたよりすぎない食事を決まった時間に出すのが大人、食べるかどうかと量を決めるのが子ども、という分担です。医師から個別の指示があるときは、それに従ってください。

たんぱく質は肉だけではない

たんぱく質は、肉以外にも、卵、乳製品、豆、レンズ豆、豆腐、魚、ナッツや種のペースト、そして家庭でなじみのある食べもの(納豆、きなこ、しらすなど)からもとれます。安全で年齢に合っていることが前提です。夕食の一品を食べなかったことより、食事全体と量のパターンのほうが大切です。

出しかたと相談先

食べやすい形にして、食べられる物といっしょに出し、のどにつまらない工夫とアレルギーの目安を確かめましょう。食べる物がとても限られている、体重の伸びが悪い、栄養が足りているか心配。そんなときは、サプリメントだけで解決しようとせず、医師や小児の栄養に詳しい管理栄養士にみてもらいましょう。

はじめに見ておきたいこと

何日分かを通して、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛み、便秘、むせ、のどにつまりかけること、飲みこんだあとのゴロゴロ声、発疹、嘔吐も書きそえておきましょう。こうしたサインは、知らない物へのふつうの用心とは違う対応が必要です。食べる物がとても少ないときは栄養の専門家に相談するという最後のステップが大切なのは、そのためです。

4つの工夫

  • 合うたんぱく質の食べものを、1週間のなかで順番に出す。
  • 見た目、食感、味などは1つずつ変える。
  • なじみのある主食といっしょに出す。
  • 食べる物がとても少ないときは、栄養の専門家に相談する。

小さく試しましょう。まず1週間のなかで、卵、豆腐、魚と順番に出してみます。次に、変えるのは1つずつ。いつもの卵焼きを少し薄くする、豆腐を焼いて表面をカリッとさせる、といった具合です。大人のコメントは淡々と。満腹やいやがるサインが出たら終わりにし、取引なしで片づけ、次の食事やおやつでまたバランスのよい物を出しましょう。

工夫のつながり

たんぱく質の食べものを順番に出し、変えるのは1つずつ、ごはんやパン、うどんなどなじみのある主食と組み合わせ、それでも食べる物がとても少なければ専門家へ。途中でやめたいときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。

預け先と話しておくこと

祖父母や保育園とは、「たんぱく質の物を順番に」「変えるのは1つずつ」の2つをそろえておきましょう。同じ言葉でなくてかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への気配り、終わりにする合図、食事のしめくくりかたは、全員でそろえておきます。

何回か続けてみる

順番に出す工夫は、1日で判断せず、ふつうの食事で何回か続けてみましょう。状況、子どもの反応、家族の負担をひと言メモする程度で十分。記録がプレッシャーにならないように。

ふり返りでは、なじみのある主食といっしょに出せているかも確かめます。食卓に安全に、わかりやすく加われた工夫は残し、続かないものはもっと簡単にして、変えるのは一度に1つだけ。体調、安全、発達の心配があるときは、先に専門家へ。

大人の担当

変えるのを1つずつにするのは、大人の側の工夫です。大人の担当は、何をいつどこで出すか、どう調理し見守るか。子どもの担当は、おなかがすいているか、食べるかどうかです。この分担が食卓の圧を減らし、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れずに見えるようにしてくれます。

安全と、子どもの尊厳

専門家への相談と合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。のどがつまって息ができないときや、ひどいアレルギー反応のときは、ためらわず119番に。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は早めに医療者へ。

つまずきやすいこと

順番に出していても、「お肉ひと口食べたら」とせかす、同じ食事で代わりを次々出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのは全部わがままだと考える。これでは工夫が台なしです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得より診てもらうことが大事です。

前進のしるし

たんぱく質の食べものに慣れていく途中では、近くにあってもいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化があります。何週間かで見ていきましょう。体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの心配があれば、早めに相談を。

専門家に相談したいとき

体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事が成り立たないほどの苦痛。こうしたときは医師や管理栄養士に相談しましょう。小さな子は口の中の感じを説明できません。保護者の心配は、それだけで相談の理由になります。

最後に

何でも食べる子や、完璧な献立を目指す必要はありません。たんぱく質の物を順番に出すことから始め、つながりと安全を守り、長い目で変化を見ていきましょう。一般的な情報で足りないときは、その子をみてもらいましょう。

ポイント: たんぱく質の物を、1週間のなかで順番に。続けやすくして、変化を見ていきましょう。

CDC, Picky eaters and what to do

CDC, Choking hazards

WHO, Complementary feeding guideline