決まったものしか食べない子ども、どう向き合う?
食べるのは白いごはん、食パン、唐揚げ、バナナ。毎日ほぼ同じメニューで大丈夫なのか、不安になりますね。まずは、食べられる物を書き出して、どこが共通しているかを見るところから始めましょう。食べる力には、おなかのすき具合、栄養、かむ・飲みこむ口の動き、感覚、食卓の雰囲気が関係しています。大人は安全でバランスのよい物を決まった時間に出し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。医師から個別の指示があるときは、それに従ってください。
品数だけでは判断できない
食べられる物のリストが短いときは、その中身を見ることが大切です。どの食品群や食感がふくまれているか、リストが減ってきていないか、体重はどう伸びているか、食べない理由に痛み、恐怖、感覚的な苦痛がからんでいないか。品数だけで問題かどうかは決められません。
少しずつ広げる
子どもが信頼している物を急に全部取りあげるのではなく、食べられる物は守りながら、そこにほんの少し練習用の物を添えましょう。栄養、体重、飲みこみ、家族の暮らしに影響が出ているときは、医師や食べることの専門家に相談を。極端に少なくなるまで待つ必要はありません。早めの支援で大丈夫です。
はじめに見ておきたいこと
数日分の食事をまとめて、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛み、便秘、せきこみ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐くといったことも書きとめます。こうしたサインには、知らない物をいやがるときとは違うこたえかたが必要です。リストが減る、体重に影響が出るときは相談するという最後のステップが大切なのは、そのためです。
4つのステップ
- 食べられる物を書き出し、共通点を探す。
- 変えるのは、1回に小さく1つだけ。
- 食べられる物を、いつも1つは用意しておく。
- リストが減ってきた、体重に影響が出たときは相談する。
試すのは小さな範囲で。まず食べられる物を書き出してみると、「カリッとした物」「白っぽい物」など共通点が見えてきます。次に、変えるのは1つだけ。いつもの唐揚げを少し小さく切る、食パンを別のメーカーにする、といった具合です。大人のコメントは淡々と。満腹やいやがるサインが出たら終わりにし、取引なしで片づけ、次の食事やおやつでまたバランスのよい物を出しましょう。
ステップのつながり
書き出して共通点を知り、変えるのは小さく1つ、食べられる物はいつも用意し、リストが減ったり体重に影響が出たりしたら相談する。食べたくないときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。
預け先との約束
祖父母や保育園とは、「食べられる物の共通点」と「変えるのは1つずつ」を共有しておきましょう。同じ言いかたでなくてかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは、誰でも同じにします。
何回か続けて見直す
書き出しと共通点さがしは、1回で結論を出さず、ふつうの食事を何回か重ねて見ていきましょう。メモは、状況と子どもの反応と家族の手間を、ひと言ずつで足ります。記録がプレッシャーにならないように。
見直すときは、食べられる物をいつも用意できていたかと照らし合わせます。安心して参加しやすくなった工夫はそのままに、無理のあることは軽くして、1つずつ変えていきましょう。体調、安全、発達の心配があるときは、先に専門家にみてもらいましょう。
大人にできること
変えるのを小さく1つにするのは、大人の側の工夫です。何を出すか、いつどこで食べるか、調理と見守りは大人が決め、食欲と食べるかどうかは子どもの体が決めます。この分担が食卓の圧を減らし、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れずに見えてきます。
安全のために
リストが減ってきたら相談する。それと合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。息がつまったときや重いアレルギー反応のときは119番へ。体重の増え、水分、痛み、飲みこみが気になるときは、早めに医療者へ。
つまずきやすいところ
食べられる物を書き出しても、「一口だけ食べてみて」とせかす、同じ食事で次々と代わりを出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのはわがままだと考える。これでは工夫が崩れます。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得より受診が必要です。
前進のしるし
少しずつ広がっていくときは、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、時間をかけて食べる物が増える、といった変化が見られます。数週間で見ていきましょう。体重の増え、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの安全が気になるときは、様子見をせず早めに。
専門家に相談したいとき
たとえば、体重が増えない、脱水のサイン、痛み、何度もむせる、のどにつまりかける、飲みこんだあとの声がゴロゴロする、アレルギーの疑い、食べられる物が急にせまくなる、食事が苦痛で続けられない、といった様子です。こうしたときは医師や栄養士、食べることの専門家に相談しましょう。小さな子は食べるときの感覚を説明できません。保護者が気になったら、それだけで相談していいのです。
覚えておきたいこと
目指すのは、何でも食べる子でも、完璧な食卓でもありません。食べられる物を書き出すことから始め、つながりと安全を守り、変化の向きを長い目で見ていきましょう。一般的な情報でわからないときは、その子をみてもらうことです。
ポイント: 食べられる物を書き出して、共通点を見つけることから。続けやすくして、変化を見ていきましょう。