牛乳の飲みすぎでご飯を食べない幼児、どう減らす?
ご飯はほとんど食べないのに、牛乳だけはコップで何杯も。「せめて牛乳だけでも」と出しているうちに、それが習慣になっていることもあります。まずは何日か、牛乳とほかの飲みものの量を記録してみましょう。食べる力には、おなかのすき具合、栄養、かむ・飲みこむ口の動き、感覚、食卓の雰囲気が関係しています。決まった時間に安全でバランスのよい物を出すところまでが大人の仕事で、その先、食べるか、どのくらい食べるかは子どもが決めます。医師からその子に合わせた食事の指示が出ているときは、そちらを優先しましょう。
牛乳が食事の代わりになると
牛乳をたびたび出したり、食べなかった食事の代わりにしたりすると、小さな胃がいっぱいになって、鉄分をふくむ食べものが入らなくなることがあります。どんな種類をどれくらい飲むのがよいかは、年齢、成長、地域の目安によって違います。牛乳が悪いわけではなく、目指すのはバランスです。
少しずつ減らす
牛乳は決まった時間に出し、食事と食事のあいだは水やお茶にしましょう。たくさん飲んでいる場合は、少しずつ減らします。顔色が悪い、いつもより疲れやすい、体重の伸びが悪い、食べる物がとても限られている。こうしたときは、必要に応じて鉄の状態も含めて、医師にみてもらいましょう。
はじめに見ておきたいこと
何日分かをまとめて、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛み、便秘、むせ、のどにつまりかけること、飲みこんだあとのゴロゴロ声、発疹、嘔吐も書きそえておきましょう。これらは、なじみのない物を警戒するのとは違う種類のサインで、別の対応が必要になります。鉄分や体重が心配なら医師に聞くという最後のステップは、牛乳の量の記録があるとずっと話しやすくなります。
4つのステップ
- 牛乳やほかの飲みものを、何日か記録する。
- おなかがふくれる飲みものより先に、食事を出す。
- コップで、決まった時間に飲む。
- 鉄分や体重が心配なときは、医師に相談する。
小さく始めましょう。まず何日か記録をつけ、次に、食事を先に出して牛乳はあとにします。ストローマグを一日中持ち歩くのではなく、コップで、決まった時間に。大人のコメントは淡々と。満腹やいやがるサインが出たら終わりにし、取引なしで片づけて、次の食事やおやつでまたバランスのよい物を出しましょう。
ステップのつながり
記録して量を知り、食事を先に出し、コップで決まった時間に飲み、鉄分や体重が気になれば医師へ。食事をやめたいときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。
家族と共有しておく
祖父母や預け先にも、「飲みものを記録している」「食事を先に、牛乳はあと」の2つを伝えておきましょう。言いかたは違ってかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への気配り、終わりにする合図、食事のしめくくりかたは、全員でそろえておきます。
何日か続けて
記録をつける習慣は、1日で終わらせず、ふつうの日を何日か重ねてみましょう。状況、子どもの反応、家族の負担をひと言書くくらいで十分です。記録がプレッシャーにならないように。
ふり返りでは、コップで決まった時間に飲めているかとも見比べます。安心して参加しやすくなった工夫はそのままに、無理のあることは軽くして、1つずつ変えていきましょう。体調、安全、発達の心配があれば、先に医師に相談しましょう。
大人の役目
食事を先に出すのは、大人の側の役目です。献立、時間、場所、調理、見守りは大人の仕事で、空腹と、口にするかどうかは子どもの体の仕事です。役割を分けておくと食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れずにすみます。
安全のこと
鉄分や体重の心配を医師に相談することと合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。息がつまったときや重いアレルギー反応のときは119番へ。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は早めに医療者に。
つまずきやすいこと
記録をつけていても、「牛乳はご飯を一口食べてから」と取引する、食べないと代わりに牛乳を出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのは全部わがままだと考える。これでは工夫が崩れます。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得より診察が必要です。
よい変化
飲みものの量が落ちつくと、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物が広がる、といった変化が見えてきます。何週間かで見ていきましょう。ただし体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみに心配があるなら、待たずに相談を。
受診や相談を考えたいとき
体重の増えが止まった、水分がとれず脱水が心配、痛み、くり返すせきこみや窒息しかける様子、飲みこんだあとのゴロゴロ声、アレルギーらしい症状、食べる物の急な減少、食事が成り立たないほどのつらさ。こうしたときは、小児科医や栄養の専門家に相談を。小さな子は「おなかが重い」「なんだか疲れる」と言葉にできません。保護者の心配が、いちばんの手がかりです。
覚えておきたいこと
牛乳を完全にやめることも、完璧に食べることも目標ではありません。飲みものを記録することから始め、つながりと安全を守り、長い目で変化を見ていきましょう。一般的な情報でわからないときは、医師にその子をみてもらいましょう。
ポイント: まずは飲みものの記録から。続けやすい形にして、変化を見ていきましょう。