「食べたらデザート」はやめたほうがいい?ごほうびの代わりにできること

「ピーマン食べたら、プリンね」。その場はうまくいっても、次の日から毎回、交渉が始まる。そんな経験はありませんか。見直すなら、まず「野菜を食べないとデザートはなし」という条件をやめることから。食卓での様子には、食欲や栄養だけでなく、口の動き、感覚で感じること、その場の空気も影響しています。大人は安全でバランスのよい物を決まった時間に出し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。ただし、医師から個別の食事の計画をもらっている場合は、それが先です。

ごほうびにすると起こること

デザートがほかの食べものを食べた「ごほうび」になると、デザートはいっそう価値のある物に、食べなければならない物はいっそう「やらされる物」になります。取引で一度は食べる量が増えても、自分のおなかの声に気づく力や、その食べものへの安心感は育ちません。

代わりにできること

甘い物を家庭の流れのなかでどう出すかを決めておき、何口食べたかの交渉なしに出しましょう。バランスのよい食事を決まった時間に出し、大人がおいしく食べる姿を見せ、協力できたときは食べもの以外の言葉で認めます。栄養は、1食ではなく食事全体のパターンでつくられるものです。

はじめに見ておきたいこと

数日の食事を通して、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。あわせて、痛み、便秘、せきこみ、つまりかけ、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐いたことも残しておきます。こうしたサインには、知らない物をいやがるときとは違うこたえかたが必要です。ほめるのは食事のときのふるまいに、という最後のステップは、量ではなく子どもの様子そのものに目を向けることでもあります。

4つの見直し

  • 野菜を食べることを、デザートの条件にしない。
  • 甘い物の出しかたを、家族で穏やかに決めておく。
  • 「いい食べもの」「悪い食べもの」と呼ばない。
  • ほめるのは、食事のときのふるまいに。

小さく変えましょう。まず条件をやめ、次に甘い物の出しかたを決めます。たとえば「おやつの時間に、果物かお菓子を少し」「週末の夕食のあとにプリン」など、家庭に合う形で。食べた量へのコメントは控えめに。「もういらない」やいやがる合図が出たらそこまで。取引はせずに片づけ、次の食事かおやつで、またバランスのよい物を用意します。

見直しのつながり

条件をやめ、甘い物の出しかたを決め、食べものに善い悪いのレッテルをはらず、ほめるのは「すわって待てたね」「おはしを並べてくれてありがとう」のようなふるまいに。食事をやめたいときは取引なしで終わりにし、次の決まった時間にまた出します。

祖父母とも話しておく

おじいちゃんおばあちゃんの「食べたらアメあげるよ」は、愛情の表れでもあります。「デザートを条件にしない」「甘い物の出しかたを決めている」の2つを、責めずに伝えておきましょう。言いかたは違ってかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物(アメやグミなど)への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは誰でも同じにします。

しばらく試す

条件をやめる工夫は、1回の食事で判断せず、ふつうの食事で何回か続けてみましょう。そのときの状況、子どもの様子、家族の負担を、ひと言書いておけば十分です。記録がプレッシャーにならないように。

ふり返りでは、食べものに「いい」「悪い」と言わずにいられたかも見てみます。安全に、わかりやすく参加できた工夫は続け、続けにくいことは簡単にし、変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、先に専門家へ。

大人が決めること

甘い物の出しかたを決めるのは、大人の側の役目です。何を出すか、いつどこで食べるか、調理と見守りは大人が決め、食欲と食べるかどうかは子どもの体が決めます。役割を分けておくと食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで覆われずに見えてきます。

安全と、子どもの尊厳

ふるまいをほめることと合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。息ができない、重いアレルギー反応が疑われる、というときはすぐに119番を。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は早めに医療者に相談を。

つまずきやすいところ

条件をやめても、「もう一口だけ」とせかす、同じ食事で代わりを次々出す、デザートの代わりにシールで量を競わせる、食べないのは全部わがままだと考える。これではごほうびの形が変わっただけです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得を強めるより、みてもらうべきことです。

よい変化

ごほうびなしの食卓に慣れていくと、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化が見られます。何週間かで見ていきましょう。体重の増え、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの安全が気になるときは、様子見をせず早めに。

専門家の力を借りたいとき

たとえば、体重が増えない、脱水のサイン、痛み、何度もむせる、のどにつまりかける、飲みこんだあとの声がゴロゴロする、アレルギーの疑い、食べられる物が急にせまくなる、食事が苦痛で続けられない、といった様子です。こうしたときは、医師や栄養士に相談しましょう。小さな子は、食べるときにどう感じているかを説明できません。保護者が気になったなら、それが相談のきっかけで十分です。

最後に

デザートをいっさい出さない家庭も、何でも食べる子も、目標ではありません。デザートを条件にしないことから始め、つながりと安全を守り、変化を長い目で見ていきましょう。一般的な情報で答えが出ないときは、その子を直接みてもらうのがいちばんです。

ポイント: まずはデザートを条件にするのをやめることから。続けやすくして、変化を見ていきましょう。

CDC, Picky eaters and what to do

CDC, Choking hazards

WHO, Complementary feeding guideline