子どもが食べ物を投げるとき、理由の見分けかたと対応
ハイチェアから、ブロッコリーがぽいっ。床を見て、こちらの顔を見て、もう一つぽいっ。食べ物を投げられると、片づけの手間もあってついカッとなりますね。まずは、子どもがもうおなかいっぱいなのではないか、確かめることから始めましょう。食べることは、食欲、栄養、口の動き、感覚で学ぶこと、食卓の空気が重なりあってできています。安全で栄養のかたよりすぎない食事を決まった時間に出すのが大人、食べるかどうかと量を決めるのが子ども、という分担です。医師から個別の指示がある場合は、それに従ってください。
投げる理由はひとつではない
食べ物を投げるのは、「落とすとどうなる?」という実験のこともあれば、「もう終わり」の合図、大人の反応を見たい、量やいすに不満がある、ということもあります。どの投げも同じ理由だと決めつけず、いつ始まるかをよく見てみましょう。
食卓での対応
少しずつ出し、いらない物を置く場所を見せ、はっきりした「もういらない」のサインや、投げるのがくり返されたら、穏やかに食事を終えます。大げさに反応しないこと。体を押さえつけたり、無理に口に入れたまま食べさせようとしたりは、決してしないでください。
はじめに見ておきたいこと
何日かの食事を見わたして、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを確かめましょう。痛がる、便秘、せきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとの声がゴロゴロする、発疹、吐く、といった様子もメモしておきます。投げるのが、口の中の違和感や痛みのサインのこともあります。こうしたサインには、ふつうの「投げる時期」とは違う対応が必要で、投げるのが続くなら穏やかに終えるという最後のステップも、子どもの様子をよく見ることが前提です。
4つのステップ
- もうおなかいっぱいなのか確かめる。
- 「いらない物はここ」というお皿を用意する。
- ルールは一度だけ、短く伝える。
- 投げるのが続くなら、穏やかに食事を終える。
大がかりにせず、食事が食事のままでいられるように。まず満腹かどうかを確かめ、次に「いらない物入れ」の小皿をテーブルに置きます。「いらないときは、ここに置いてね」。大人の声は淡々と。満腹やいやがる様子が見えたら、そこで終わりに。交換条件は出さずに片づけて、次の食事やおやつでまたいろいろな物を出しましょう。
ステップのつながり
満腹を確かめ、いらない物の置き場を用意し、ルールを一度伝え、それでも投げるなら静かに「ごちそうさまにしようね」と終える。取引はせず、次の決まった時間にまた食事を出します。
まわりの大人とも
祖父母や保育園とは、「満腹かどうかを確かめる」「いらない物入れを使う」の2つをそろえておきましょう。言いかたはそれぞれでかまいません。すわる場所、のどにつまりやすい物への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは誰でも同じにします。
何回か続けて見る
満腹を確かめる工夫は、1回の食事で判断せず、ふつうの食事で何回か続けてみましょう。状況、子どもの反応、片づけの負担などをひと言メモする程度で十分です。記録がプレッシャーにならないように。
ふり返りでは、ルールを一度だけ伝えられたかも見てみます。何度も言うと、それ自体が楽しい反応になってしまうことも。うまく食卓に参加できた工夫は続け、負担なことはシンプルにし、変化は1回に1つにとどめます。体調、安全、発達の心配があるときは、先に専門家に相談しましょう。
大人が決めること
いらない物の置き場を用意するのは、大人の側の工夫です。大人の担当は、何をいつどこで出すか、どう調理し見守るか。子どもの担当は、おなかがすいているか、食べるかどうかです。この分担で食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れません。
安全と、子どもの尊厳
穏やかに食事を終えることに加えて、ハイチェアにまっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。窒息やひどいアレルギー反応が疑われたら、調べものはあとにして、すぐ119番へ。体重、水分、痛み、飲みこみについての心配は、ためこまずに早めに相談しましょう。
うまくいかないとき
満腹を確かめていても、「投げないで、あと一口食べて」とせかす、投げるたびに別の物を出す、食べた量でごほうびをあげる、投げるのはいつもわざとだと考える。こうしたことで、食事はかえって荒れがちです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得ではなく診てもらうことが必要です。
よい変化
投げる時期を抜けていく途中では、近くの食べものをいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、投げる代わりに「いらない」「もういい」を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化があります。何週間かで見ていきましょう。体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみの心配があれば、早めに動いてください。
相談を考えたいとき
体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事のたびに強い苦痛がある。そんなときは、小児科医や栄養士に相談してみましょう。言葉で説明できない年齢の子だからこそ、保護者の「なんだか気になる」が大切な手がかりです。
最後に
目標は、きれいに食べる子でも、床が汚れない食卓でもありません。満腹かどうかを確かめることから始め、親子のつながりと安全を守りながら、長い目で変化を見ていきましょう。それでもわからないときは、その子をみてもらうのがいちばんです。
ポイント: 投げたら、まず満腹かどうかを確かめて。続けやすくして、変化を見ていきましょう。