野菜を食べない幼児に、親ができること
ピーマンは指でつまんでお皿のふちへ。にんじんは細かく刻んでも見つけ出す。野菜ぎらいの子との毎日は、ちょっとした宝探しのようです。まずは、食感や調理のしかたを変えてみることから始めましょう。食卓での様子には、食欲や栄養だけでなく、口の動き、感覚で感じること、その場の空気も影響しています。大人は安全でバランスのよい食事を決まった時間に出し、食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決めます。ただし、医師から個別の食事の計画をもらっている場合は、それが先です。
野菜ぎらいは「一生」ではない
野菜は苦み、食感、見た目がそれぞれ大きく違うので、1つ食べられても、ほかの野菜まで食べられるとは限りません。今いやがっていても、一生食べないという証拠にはなりません。プレッシャーのない形で何度もふれること、家族がふつうに食べている姿を見ることで、なじみが育っていきます。
食卓でできること
いつもの食べられる物の横に、ごく少しだけ野菜を置き、調理のしかたを変えてみましょう。さわる、においをかぐのも学びのうちです。すべての野菜をかくしたり、「ひと口食べたら好きな物をあげる」と条件をつけたりはしないでください。プレッシャーは、野菜をいっそうこわい物にしてしまいます。
はじめに見ておきたいこと
数日の食事を通して、食べられた物と食感、牛乳やおやつの時間、体重、元気さ、水分、食べるときの気持ちを見てみましょう。痛み、便秘、せきこみ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、発疹、吐くといったこともメモします。こうしたサインは、知らない物へのふつうの警戒とは違う対応が必要です。大人がふつうに野菜を食べてみせるという最後のステップは、食卓を安心できる場所にして、様子の変化に気づきやすくすることにもつながります。
4つのこと
- 食感や調理のしかたを変えてみる。
- 食べなれた物といっしょに出す。
- ひと口を求めずに、さわったりかいだりさせる。
- 大人がふつうに野菜を食べてみせる。
小さく試しましょう。まず調理を変えてみます。ゆでたブロッコリーがだめなら、焼いて香ばしくする、にんじんをスティックではなく薄い輪切りにする、など。次に、食べなれた物と並べます。大人のコメントは淡々と。「もういらない」やいやがる合図が出たらそこまで。取引はせずに片づけ、次の食事かおやつで、またバランスのよい物を用意します。
4つのつながり
調理を変え、食べなれた物と並べ、ひと口を求めずに探検させ、大人がおいしそうに食べてみせる。食べたくなければ取引なしでおしまいにして、次の決まった時間にまた出します。
祖父母や保育園と
「調理を変えてみる」「食べなれた物と並べる」の2つを、祖父母や保育園とも共有しておきましょう。言いかたまで同じでなくて大丈夫です。すわる場所、のどにつまりやすい物(かたい生野菜など)への注意、やめるサイン、食事の終わりかたは誰でも同じにします。
何回か続けてから
調理を変える工夫は、1回の食事で判断せず、ふつうの食事で何回か続けてみましょう。状況、子どもの反応、家族の手間をひと言メモする程度で十分です。記録がプレッシャーにならないように。
ふり返りでは、ひと口を求めずにいられたかも見てみます。安全に、わかりやすく参加できた工夫は続け、続けにくいことは簡単にし、変えるのは1つずつ。体調、安全、発達の心配があるときは、先に専門家に相談しましょう。
大人が決めること
食べなれた物と並べるのは、大人の側の工夫です。出すもの、食べる時間と場所、調理、見守りを決めるのは大人。おなかのすき具合と、食べるかどうかを決めるのは子どもの体です。この分担で食卓の圧が減り、体重や痛み、飲みこみの問題もごほうびで隠れずにすみます。
安全と、子どもの尊厳
大人が食べてみせることと合わせて、まっすぐすわる、そばで見守る、今のかむ力に合った形とかたさにする、年齢に合った応急手当を学んでおく、を続けましょう。息ができない、重いアレルギー反応が疑われる、というときはすぐに119番を。体重、水分、痛み、飲みこみの心配は早めに医療者へ。
うまくいかないとき
調理を変えても、「ピーマンひと口食べたらデザートね」とせかす、同じ食事で代わりを次々出す、食べた量でごほうびをあげる、食べないのは全部わがままだと考える。これでは工夫が台なしです。痛み、成長、アレルギー、飲みこみの心配は、説得より診てもらうことが大切です。
前進のしるし
野菜となかよくなる途中では、近くにあってもいやがらない、さわる、新しい食感に慣れる、空腹や満腹を伝えられる、食べる物の幅が広がる、といった変化があります。1皿ではなく何週間かで見ていきましょう。体重、水分、痛み、アレルギー、飲みこみのどれかが心配なら、それより早く動きましょう。
専門家に相談したいとき
体重が増えない、脱水、痛み、何度もせきこむ、のどにつまりかける、飲みこんだあとのゴロゴロした声、アレルギーの疑い、食べられる物が急に減る、食事が成り立たないほどの苦痛。こうしたときは医師や栄養士に相談しましょう。小さな子は食べるときの感覚を説明できません。保護者が気にかかることだけで、十分な理由です。
最後に
野菜を全部食べる子や、完璧な献立を目指さなくて大丈夫です。調理を変えてみることから始め、つながりと安全を守り、長い目で変化を見ていきましょう。一般的な情報でわからないときは、その子をみてもらいましょう。
ポイント: 野菜は調理を変えて、何度でも出会う機会を。続けやすくして、変化を見ていきましょう。