「ママ、ぼくのこと好き?」何度も確かめる子の不安を支えるには

「まだ、ぼくのこと好き?」「怒ってる?」「ぜったい来てくれる?」「これで合ってる?」。こうした質問を、ぐるぐるくり返す子がいます。同じ安心を何度も求め、ときには親が答えて数分後に、また聞いてくる。何度も確かめずにいられない子は、いとおしくもあり、へとへとにもなります。何度でも答えつづけることが助けになっているのか、かえって悪くしているのか、心配になるかもしれません。本当のところは、そのどちらのはしよりも、やさしい場所にあります。

安心を何度も求める子がいるわけ

何度も確かめるのは、たいてい不安を扱うためのやり方です。何かがはっきりしないとき、親に確かめると、一瞬ほっとします。そのほっとした感じがとても心地よいので、子どもはまたもう一回もらいに来るのです。もともと不安を感じやすい子、変化のまっただなかにいる子、気持ちを強く感じるつくりの子は、こうしたことがより多くなります。何度も確かめずにいられないのは、困らせようとしているからではなく、その子の神経が安心できる方法をさがしているからです。そう見なおすだけで、こたえ方がやわらかくなります。

安心のわな

ここがむずかしいところです。心配そうな質問に、毎回すべてまるごと答えていると、うっかりそのくり返しを育ててしまうことがあります。少しでも不安がよぎったら親に聞けばいい、と子どもが覚えるので、確かめることは消えていくどころか増えていくのです。だからといって、冷たく安心させるのを断りなさい、という意味ではありません。目標は、助けになるくらいに安心させながら、いつも親に頼るのではなく、子どもが自分で自分を落ち着かせる力を少しずつ育てていくことです。

事実だけでなく、気持ちを安心させる

子どもがまた同じことを聞いてきたら、10回目の事実の答えを反射的にくり返すのはこらえて、その下にある心配のほうを向いてみましょう。また平らな「うん、好きだよ」と言うかわりに、こう言ってみます。「ママが大好きかどうか、何回も確かめたくなるんだね。今日はちょっとぐらぐらしてるのかな。ママはあなたのことがまるごと大好きだし、ここにいるよ」。気持ちに名前をつけるほうが、100回目の事実の確認よりずっと助けになります。表面の質問ではなく、不安そのものにこたえているからです。

内側の自信を育てる

長い目で見た目標は、自分で自分を安心させられる子です。あたたかさを引っこめずに、やさしくその練習をつきあえます。

  • 質問をやさしく返してみる。「どう思う?ママ、まだ怒ってると思う?」
  • その子自身の証拠を思いださせる。「このパズル、前にもできたよね。そのとき何が助けになった?」
  • 自分を落ち着かせることばをわたす。「心の中で言ってみてね。ママはかならず帰ってくる、って」
  • 確かめずに乗りこえられたときに気づいて、ことばにする。「自分ひとりで考えられたね」

こうした小さな一手が、そのたびに少しずつ、自分を立てなおす道具を子どもの手にわたしていきます。

心配の先回りをする

何度も確かめることは、予想のつく場面に集まりがちです。別れ、新しい場面、寝る時間。心配がいちばん大きくなる前に、安心を先にわたしておくと、その必要を減らせます。はっきりしていていつも同じさよならの習慣、見通しのある毎日の流れ、次に何がくるかの予告。どれも、質問のもとになっている「わからなさ」を小さくしてくれます。ある特定のできごとのまわりで何度も確かめずにいられないなら、その瞬間に確かさを組みこむほうが、その場でどれだけなぐさめるより効果があります。

親自身の落ち着きを保つ

子どもは、ことばより声の調子を読みとります。答えがぴりぴりしたり、いらいらしたり、不安そうになったりすると、子どもは、やっぱり何か心配することがあるのかもしれないと感じ、確かめることがいっそう強くなります。くり返しの質問には、あたたかく、落ち着いて、ちょっとたいくつなくらい同じ調子でこたえてみましょう。親の動じない落ち着きそのものが安心になり、本当に大丈夫で、こんなにあわてる必要はないのだと、静かに子どもに伝えてくれます。

確かめることを、はずかしめない

どんなにくたびれていても、安心を求めることをばかみたい、うるさい、と子どもに感じさせないようにしましょう。いらだった「なんでそればっかり聞くの?」は、心配を解消するのではなく、かくすことを教えてしまいます。終わりのないくり返しに、やさしく区切りをつけるのはかまいません。ただし、あたたかく。「大好きって言ったよね。毎回、本気で言ってるよ。じゃあ、何か楽しいことをさがそうか」。めざすのは不安を小さくすることで、不安になることに不安をもたせることではありません。

何度も確かめることが、もっと大きなサインのとき

ある程度安心を求めるのは、とくに変化のときには、子ども時代のふつうの一部です。でも、ときには不安が大きくなって、もっと支えが必要になることもあります。心配が強く、ずっと続いている、遊ぶ、眠る、園に行くといった毎日のことができなくなっている、安心させてもまったくほっとしない、決まった儀式のような行動や、避ける行動、気分の落ちこみが続く、という様子があれば、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してみましょう。小さな子の不安は支えによく反応しますし、早めに相談すれば、子どもにいちばんよい助けを届けられます。

あたたかさと育ちを、両方

こうした子を支えるのは、戦いではなく、バランスです。安心をばっさり断つのでも、限りなく安心をそそぎこむのでもありません。あたたかく、確かにそばにいながら、自分を立てなおす道具を、そっと子どもにわたしていくのです。世界は安全で、親はかならず帰ってくる、という自分なりの証拠を子どもが集めていくうちに、たいていは、ずっと続いていた確かめがやわらいでいきます。何度でもさしだされる、親の落ち着いた、愛情のこもった変わらなさこそが、不安になりやすい子に、自分は今も、これからも、ちゃんと安全なのだと教えてくれるのです。

ポイント: 何度も確かめるのは、安心をさがしている不安のあらわれです。その下の気持ちに、落ち着いたあたたかさでこたえながら、自分で自分を落ち着かせる練習に、そっとつきあいましょう。

NHS, Children and young people's mental health: advice for parents

CDC, Positive Parenting Tips