保育園や幼稚園から帰ると大泣き。お迎えのあとにつながりなおすには

うれしい再会を思いうかべてお迎えに行ったのに、子どもはくずれてしまう。靴をはかない、なんでもないことで泣く、親を無視する、駐車場で大かんしゃく。そのそばで先生はにこにこと「一日じゅう、とってもごきげんでしたよ」。それが毎日なら、どうか気を落とさないでください。園から帰ったあとに崩れるのは、小さいころによくあることで、そして、いちばん誤解されやすいことのひとつです。なめらかにするためにできることは、たくさんあります。

お迎えのときにかんしゃくが起きるわけ

一日じゅう、子どもはがんばって自分を保ってきました。ルールを守り、順番こをし、にぎやかさに耐え、親なしでやってきたのです。小さな人にとって、それはとてつもない力がいります。安心できる人、親の姿を見た瞬間、ふたがはずれて、ためこんでいたものがぜんぶあふれだします。お迎えのときのかんしゃくは、園がうまくいっていないしるしではありません。その日の緊張を解きはなてるくらい、親を信頼しているしるしです。それがわかると、園から帰ったあとのつながりなおし方が、まるごと変わります。

落ち着いて、ひかえめに迎える

子どもは気持ちでいっぱいのコップをかかえてやってくるので、明るい質問や指示を次々にあびせるのは、いちばん役に立ちません。落ち着いて、あたたかく、ひかえめに迎えてみましょう。にっこり笑って、ほしがれば抱っこして、要求は少なく。目の高さまでかがんで、再会のリードは子どもにまかせます。静かな「会いたかったよ。会えてうれしいな」は、「楽しかった?何食べた?上着どこ?」を立てつづけにくりだすより、ずっと多くのことをしてくれます。

質問は、あとまわしに

一日のことをぜんぶ聞きたくなるのは自然ですが、お迎えの直後に問いつめると、たいてい、ふきげんな「べつに」が返ってくるか、子どもの限界をこえさせてしまいます。何かを聞く前に、気持ちをほどく時間と余白をあげましょう。おはなしはたいてい、プレッシャーが消えたあと、お風呂や夕ごはんのときに、聞かなくても出てきます。会話でつながりたいときは、大きな質問より、やさしく具体的なほうがうまくいきます。「今日、お庭で誰と遊んだのかなあ」。

やわらかい着地点を用意する

刺激の多い一日から家への切りかえは、やさしい橋があるとうまくいきます。小さな習慣が、移りかわりを楽にしてくれます。帰り道のおやつ、帰り道のお気に入りの歌、何より先にソファで数分、静かにくっつくこと。おなかがすいていたり、疲れていたりすると、何もかもが大変になるので、飲みものとおやつだけで機嫌ががらりと変わることもあります。このやわらかい着地をつくっておくことが、園から帰ったあとにつながりなおし、夜まるごとがこじれるのを防ぐ、いちばんシンプルな方法のひとつです。

家でも、余波はくると思っておく

家に着いてからも、一日の残りの気持ちが、いらいら、べったり、ささいなことへの大げさな反応として、もれつづけることがあります。罰するべきいたずらではなく、ふつうの気持ちのほどきとして見てみましょう。子どもは親を困らせているのではなく、大きな一日を下ろすのに困っているのです。そのぐらつきを、いらいらではなく、根気と近さで受けとめると、気持ちは流れていき、子どもはまた安心へと戻っていけます。

つながりのコップを満たす

長いあいだ離れていたあとは、子どもが親を必要とする気持ちは高まっています。夜のうちに、まるごと向き合う1対1の時間を。子どもがリードする遊びの10分でもかまいません。一日で減ったものが補給されます。こうして意識してつながりを補うと、長く離れていた距離を感じたときに出てくる、べったりや気を引く行動が防げることがよくあります。今のぎゅっとしたあたたかさが、あとの大変さをたくさん減らしてくれます。

親自身の夜への期待も、やさしく

親も仕事帰りなら、やはり疲れて帰ってきています。すり減ったふたりがぶつかると、火がつきやすいのです。夜への期待を下げると楽になります。はかどらなくていいし、充実していなくていいし、スムーズでなくていい。たいしたことは何もしなくても、ふつうでプレッシャーのない時間をいっしょにすごすほうが、数時間を完璧にしようとあせるより、ずっとつながりなおせます。子どもが本当に求めているのは、落ち着いて、いつでもそこにいてくれる親なのです。

園をめぐるつらさが続くとき

朝の別れやお迎えのときに多少取りみだすのはまったくふつうで、たいていは時間とともにやわらいでいきます。でも、ときには、もう少しよく見たほうがいいこともあります。園に行くことに強いつらさが長く続く、園でも家でもずっと楽しくなさそう、こわがっている、引きこもっている、眠りや食欲や行動の変化が続く、園で何かおかしいことが起きていると勘が告げる。そんなときは、声をあげてください。先生と話し、地域の保健師さんやかかりつけ医にも伝えましょう。自分の勘を信じて、早めにたずねるのは、まさに正しいことです。

ほっとする真実

毎日のお迎えのあとの崩れは、気が重くなるものです。みんなに一日じゅう元気でしたよと言われると、なおさらです。でも、親の腕の中でほどけることは、文句ではなく、ほめことばなのです。落ち着きと、根気と、やわらかい着地と、少しの向き合うあたたかさで、園から帰ったあとにつながりなおせるようになると、子どもには一日の重さを下ろせる安全な場所ができます。やがて切りかえは楽になり、子どもは静かな確信を持てるようになります。どんなに大きな一日でも、家と親こそが、気持ちをやっと出せる場所なのだ、と。

ポイント: お迎えのあとのかんしゃくは、気持ちを下ろせるほど安心しているしるしです。質問や指示ではなく、落ち着き、おやつ、急がないあたたかさで迎えましょう。

NHS, Separation anxiety in children

CDC, Positive Parenting Tips