四季の移りかわりを、幼児にも見える形に

小さな子は「いま」をめいっぱい生きています。それが子どものかわいらしさでもあり、時間というものが子どもにとってややこしい理由でもあります。外のはだかの木がいつか葉でおおわれるとか、明るく長い夕方がだんだん短く寒くなるとかいう考えは、幼児にとっては本当に頭の中だけの話です。季節に気づく手伝いをすることは、時間を目に見えるようにすることです。めぐる1年を、見て、さわって、予想できるものに変えてくれます。

季節に気づくことの価値

幼児期の季節の自然遊びは、静かで役に立つ仕事をしてくれます。変化に気づくことで、ちらっと見るのではなく、ちゃんと見る習慣が育ちます。つぼみや霜から、わたり鳥や収穫まで、語彙もふえます。そして、ものごとには順番があって、またぐるりともどってくるという、時間と順序の感覚が少しずつ育ちます。それは服を着ることから、やがてカレンダーを読むことまで、あらゆることの下にある力です。

そこには安心もあります。冬のあとには春が来て、暗い夕方もまた長くなっていくと知っている子は、変化はふつうのことで、多くはめぐるものなのだと学んでいます。持っているとほっとできる考えで、自然はどんな説明よりも上手にそれを教えてくれます。

同じものを、何度も見る

ひみつは、同じ場所をくり返すことです。木を1本、植えこみをひとつ、道のひと区間、公園の一角を選んで、1年を通して会いに行きましょう。同じ場所にもどると、変化ははっきりします。はだかだった木に、緑の点々がついている。泥の水たまりがひびわれた地面になっている。とじていた花がひらいている。見なれた目印ひとつが、新しい場所を十か所まわるより、ずっと多くを見せてくれます。

これを気軽な習慣にできます。行くたびに同じ位置から写真を撮るか、「この前とどこがちがう?」といっしょに言いあうだけ。何か月かたつと、お子さまは1年の生きた記録をつくり、次に何が来るかを予想しはじめます。ゲームのふりをした、頭の大きなジャンプです。

季節に合わせた遊びを

それぞれの季節が手軽なお誘いを用意してくれていて、何かをつくりだす必要はありません。秋は、落ち葉をけちらして集め、色が変わっていくのに気づき、どんぐりや木の実が落ちるのを見る。冬は、霜のもよう、はだかの枝、さむい空気の中の白い息、まだやってくる鳥をさがす。春は、最初のつぼみ、花、新芽をさがし、にぎやかになる鳥の声に耳をすます。夏は、長い日の光、ぶんぶんいう虫、あたたかい地面、さきほこる花に気づく。

そのすべてに、ことばと問いかけを織りこみましょう。「葉っぱはどこへ行ったと思う?」「どうして最近、こんなに早く暗くなるのかな」「この枝、春になったらどうなってるかな」。正しい答えをさがしているのではありません。ふしぎに思う習慣を育てているのです。答えは、何度も通ううちにやってきます。

季節を家の中へ

気づくことは、玄関でおしまいにしなくてかまいません。小さな自然コーナーや窓辺のびんに、毎週見つけたものをいくつか入れかえていけば、季節がいつもそばにあります。10月のどんぐり、4月の花の小枝、秋のあざやかな葉っぱ。何を足すか、色あせたら何を手ばなすかを話すことで学びが広がり、1年が動いていく感覚がお子さまに育ちます。

絵本、歌、かんたんな料理も助けになります。冬眠する動物の絵本を読む、雨の歌を歌う、旬の果物を食べる。どれもお子さまが外で見ていることを強めてくれます。同じ考えを、ちがう場面で重ねていく。小さな子が学びをしっかり自分のものにするのは、まさにこういうやり方です。

いまの季節に合った服で

季節を楽しむことの半分は、その季節を快適に過ごせることです。レインウェアと暖かい重ね着があれば、秋や冬のお出かけはつらいものではなく楽しいものになりますし、しっかり服を着ていれば、お子さまは何かにちゃんと気づけるくらい長く外にいられます。夏は、いちばん強い日ざしをさけて計画し、日かげ、帽子、日焼け止め、水を用意して、長めのお出かけはすずしい時間帯に。寒すぎたり暑すぎたりする子は、自分のつらさ以外、何にも気づけません。

正しさより、好奇心を

ここにテストはありません。春のさなかにお子さまが「いまは秋だよ」と言いはっても、ただ直すのではなく、やさしく証拠を見せましょう。「見て、新しい葉っぱ。葉っぱが出てくるのは秋かな、春かな?」。好奇心は知識より長もちします。気づくことを楽しめる子は、大人が教えたひとつひとつのことを忘れたあとも、ずっと気づきつづけます。

たいていの子は、とくにいろいろ指さしてくれる大人がいれば、自然とこれができるようになります。ただ、長いあいだまわりの世界にほとんど興味を示さない、大人が指さすほうをめったに見ない、前に言えていたことばやできていたことができなくなってきた、と気づいたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに気軽にひと言伝えておく価値があります。たいていは安心して終わります。それでも大多数の子にとっては、1年そのものが先生です。なじみの場所に通いつづけ、声に出してふしぎがりつづけ、あとは季節にまかせましょう。

覚えておきたいこと: 1年を通して同じ場所に通い、変わったことに名前をつけ、季節ごとの手軽な遊びを合わせましょう。お子さまに、時がめぐるのが見えてきます。

NHS, Physical activity guidelines for children under 5

UNICEF, Learning through play