葉っぱと石のなかま分け。正解のない自由な遊び
小さな子に葉っぱをひとにぎりと石をいくつか渡すと、ほぼまちがいなくならべはじめます。大きいのはこっち、小さいのはあっち。つるつるのは全部いっしょ。きれいなのは、とくべつな山に。この、まとめて順に整えたい本能は、算数的な考えのいちばん早いあらわれのひとつで、それを育てるのにお金はかかりません。自然のものを使ったなかま分け遊びは、その本能に、少しの場所と、おもしろい材料と、ちょっとの時間をあげるだけのことです。
なかま分けが、見た目以上に大切なわけ
なかま分けは土台になる力です。意味をもって数えたり、数を理解したりできるようになる前に、子どもは、ものには共通の性質があって、それでまとめられることをつかむ必要があります。この葉っぱはみんな黄色、この石はみんなざらざら、と決めるのは早い時期の分類で、のちに算数や理科、整理して考える力を支えるのと同じ力です。遊びに見えますし、実際に遊びですが、楽しい変装の下で、頭はまじめな仕事をしています。
ことばもいっしょに育ちます。なかま分けをしながら、同じ、ちがう、大きい、小さい、つるつる、ざらざら、多い、少ない、といったことばが、頭の中だけのものではなく、役に立つものになります。自然のものを使ったなかま分け遊びは、そのすべてに、本当にさわれる場面をくれます。それこそ、小さな子がいちばんよく学べるやり方です。
材料を集める
この遊びのいいところは、材料がただで、どこにでもあることです。お散歩のときに、葉っぱ、石、小枝、まつぼっくり、種のさや、鳥の羽、貝がらなどをお子さまに集めてもらいましょう。ひろうのは地面に落ちているものだけにして、生きている植物や生きものはそのままに。小さな袋やバケツがあると、集めることそのものが楽しみになります。そろったセットも、特別なものもいりません。大事なのはいろいろあることです。拾いものがちがうほど、分け方もふえるからです。
量はほどほどに。大きな山だと小さな子は圧倒されてしまうので、最初は手ごろなひとにぎりのほうが、山盛りより豊かな遊びになることがよくあります。夢中になってきたら、いつでも足せます。
分け方は、子どもが決める
いちばん大切なのは、指示したくなる気持ちをこらえることです。「大きい葉っぱはここ、小さいのはあそこに置いて」と言いたくなりますが、深い学びは、お子さまが自分で決まりを選んだときに起きます。材料を差しだしたら、待ちましょう。お子さまは大きさで、色で、手ざわりで、種類で、あるいは大人には見えない、その子だけの理屈で分けるかもしれません。どれも正解です。
グループができたら、直すのではなく、興味をもって聞いてみましょう。「このなかまのこと、教えて」「これはどうしてここなの?」。これにはふたつのいいことがあります。お子さまがどう考えているかが見えて、それがとてもおもしろいこと。そして、自分の理由をことばにするよう誘うので、考える力とことばの両方が強まること。正解のない遊びでは、行き先をにぎっているのは子どもで、大人の役目は興味をもつことです。
遊びを、自然に広げる
ひとつの分け方になれてきたら、主導権をうばわずに、新しい扉をそっとあけてみましょう。「同じものを、ほかの分け方でまとめられるかな?」と聞くと、ひとつのものの集まりを、ちがう決まりで整理できるという、力強い考えにふれられます。石、葉っぱ、石、葉っぱ、のようにいっしょにパターンをつくるのは、規則性に気づく練習になります。いちばん小さいものから大きいものへならべれば、順番の探検。それぞれのグループにいくつあるか数えれば、なかま分けが数とつながります。
ほかの遊びへ枝分かれすることもできます。葉っぱと石が、ままごとのごちそうに、おはなしの登場人物に、小さなおうちのかべに変わる。遊び方の決まっていない材料は、なかま分け、つくること、想像することのあいだを自由に行き来します。お子さまがどこへ持っていっても、ついていけば、遊びは生きつづけます。
実際の注意を少しだけ
自然の材料には、少し気をつけたいものもあります。拾いものを口に入れないよう伝え、土や外のものをさわったあとは手を洗い、とがったものや、見るだけで決してつんだり味見したりしてはいけない木の実やきのこには注意しましょう。お子さまのコレクションをさっと確かめるだけで、遊びをじゃますることなく安全が守れます。
なかま分けは、家の中でもすてきに楽しめます。その日の拾いものをトレーにのせて台所のテーブルに置けば、お散歩がそのままくつろいだ午後へと続きますし、何度も手をのばせる小さな自然のコレクションは、お子さまにとってなじみのある、ほっとできる遊び道具になります。
子どものペースについていく
なかま分けを始める時期は子どもによってちがい、興味も波のように行ったり来たりします。2歳の子は、はじめはものをさわってばらまくだけで満足するかもしれません。それは本物のなかま分けの前にある、まったくふつうの段階です。年中さんくらいの子が、ある日は本当にきっちり分けて、次の日は見向きもしないこともあります。どれも心配することではありません。興味があるときはついていき、ないときはそっとしておきましょう。
長いあいだ、ものを探ったりさわったりすることにほとんど興味を示さない、まわりのものと遊んだり関わったりしないように見える、できていたことができなくなってきたように見える、と感じたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに気軽に相談するといいでしょう。たいていは安心のためです。それでもほとんどの子には、葉っぱと石の入ったバケツと、急がない大人がひとりいれば、なんでもないお散歩が豊かな学びの時間に変わります。
ひと言でいうと: ただで手に入る自然の拾いものを差しだし、分け方はお子さまにまかせましょう。大人が仕切るより、その子の理由に興味をもって耳をかたむけて。
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5